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地元で世界最強を証明した。バドミントンの国際大会「ダイハツヨネックスジャパンオープン2018」は16日に最終日を迎え、男子シングルスは、桃田賢斗(NTT東日本)が初優勝を飾った。
決勝戦の相手は、初戦で世界ランク2位のシー・ユーチー(中国)、準々決勝で2016年リオデジャネイロ五輪金メダルのチェン・ロン(中国)を撃破したダークホースのコシット・フェトラダブ(タイ)。勢いに乗る相手を、自慢の技術で抑え込み、ストレート(21-14、21-11)で勝利した。最後は、瞬間時速319キロ(大会表示)のスマッシュをクロスへたたき込み、その場にしゃがみ込んだ。
桃田は「互いに疲労がピークの中の5試合目。気持ちの強い方が勝つと思い、しっかり相手より足を動かして一球でも返そうとコートに入った。最後は、後半きつくて『あと何点、あと何点』と数えていて、やっと終わったという気持ちと達成感でしゃがみ込んだ」と栄冠を勝ち取った瞬間の気持ちを表した。
8月の世界選手権は、相手のエースショットを的確に返す守備力で頂点に立ったが、続くアジア大会では、守勢に回り過ぎて相手の攻撃を勢い付かせてしまい敗戦。今大会は、守備中心のスタイルの中で、攻撃を仕掛けていくタイミングを増やして5試合を勝ち切った。決勝で戦ったフェトラダブは「大きいトーナメントの決勝戦は初めてだったけど、思ったより上手く戦えた。桃田はネット前の技術があり、そこで差がついた。最後は、スタミナがなくなった」と強打を拾われ、長いラリーで消耗させられて攻撃を受けた試合を振り返った。
2020年東京五輪のバドミントン競技会場となる武蔵野の森総合スポーツプラザで大会を勝ち切った桃田は「この会場で優勝できたことは、五輪に向けて自信になる。相性の良い体育館。良い感触でプレーできた。でも、また来週、試合があるので、先を見ずに自分ができることを精一杯ぶつけていきたい」と話した。2年後に向けて期待の高まる優勝になったが、今季勝ち続けていることで、今後は世界の強豪から狙われる立場になる。「試合をしていて、研究されているのが分かった。ディフェンスゲームから崩すことも相手にバレていて、自分からアタックするまで(攻撃的な球を)打って来ない選手もたくさんいた」と警戒心を強める発言もあった。
桃田は、優勝したジャパンオープンを皮切りに、3週連続で大会に出場する。18日から始まる中国オープンは、ジャパンオープンよりもレベルの高いスーパー1000。また、25日から始まる韓国オープンにもエントリーしており、ジャパンオープンの2回戦で破ったラスムス・ゲンケ(デンマーク)と初戦で当たる。狙われる中で勝ち続けられるか。続く大会でも注目される。
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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