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園田・嘉村ペア/写真は2019年のもの
「おもしろいねぇ」。近くで見ていたあるチームのマネージャーと、思わず顔を見合わせたのは男子ダブルス、園田啓悟/嘉村健士の試合。フルスピードのラリー中にガットが切れた嘉村が、コートサイドのバッグからすばしこく予備のラケットを手にしてコートに戻ると、園田組はそのラリーをモノにするのだ。これが象徴するように、ソノカムの試合は見ていておもしろい。低くて速い弾道のシャトルが行き来するラリーはスリリングで、似たような体格の2人が「これでもか」と攻める波状攻撃もアグレッシブだ。嘉村がトナミ運輸に入社するのを機に、八代東高時代に組んでいた園田とのペアを前年11月から本格的に再結成。以来、ソノカムとしてこれが国際大会3試合目になる。
それ以前から嘉村は、パートナーの進化に目を丸くしていたという。「国内では、10年のランキングサーキットなどに出ていましたから、それほどブランクがあったわけじゃないんですが、10年の時点でも啓悟がすごくパワーアップしていてビックリしたんです。腹筋は割れているし、胸筋なんかも大きくなっていた。だいぶトレーニングをしたんだと思います」。準決勝では、持ち前のスピードと低空高速ラリーでA代表の廣部好輝/数野健太を撃破したソノカム。園田にとって、前年からの連覇がかかる決勝は、インドネシアペアと対戦する。
山田和司、武下利一、桃田賢斗と3人のA代表が出場した男子シングルス。前週まで高校選抜に出ていた桃田は、準々決勝で武下を降したが、山田と対戦する準決勝は――。もう一方のヤマからは、前年のA代表から降格した坂井一将が意地を見せ、決勝に名乗りを上げている。女子シングルスには、前年の全日本総合で最年少女王に輝いてA代表入りした奥原希望、現A代表で予選から勝ち上がった大堀彩、中学3年になったばかりの山口茜らが出場。ベスト8は日本勢が7人を占め、決勝も日本人対決となったが、そこに奥原、大堀、山口は食い込んでいるかどうか。
やはり日本勢が4強を独占の女子ダブルスでは、福万尚子/與猶くるみ、米元小春ら、のちに五輪レースをにぎわす名前も見える。混合複では、前年のこの大会を制した嘉村/米元が決勝まで勝ち上がった。連覇に向け、こちらもインドネシア・ペアに挑む。
文:楊 順行
楊 順行
1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し野球、バドミントンなどの専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆している。
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