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チーム体制を新たに世界に挑むアルペンスキーの日本代表。シーズンイン直前に今シーズンもJ SPORTSのFIS W杯中継の実況を務める吉田 暁央アナウンサーが若き代表選手たちの本音に迫った。若きSNOW JAPANアルペンスキーヤーの素顔とは?
第4回目はジュニア時代から注目を集めてきた98-99年生まれ組の一角、若月隼太選手(近畿大学)。情熱溢れる滑りが特徴の若月選手が考える、未来とは?
悔しいシーズンを乗り越えるための肉体改造
吉田:
昨年はどのようなシーズンでしたか。
若月:
もっと上を目指すという目標を考えると悔しいシーズンでした。ただ一昨年に比べると進歩はしているので、成長している面とダメな面をしっかり受け止めて頑張っていきたいです。ただ…悔しいですね。
吉田:
成長した面とは。
若月:
完走率が上がったことですね。一昨年は本当に酷かったので…。
吉田:
完走率が上がった理由とは。
若月:
気持ちの余裕です。レースに臨むに当たって気持ちの流れを整えることが出来るようになってきました。余裕ができてからはFISレースなど格上の大会でも自分の滑りが出来るようになりました。
吉田:
ジュニア世界選手権などで世界と戦ってきた若月選手ですが、ここが世界を相手にしても負けないというご自身の強みは何ですか。
若月:
自分の強みは速さです。動きの速さや繊細さという面では、海外の選手に負けないと思います。そこにパワーが加われば…と感じています。
吉田:
パワーという話がでましたが、だいぶ肉体改造してきたなと見た目にも感じます。オフはどのようなトレーニングをしてきたのですか。
若月:
自分はスピードで勝負する選手ですが、海外選手に負けないためパワーの必要性を感じ、筋力アップのためのウェイトトレーニングに励んでいました。
吉田:
フィジカルは数値的な面でも上がりましたか。
若月:
今までは走り込みなどの持久トレーニングがメインで、フィジカルトレーニングはしていませんでした。ウェイトトレーニングをしてから体重は3~4kg増え、筋力テストでも数値が向上しています。
吉田:
フィジカル面の目標は?
若月:
自分の強みであるスピードを落とすことが無い範囲で、最大限に筋力を向上させることです。
吉田:
腿(もも)も凄く太くなりましたよね。
若月:
ほぼ下半身しかトレーニングをしていませんでした。上半身も下半身とのバランスを保つためにトレーニングをしましたが、8割は下半身でしたね。
吉田:
フィジカルトレーニングは雪上でどのように活かしていきますか。
若月:
W杯の舞台は急斜面で硬くて荒れているバーンです。今までは雪面から伝わるアクションに負けてしまっていたので、そこで負けないしっかりと構えられる身体をつくることに活かしていきたいです。ヒルシャーはどんな状況でも身体の軸が崩れないんですよ。それは下半身、足元の強さがあるから安定しているわけで、自分も下半身を強化していかなければと感じています。
吉田:
目標、理想としている選手はいますか?
若月:
ヒルシャーですね。間違いなく世界でトップですから。ヒルシャーは小柄なので背が低い私は意識をしますし、手本にしています。
今年で最後としたい、アジアでの戦い
吉田:
ダウンヒラーの全日本チャンピオンのお父さん(若月 等氏)からは何かアドバイスを貰っていますか。
若月:
あんまりないですね(笑)。ただ、気持ち的な面のアドバイスはあって「ガツガツいけ!」、「練習も試合も100%で行け!」と言われています。「練習でもどんな小さいレースでも手を抜くことなく、その積み重ねがあって大きい大会の結果に繋がるんだ!」とずっと言われていました。
吉田:
W杯も50年の歴史を重ね、世界では最近二世選手がトレンドになっています。日本でも若月選手、相原選手と出てきているわけですが、意識はされますか。
若月:
まったくないですね。誰も世界一をとったワケではないですから。
吉田:
今シーズンはどのようなシーズンにしたいですか?
若月:
アジアで戦うのは今年で最後だと思っています。ファーイーストでチャンピオンになり、W杯出場の権利を得ることが目標です。そして翌シーズンは欧州中心で戦いたいと思っています。
吉田:
チャンピオンというのは、SLとGSどっちですか。
若月:
どちらもです。
吉田:
GSも視野に入れているんですか?
若月:
はい! FIS大会になってもそうですね。
吉田:
ということは、苗場のシーズン(※2020年2月に苗場でのFIS W杯開催が決定)はそこにいるわけですね。
若月:
はい(笑)。
吉田:
それでは最後にファンに向けて一言を。
若月:
先ずは今年ファーイーストでチャンピオンを取って、来年からはW杯で戦っていきますので応援をよろしくお願いいたします!
J SPORTS 編集部
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