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スキー コラム 2019年4月3日

ノルディック複合 18/19シーズン総括

ウインタースポーツコラム by 岩瀬 孝文
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渡部暁斗

渡部暁斗の前半ジャンプ(世界選手権)

今季、最大の山場であったゼーフェルド世界選手権のノルディック複合10km個人戦で銅メダルに輝いた渡部暁斗(北野建設)だった。
試合ではトップ集団の3人で周回コースに入り、ラスト前の下りから左ターンでスパートをかけられ、そこで後退していっての3位。ゆうにノルウェーとオーストリア選手の優勝争いに最後までしっかりと加わり、個人戦ノーマルヒル10kmで銅メダルを得た。

渡部暁斗

世界選手権で銅メダルを獲得した渡部暁斗

ここまで前年の夏場から、入念に2月の世界選手権の金メダル獲得に向けて調整してきた集大成であった。
「どうしても金メダルが欲しかったんですけどね、そのチャンスがあっただけに。追いかけていって、最後についていけなくなって悔しい」
そう活発な口調で長めにインタビューに応えた。
やはり、やりきった感および目標に到達できなかった口惜しさが、じわりと込み上げてきたからであろうか。

渡部暁斗

トップを激しく追う渡部暁斗

W杯の最終戦は今季もショーナッハ(ドイツ)だった。
これは近年における連続のファイナルゲームの開催で、当然のことながらドイツチームの勝利と、地元大観衆を前にして有終の美が望まれていた。
ただ惜しまれるのは世界選手権のときにドーピング違反があり、オーストリア選手2人や医師など9人もの逮捕者が出てしまい、その関連施設がドイツ国内にあったことで、だいぶトーンダウンしてしまったドイツ選手たちだった。
そのショーナッハW杯で日本のエース渡部暁斗は9位と5位で走り終えた。
そしてW杯個人総合成績は栄えある第2位に。
「今シーズンのメインターゲットとしていたのはゼーフェルド世界選手権でした。W杯の勝利よりもそこでの金メダルをめざして、じっくりと調整しながらトレーニングにあたりました」
ひたむきなまま渡部は、そう振り返った。
「個人総合2位とはいえ、W杯では未勝利に終わりましたからね。なんとも、もどかしくて、でしたね」
今季のW杯においては2位3回と3位を2回記録して、充分に底力があることを示していた。

渡部暁斗

クロカンランに努力がみられた渡部善斗

また、世界選手権の団体戦では、途中ポールが折れてしまうアクシデントなどがあり、4位と表彰台を逃していたが、世界で上位のチームとしてのポジションを確保。
総合的にみて、日本は前半のジャンプこそ首位と2位などにつけたが、後半のランで逃げ切ることができなかった。そして欧州の列強ノルウェー、ドイツ、オーストリアに逆転を許す流れが見られた。そこは、さらにランでの強化を施しながらのチームメイクといえそうだ。

チームでは渡部兄弟の善斗が、もともとクロスカントリースキーに対する向上心に優れて、日頃からの努力が光っている。そこに大きく期待をかけたい。
さらには得意とする前半ジャンプで果敢に飛距離を伸ばしている若手の山本涼太(早大)も、クロスカントリースキーの走り次第では、上位入りがみえてきていた。
そのものジャンプとクロカンスキーでバランスよい強化を展開していかなければ、好成績を出しにくいノルディック複合だ。日本チームが前半のジャンプでリードしていける特色を生かしつつ、クロスカントリースキーで走り抜けるそのパワー養成となる。

海外チームでは、ドイツの強さが際立つが、今回のドーピング関連の影響があり、ひさしく後塵を拝する可能性がある。そこには、しばしば独走をみせる強豪3選手が控えている。
北欧の雄ノルウェーがじつにジャンプとランにバランス良い強化がなされ、その持ち前のランで怒涛の走りが脅威となる。またオーストリアはもともと伝統の力があり着実なまでに新人を育成してくる。
注目すべきは、ひところ低迷していたフィンランドだ。主軸のヘロラを中心にまとまりがよく、いよいよ表彰台に戻ってきそうな勢いにあふれている。

②グルーバー(AUT)①リーバー(NOR)③渡部暁斗(JPN)

②グルーバー(AUT)①リーバー(NOR)③渡部暁斗(JPN)

1月後半、全日本選手権クロスカントリースキーの会場であった白馬スノーハープ競技場にきていた渡部兄弟は世界選手権直前のわずかな休養時期に、クロカンスキー仲間とフィニッシュエリアで終始リラックスしながら立ち話に興じ、しっかりと気分転換、その後の世界選手権に合わせてメンタルコントロールをしていた。

今後はチームをリードする渡部兄弟の背中を見ながら学ぶ、そういう好選手を育成し続け、トップチームと連携できる選手層の厚みがほしいところだ。

岩瀬 孝文

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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