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チーム体制を新たに世界に挑むアルペンスキーの日本代表。シーズンイン直前に今シーズンもJ SPORTSのFIS W杯中継の実況を務める吉田 暁央アナウンサーが若き代表選手たちの本音に迫った。若きSNOW JAPANアルペンスキーヤーの素顔とは?
第3回目は名実共に日本女子アルペンのエースとなった安藤麻選手(東洋大学)。五輪での経験はどう活かされているのか、今シーズンの展望を伺った。
2本目に残れるようなってついた自信
吉田:
早速ですが、初めて出場した五輪の印象は?
安藤:
五輪は幼い頃からの夢であり目標としていた大舞台でした。ただ何回もファーイーストカップで滑っている地なので緊張はあまりせず、ただ頑張ろうという思いでした。しかし、五輪は五輪。思ったような結果を簡単に出させてもらえるような場所ではなかったです。
吉田:
そこで掴めたものはありましたか。
安藤:
2年前、世界選手権に初出場した際、緊張して緊張して…今回の五輪もあまり結果が良くなくて…。どんどん舞台が大きくなるにつれ、プレッシャーも大きくなるので技術面はもちろんですが、メンタル面を鍛える重要性に気づきました。
吉田:
お姉さん二人(長谷川絵美、清澤恵美子)が引退されて、日本女子アルペン界では名実ともにトップランナーとなったわけですが、ご自身はどのように思われていますか。
安藤:
恵美子さんには「辞めるのを辞めませんか」と何度も言っていたので(笑)心細いです。関係者にとっても上二人が抜けると頼りないなと感じていると思うのですが、そう思わせない実力を付けて4年後に向け頑張っていくしかないという気持ちをもっています。
吉田:
昨シーズンはGSで1回、SLで2回ポイントを取っています。こうやったら2本目に残れるという感覚は掴めましたか。
安藤:
開幕戦(GS・ゾルデン)に関しては、シーズン前からSLの調子が良くて、今シーズン残れるならSLだと思っていましたが、GSで結果が出たので、自分が2本目に残れるんだ…と正直驚きました(笑)。後半戦のSL2戦(クラニスカゴラ、フラッハウ)は五輪出場がほぼ決まっていたので、ダメだったらしょうがないと割り切って滑ったら結果がでました。自信をもって思いっきり滑るという感覚が掴めたのかもしれません。
吉田:
後半戦のSL2戦で2本目に残ったとき、ポイントをきちんと取るのか、更なるジャンプアップを狙っていくのか、どちらの気持ちでしたか。
安藤:
開幕戦で残ったときは、転びたくない、ゴールしたい、でも遅く滑りたくないという気持ちの葛藤がありました。ただ、スタートしたらそういう気持ちは消えて、滑り下りるだけでしたけどね。後半戦の2戦目、3戦目になってくると2本目に残れるという感覚が分かってきたので、気持ちの迷いもなく“リスクを負わなければ結果が伴わない、ノーリスクノーリターンだ!”というマインドに変わりました。コースアウトを気にしてもしょうがないですし、ダメだったらまたチャレンジするだけですから。ただ残っても30番目ギリギリなので、これを安定して上位に持っていけるよう頑張っていきたいです。
吉田:
かなり自信がついてきたんですね。
安藤:
はい!
吉田:
世界で戦うため、安藤選手が他の選手に負けないぞ、という強みはありますか。
安藤:
周りに影響されない気持ち的な強さですね。もともと緊張しないタイプですし、他人に流されることもないので。
オフでみつけた世界に挑む上での課題
吉田:
オフシーズンはどのような面のレベルアップをしましたか。
安藤:
昨シーズンは陸上面を中心にレーニングしていました。ただ雪面は滑らないと強くならないので、今シーズンは滑り出しの時期を早めるなど滑る量を意識的に増やしました。
吉田:
コーチからはどのようなアドバイスがありましたか。
安藤:
ターン前半が弱いので…どうやったら加速していけるのかという点ですね。
吉田:
目標にしている選手はいますか。
安藤:
それが、いないんですよ(笑)。他人に影響されないので…自分がこうしたいという滑りを目指したいです。
吉田:
自分が目指している滑りとは。
安藤:
無駄のない基本に忠実な滑りです。
吉田:
アクロバッティックな滑りよりも地味な滑りということですよね(笑)。
安藤:
そうですね。昔からやる気があるのか!? とよく周りからみられていた滑り方なので(苦笑)。
吉田:
GSとSLどちらも結果を出した昨シーズンでしたが、どちらが好きですか。
安藤:
どちらも頑張りたいので、好き嫌いとかはないですね。
吉田:
でも両立って難しいですよね。
安藤:
W杯では両立している上位選手はあまり多くありません。ただスキーの根本は変わらないので、スキーをしっかりと理解することで両立を頑張っていきたいです。
吉田:
表彰台に上る選手と比べて、ご自身が磨いていかなければならないことはありますか。
安藤:
スタートから第1ゲージまでがとてつもなく遅いので…第2ゲージがそんなに悪くない分、関係者からがっかりされるんですよ…スタートを成長させていきたいです。
吉田:
その成長のキーはなんですか。
安藤:
スタートダッシュをとにかく頑張るしかないので、先ずは筋力をつけて、その力を上手く板に伝えるということを目指したいのです。
吉田:
スタート練習ってあまり聞かないのですが、しているんですか?
安藤:
スピードがゼロの時からどのように板を運び、加速していくのかが日本人選手の課題ですから大事だと思います。
吉田:
最後に今シーズンの目標を教えてください。
安藤:
2本目に確実に残れるようしっかり頑張ります! 応援よろしくお願いいたします。
J SPORTS 編集部
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