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チーム体制を新たに世界に挑むアルペンスキーの日本代表。シーズンイン直前に今シーズンもJ SPORTSのFIS W杯中継の実況を務める吉田 暁央アナウンサーが若き代表選手たちの本音に迫った。若きSNOW JAPANアルペンスキーヤーの素顔とは?
第6回目は中学卒業後オーストリアに渡り武者修行を続け、成長を遂げてきた加藤 聖五選手(野沢温泉SC)。初のW杯出場となったレヴィ大会(11/18)は1本目でコースアウトという悔しい結果となったが、その力強い滑りは今シーズンの彼に大いなる期待を抱かせてくれた。今シーズン、彼はいかにしてW杯に挑むのか? 遠征前にインタビューを行った。
人として成長できた欧州での武者修行
吉田:
オーストリアでの武者修行は終わったということでしょうか。
加藤:
そうですね、一区切りです。
吉田:
オーストリアには何年いましたか。
加藤:
4シーズンですね。
吉田:
現地で多くの事を学んだと思うのですが、一番大きかったことは?
加藤:
スキーの技術面はもちろんですが、何よりも人間性の向上というか人として成長ができたということが大きかったですね。
吉田:
日本と全く環境は違いましたか。
加藤:
スキー場、雪質は全く違いましたね。やっぱりアルペン向けだなと思いました。
吉田:
学校に行っている間、雪上トレーニングは一日どれくらいしていたのですか。
加藤:
はっきり言って、日本で練習をしている選手よりスキーを履いていなかったと思います。
吉田:
内容が濃かったということですか。
加藤:
内容は日本とあまり変わらないと思うのですが、周りの環境が強くしてくれましたね。
吉田:
その中で一番成長した面はなんですか。
加藤:
海外での戦い方です。場の雰囲気や言葉に慣れていることだったり、友人も多く出来たのでコミュニケーションが取れることで新しい情報も入ってきますからね。
気負ってしまった、全日本選手権
吉田:
それでは昨シーズンをポイントポイントで振り返ってもらいましょう。開幕戦のゾルデンはいよいよ海外デビューか、と思ったのですが残念ながら中止になってしまいました。準備はかなりできていたのですか。
加藤:
そうですね。かなり準備は出来ていたので楽しみだったのですが…アウトドアスポーツなのでしょうがないですね。
吉田:
ゾルデンの直前はどのような準備をしていましたか。
加藤:
W杯のコースを実際に滑ってみて、F.ノイロイター(ドイツ)とM.シフリン(アメリカ)と練習が一緒だったのですが、彼らとタイムを比べても遜色はなく手応えは十分でした。
吉田:
年末の全日本選手権は、どのような気持ちで臨んでいましたか。
加藤:
正直楽勝だと思っていました。余裕で勝てるかなと思ったのですが、実際は甘くなかったです。
吉田:
全日本選手権の反省点を教えてください。
加藤:
いや~(苦笑)SLに関してはスキーが重なりポジションが後ろになってしまったことでコースアウトしてしまいました。GSは考えていることや、やることがいつもとちょっとずつ違っていて…変に気負っていたのかなと思います。
吉田:
その気負いは五輪の権利が掛かっていたり、自分の中で勝てる自信があったからですかね。
加藤:
そうですね。
吉田:
世界jrでの収穫はありましたか。
加藤:
実力不足で、全然収穫はなかったですね。気持ちの部分が他の選手に比べ弱かったり、技術も劣っていたので…完全なる惨敗でした。ただ、そのおかげで逆に気は引き締まりました。
吉田:
小さい頃から世界に出ていた加藤選手ですが、世界を相手にここは負けないぞというご自身の強みを教えてください。
加藤:
色んなスキーをやってきて、(ジャンプ、クロカン)、元々はフリースタイルの選手になろうと思っていた程のなので、そういう経験をしているからこそ他の選手よりスキーの基礎がしっかり出来ていると思います。
吉田:
逆に足りていないものは何ですか。
加藤:
強い気持ちです。メンタルが弱いので改善をしていかねばならないと思っています。
吉田:
理想としている選手はいますか。
加藤:
やはり、M.ヒルシャー(オーストリア)です。 技術的に世界のトップですが、他の選手も技術では彼に負けていません。ただ、彼が大きい大会で勝ち続けるのは他の選手と違う“何か”を持っているからだと思います。その“何か”を自分も早く見つけ、世界で常に勝ち続けられる選手となりたいです。
吉田:
故郷である野沢温泉に戻ってきました。野沢温泉SCとして戦うのは良い意味でプレッシャーとなっているのではないですか。
加藤:
勿論プレシャーもありますが、野沢温泉で育ってきたのでリラックスできていますよ。ただ、他の町とは違う野沢温泉らしい面もあって自分の中で刺激になっています。昨年の全日本で4位になった時、他の町で育った方は「よくやった」と褒められるかもしれませんが、野沢温泉の方は「何やってんだ!」と言われましたから(笑)。
吉田:
今シーズンW杯メンバーに選ばれましたが、日本代表の中でも出場枠を巡って戦わなければなりません、この状況をどう考えていますか。
加藤:
他のレースとかではメンバーに勝っていますので、自分のパフォーマンスを最大限に出してやることをしっかりやりさえすれば、世界に繋げていけると思います。
吉田:
W杯に出た場合の目標を教えてください。
加藤:
30番以内に入りTOP30のスタートリストに残ることですね。それが達成できたら次のステップに進みたいですが、先ずは30番以内を目指し、そのために必要なことを一歩一歩取り組んでいきます。
吉田:
どころで、GSとSLはどちらが好きですか。
加藤:
GSですね。スピードが出る方が楽しいですから。ただ昨年結果が出たのはSLだったので悔しかったです(笑)。
吉田:
それでは最後に意気込みをお願いします。
加藤:
今シーズンはW杯30番以内を目指し、スタート順を確保できるよう頑張りますので応援を宜しくお願いいたします!
J SPORTS 編集部
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