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若月隼太(ホテルロッソ・スキークラブ)
◆若月隼太(わかつき はやた)
新潟県湯沢町出身でホテルロッソ・スキークラブ所属。高校時代からナショナルチームに選抜され、近畿大学に進むと、1年でインカレ優勝、2年ではユニバーシアードで5位入賞を果たす。
さらに大学3年では、地元の苗場で行われたワールドカップに初出場。2022年にはヨーロッパカップで日本人として最高の5位に入賞し、2025年には世界選手権に出場。ワールドカップでは通算15戦に出場している。
アルペンスキー FIS ワールドカップ 2025/26
―― フィジカルのお話から伺おうと思います。少し絞られましたか?
体重は大きく変わっていないです。パフォーマンスと、あとはケガをしないで1シーズン戦い抜くのが重要だと思っているので、その辺も含めてバランスのいい身体作りを意識的に取り組んでいます。
―― そのあたりは予定通りですか?
特に昨シーズンと一昨シーズン、ケガなく1シーズンを戦い抜けたのがすごく大きいです。今シーズンも8月に遠征に行きましたが、大きなケガなく遠征できたのは身体作りの目的として、いい方向に進んでいると思います。
―― 昨シーズンの総括と反省点をお願いします。
全体として、いいシーズンだったと思っています。1回ケガがあったんですが、復帰後はずっと成績が伸びていて、成長を感じています。ただ、結果で見るとワールドカップで30番以内、どうしても入りたかったところだったので、それを達成できなかったので、何としても今シーズンはクリアしたいと思います。
―― 30番に入るために必要なことはなんでしょう?
昨シーズン、練習で各国の選手やトップの選手と滑っていて、だいぶタイムが近くなってきたり、勝ったりすることができたのですが、レースではなかなか勝てない、レースで結果を残せないのは、本番に向けたメンタル面だったり、その辺が非常に重要になってくると思います。
あと、戦略的なところで言うと、スタート順が遅い中で、どういうふうに結果を残すかを、しっかりフォーカスしていかないといけないと思います。
―― スタート順が遅いところから上位に残るため、どう分析されていますか?
練習のタイムが非常に良くなってきて、トップ選手と同じぐらいのタイムで滑れるようになってきましたが、コースが荒れてきた時のシチュエーションの練習がちょっと足りていないと思います。
トップ選手はいい条件で練習にしますし、僕たちも普段はいい条件で練習しますが、今季は少し遅めにスタート、あえて時間を遅らせることで、コース条件の悪い中での練習を増やしていこうと思います。
ターンスピードを武器に世界と戦う若月隼太
―― コースがいい時と荒れた時、テクニック的に違いますか?
多少変わってきます。あと、ライン取りが非常に変わってきて、きれいな時は自分の行きたいラインを行けますが、コースに溝がついてきた時はなかなかそうはいかないので、その溝に合わせて瞬時に判断します。
溝がついていると、無線で情報がスタート前に入ってきますが、それはイメージでしかないので、実際コースに入った時に、その瞬間、瞬間にどのライン取りを選択するかを考えないといけない。そういった面で、考えることが少し多くなります。
―― そのスタート順を上げるには夏の南半球でのレースが重要だと思いますが、今年の夏を振り返っていかがですか?
今年の夏は結構レースに参戦して、ワールドカップのスタート順を挙げるために優勝を目指していたのですが、結果としては非常に物足りないです。
ただ、練習も非常に良かったですし、レースの分析をしている中でターンスピード、速さは見せられていました。その中でなかなか1本まとめることができず、ミスで結果につながらなかったと思います。開幕までにまだ時間あるので、その辺をしっかり修正、調整していきたいと思います。
―― 五輪シーズン、どういうことをやっていきたいですか?
目標はとにかくワールドカップ30番以内。それがまずスタートラインというか、目標の中でも最低限のラインだと思っています。そこに向けて、先ほども言った通り、荒れた条件でどういう滑りができるかが勝負だと思います。
溝がついてくるとメンタル面での恐怖心や、叩かれてフィジカル的にもかなりきつくなってくるので、そこで戦えるところ、それを練習の中でしっかりと積み上げていきたいと思います。
―― 30番に残ると、今度は逆にいいコースですね。
僕の中では、残ったとしても多分20番後半で1本目残ると思うので、そうなるとかなり好条件でスタートが切れます。そうなれば、自分の滑りを表現できるというのがすごく楽しみです。
―― 最後に自分のいいところをPRしてください。
スキーの操作性だったり、幅広さは武器だと思います。特にターンスピードですね。1ターン、1ターンの速い滑りを得意にしているので、それをうまくスタートからゴールまでまとめられば、確実に世界と戦えるという自信もあります。それをしっかりまとめられるような練習をしていきたいと思います。
J SPORTS 編集部
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