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スキー コラム 2018年10月3日

インタビュー第1回 石川晴菜選手

WE ARE SNOW JAPAN ~若きアルペンスキー日本代表の素顔~ by J SPORTS 編集部
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石川晴菜

チーム体制を新たにFIS W杯に挑むアルペンスキーの日本代表。シーズンイン直前に今シーズンもJ SPORTSのFIS W杯中継の実況を務める吉田 暁央アナウンサーが若き代表選手たちの本音に迫った。若きSNOW JAPANのアルペンスキーヤーの素顔とは?

初めての五輪

第1回目は平昌五輪(大回転)に出場し、成長著しい石川晴菜選手(木島病院)に今シーズンの展望を聞いた。

吉田:
昨シーズンは平昌五輪に出場しました。五輪の印象はどうでした?

石川:
現地入りして感じたのが、やっぱり特別な場所だということですね。W杯とはまた違う雰囲気で、周囲からの声もいつもとは違っていたので。

吉田:
W杯でも同じ日の丸を付けて滑っていますが、五輪は緊張しましたか? それともアドレナリンがでましたか?

石川:
アドレナリンが出ましたね。平昌の会場は何回か滑ったことがあったので、自分にとってはチャンスだと思っていました。すごくワクワクしましたね。

吉田:
日本女子アルペンにおいては久々のオリンピアン誕生で、我々もワクワクしていたのですがW杯も五輪も経験して気付いた、世界で戦えるご自身の強みを教えてください。

石川:
どんな場面でも動じないことですね。以前は何かあると精神的に落ち込んでしまうことがあったのですが、年々いろいろと経験するうちに強くなりました。

吉田:
精神的に変わっていった要因とは?

石川:
沢山失敗したことですね。本当にいろいろと失敗したので(笑)強くなったのだと思います。

吉田:
これは“良い”失敗だったことはありますか?

石川:
良い失敗、難しいですね。試合前の心構えですかね。以前はちょっとでも試合前にナーバスになってしまうとその気持ちが滑りに出てしまうことが多かったです。そんな精神面ではダメだと気付いて、それが徐々に改善されてきていると思います。

吉田:
技術面で石川選手が上積まなければいけないのは?

石川:
ターンの質ですね。常に雑にならないよう心がけています。1ターン、1ターンの質でタイム差が縮まってくるので、1ターンの加速を課題に練習をしています。

吉田:
具体的にはどのような練習をしているのですか?

石川:
ターン前半のつくり方ですね。少しでもズレしてしまうとロスに繋がるのでそこをいかにクリーンなターンにするのかを取り組んでいます。

石川晴菜

緩斜面の課題と克服

吉田:
シーズンオフの欧州遠征などで、石川選手が特に鍛えていたことは?

石川:
安定するための体感と反応ですね。ターンを雑にしないことを課題にしているので、どんな雪面、斜度でも安定した滑りをするためのトレーニングをしていました。

吉田:
石川選手は現状W杯に出場する立場に限りなく近いわけですが、GSとSLどちらが楽しみですか?

石川:
GSです!

吉田:
GSで楽しみにしているコースはありますか?

石川:
開幕戦のゾルデンですね。

吉田:
ゾルデンのコースは緩斜面、急斜面、凄い急斜面ですが、どのように攻めますか?

石川:
2回しかW杯に出たことがないのですが、一番タイム差が出るのが緩斜面だと感じています。緩斜面をいかに攻めてタイムを縮めていけるかが勝負ですね。

吉田:
緩斜面を縮めるというのは男女ともに日本チームの課題ですが、克服する“鍵”はなんだと思いますか?

石川:
「ターン」と「繋げる」ことだと思います。ただそこがまだできていないので…コーチと相談して縮めていきたいと思います。

石川晴菜

雪無し県の矜持

吉田:
これまで日本のアルペンスキー界を引っ張って来たのは、北海道と長野県の出身者でしたが、石川選手のご出身は?

石川:
石川県です。

吉田:
珍しいですよね。でも最近は能登の辺りからも良い選手が出てきていると思うんのですが、その要因は?

石川:
石川県は雪無し県扱いだと思いますが、小さい頃から雪はないけど北海道には負けないぞ!という強い気持ちで県連盟の方々を含め頑張ってきた成果だと思います。

吉田:
これから東京などの雪国以外の地域からも選手が続々と出てくると思うのですが、そういった選手たちに雪無し県でも頑張れるぞ! という秘訣を教えてください。

石川:
雪がある、無いは関係ないと思っています。雪がないからこそ考える気持ちが出てきますし、私は雪がある人たちの倍練習しようと思っていたので。本当に頑張って欲しいです。

吉田:
倍練習したのは、雪上それとも陸上?

石川:
どちらもですね。雪があるときは勿論のこと、ない時は陸上練習を家族の協力を得ながら頑張って来ました。

吉田:
目標としたい選手はいますか?

石川:
好きなのはスイスのウェンディ・ホルデナー選手です。

吉田:
好きな理由は?

石川:
SLを得意としている選手ですが、攻める姿勢がとにかく好きですね。あと人間的にも優しくて本当に魅力的な選手です。

吉田:
自分はどういったタイプの選手になっていきたいですか?

石川:
スキーに対する姿勢はブレずに変わりたくないのですが、ウェンディ選手のように優しい選手になりたいですね。

吉田:
女子チームは長谷川絵美、清澤恵美子というお姉さん2人が引退され、新しい世代になりました。石川選手は若手の旗頭だと思うのですが、次なる4年後に向けての目標は?

石川:
自分的には4年もある、ではなく4年しかないという気持ちです。1年1年を大事にし、確実に成績を出すことが目標ですね。

吉田:
それでは今シーズンの抱負を。

石川:
今年はW杯で30番以内を2回取ることを目指します。応援よろしくお願いします!

J SPORTS編集部

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