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バドミントン コラム 2020年10月13日

日本勢は女子2種目でV候補、再開するバドミントン国際大会は強豪不在=デンマークOP

バド×レポ by 平野 貴也
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松本麻佑/永原和可那(北都銀行)

バドミントンのワールドツアーが、13日開幕のデンマークオープン(スーパー750)で再開する。コロナ禍で3月の全英オープン(スーパー1000)以降は中断しており、約7カ月ぶりの再開となる。国際大会のカレンダーは、二転三転。当初は、男女の団体戦であるトマス&ユーバー杯から再開する予定だった。国家間の移動によって新型コロナウイルス感染防止策である隔離期間が何度も生じるのを避けるため、デンマークで団体戦と個人戦2大会の3大会を連続で行うスケジュールを組んだが、不参加を表明する国が多く、9月半ばに延期が決定。個人戦も1大会のみとなった。年内に唯一行われることになったデンマークオープンも通常とは異なり、世界ランク上位者に出場義務が課せられていない。欧州で新型コロナウイルスのまん延が収まっていないこともあり、中国、韓国、インドネシア、マレーシア、タイといった強国の選手が出場しない。日本代表も男子シングルス世界ランク1位の桃田賢斗(NTT東日本)ら多くの選手が出場を辞退。バドミントンの中心と言えるアジア勢の欠場が目立ち、かなり寂しいラインナップとなっている。

福島由紀/廣田彩花(丸杉ブルビック)

それでも実戦経験を積める貴重な場であることは、間違いない。日本勢は、女子の2種目で優勝候補となる。女子ダブルスは、コロナ禍で国際大会が中断している中、2016年リオデジャネイロ五輪の金メダリストである高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)が8月にペアを解消し、高橋が引退。これによって、同種目の世界ランク日本勢2番手である松本麻佑/永原和可那(北都銀行)が世界ランク8位以内で日本勢2番手以上の条件を満たすことになり、東京五輪の出場権獲得を確実にしている。松本はデンマークへ向けて出国する際に「(高橋/松友の)2人は、自分たちの目標であり、ライバルだったので(五輪レースの)最後まで戦えなかったのは残念だったけど、2人のいる(五輪金メダリストという)位置を自分たちの目標に、頑張りたい」と背中を追って日本のけん引役になる気概を示した。アジアのライバルが欠場する中、日本勢1番手の福島由紀/廣田彩花(丸杉ブルビック)も出場。東京五輪の日本代表2ペアがともに優勝候補としてタイトルを狙う。

奥原希望(太陽ホールディングス)

女子シングルスは、奥原希望(太陽ホールディングス)が出場。最大のライバルは、2016年リオ五輪の女王であるキャロリーナ・マリン(スペイン)だ。マリン、奥原は、ともに世界選手権の優勝経験者。日本代表を率いる朴柱奉ヘッドコーチは「久しぶりの試合でマリン選手と良い試合ができるように頑張ってほしい」と頂上決戦の実現に期待を寄せた。

日本勢は、ほかに男子シングルスで桃田に次ぐ日本勢2番手での東京五輪出場を狙う西本拳太(岐阜県バドミントン協会)が出場。5月末にトナミ運輸を退社し、環境を一新した後の初戦でどこまで勝ち上がるか注目だ。男子ダブルス、混合ダブルスはエントリーしていた日本の全選手が出場を辞退している。

スーパー750という格付けの高い大会でありながら、多くの強豪選手が不在。新型コロナウイルスのパンデミックの影響は、いまだに強い。現場における感染症対策、大会の開催・運営方法なども重要だ。なお、今大会のランキングポイントは、五輪出場権獲得レースには影響しないが、BWFワールドツアーファイナルズ(21年1月、バンコク)の出場者を決めるツアーランクには反映される。同ランクで男子シングルス8位の西本は「ポイントを少しでも取れればと思う」とツアー成績上位8名が競うファイナルズへの出場に意欲を示した。3月の全英オープンから中断されていたワールドツアーがようやく再開となるが、勝ち上がりと合わせて、今大会の出場、不出場や成績が、今後に向けて、どのような影響を与えるのかも注目される。

文/写真:平野 貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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