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加藤聖五(野沢温泉スキークラブ)
◆加藤聖五(かとう せいご)
野沢温泉スキークラブ所属。中学卒業後、オーストリアの国立スキー学校に留学。史上最年少の17歳で、全日本スキー選手権で優勝。
2021年パラレル種目でワールカップ初ポイントを獲得。同年2月の世界選手権ではGS種目で18位。さらに2024年1月ワールドカップでは20位に入り、日本人2人目のGS種目でのワールドカップポイント獲得を果たした。
今年9月にはニュージーランドのコロネットピークで行われた、コンチネンタルカップ・オーストラリアニュージーランドカップのGS種目で優勝を飾った。
アルペンスキー FIS ワールドカップ 2025/26
―― 暑い夏にすごくいいニュースが飛び込みました。15点のミニマムポイントを取った、南半球での戦いを振り返ってください。
ミニマムポイントを取るのは初めてだったので、素直にうれしい感情と、ニュージーランドのコンチネンタルカップは、毎年レベルがすごく高くなるので、各国のナショナルチームがいる中で、しっかり2本揃えて優勝できたのは、かなりの自信になりましたし、今後につながってくると思っています。
―― その時のレースは技術的に何か違いはありましたか?
技術的というよりは気持ちの状態が良かった、メンタルの状態が良かったのが、他のレースに比べてあったと思います。ちょっと楽な気持ちでレースに望んだらうまくいったという感じです。
―― 楽な気持ちで臨めたのは何か要因がありますか?
それまでのニュージーランドやオーストラリアのレースで、なかなかうまく滑ってくることができなかったり、2本揃えられないレースが続きました。そういう2本揃えなければとか、ポイント取らなければという気持ちを一度忘れて、今できる最大限の力を発揮しようとだけ考えて臨みました。
―― 昨シーズン、2024-25シーズンを振り返って、どう総括されていますか?
納得のいくシーズンではなかったです。2023-24シーズンのワールドカップでは、2度ワールドカップポイントを獲得しました。その勢いで昨シーズンに臨みましたが、なかなかうまくいかず、苦しいシーズンを過ごしたという感じです。
五輪シーズンに挑む加藤聖五
―― そのシーズンが終わって、この夏は良かった。五輪がある2025-26シーズンはどう戦っていこうと思いますか?
夏のニュージーランド遠征で、かなり世界ランキングが上がって、ワールドカップでは、GSでは30番台のスタートは固いと思うので、レース展開もかなり変わってきます。滑るコンディションだったり、雪面のコンディションも相当良くなると思うので、自分のパフォーマンスが発揮しやすくなると思います。
30番はかなり狙える位置にいるので、今シーズンこそは最終戦に出れるように、しっかりワールドカップポイントを積み重ねて、世界ランキングをどんどん上げていきたいと思います。
―― 昨シーズンは北米でスーパーGにもチャレンジしました。高速系をやったことで収穫はありましたか?
スピードの次元が上がったり、遠心力やGはスピード系をやってから、かなり次元が上がったので、そこの部分がGSにつながったと考えています。
―― 今年もGS中心で行くことになりますか?
まだ、ちょっと分からないです。ニュージーランドではスラロームも挑戦していて、世界ランキングでは120番ぐらいにはなれたので、スラロームもしっかりトレーニングすれば、戦える実力は自分ではあると思っています。
自分ではスラロームをやっていこうと思っていますが、どのレースをチョイスするかはすごく大事なので、スケジュールの関係もありますが、しっかりチームスタッフと話し合って決めていきたいと思います。
―― 南半球ではスラロームが良かったですが、何か手応えみたいなものはありましたか?
ニュージーランドのレースは、比較的斜度が緩いところがレースコースで、自分が得意としている緩斜面だったので、各国のナショナルチームとしっかり戦えたというのがありました。雪の状況も非常に悪かったので、自分の故郷の野沢温泉に少し似てる雪、柔らかい雪質だったので、そこもあのプラスに働いたと感じています。
―― 南半球から戻って、野沢温泉に帰りましたか?
帰りました。一昨日帰って、1泊しかしてないんですが。
―― 結果を持って行ったら、皆さんなんかおっしゃってましたか?
家族にしか会ってませんが、喜んでくれました。さっき、スキークラブの森会長にお会いして、「成長したな」と言っていただきましたので、ホッとしました。
―― 五輪もあり、今季はすごく重要なシーズンになると思いますが、どういうふうに臨んでいこうと思いますか?
現状、国枠は1つしかないので、それをしっかり勝ち取っていく。ワールドカップではスタート順も良くなるので、しっかり2回、30番以内、クオリファイして、できるだけ早く内定させたいと思います。
―― ワールドカップへの意気込みを聞かせてください。
五輪出場はワールドカップで30番以内を2回か、8番以内を1回取れば、ほぼ内定という状況ですが、そこで満足せず最終戦に出れる、ランキングでトップ25に入れるよう、この数年間目標に掲げてやってきているので、しっかりその目標を達成したいと思います。
J SPORTS 編集部
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