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フィギュア スケート コラム 2025年4月18日

パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組が2連覇!「本当に誇らしさでいっぱい」| ISU四大陸フィギュアスケート選手権2025 アイスダンス レビュー

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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ISU四大陸フィギュアスケート選手権2025 アイスダンス

パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組が2連覇を達成

ゴージャスな北米ツートップ直接対決を分けたのは、わずか0.53点差……。2005年に現行採点方式に移行して以来、四大陸選手権のアイスダンスとしては、最も僅差の戦いだった。リズムダンス(RD)を1位で折り返したパイパー・ギレス/ポール・ポワリエ(カナダ)が、総合ではシーズンベスト(SB)の218.46点で、四大陸選手権2連覇を成し遂げた。世界選手権2連覇中のマディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ)は、フリーダンス(FD)では首位の得点を叩き出し、好感触を手に大会を終えた。

「今大会ではプレッシャーをほとんど感じることなく、流れるような演技ができました。自信もありました。この大会に向けて良い練習を積んできたからです。チャンピオンとしての滑りができたと思っていますし、本当に誇らしさでいっぱいです」(ギレス)

GPファイナルでは転倒でRD6位に沈んだパイポー組だが、決して「リベンジ」という意識は持たなかったという。むしろ「自分たちは正しい道を歩んできた」(ギレス)と、これまで通り、2人らしい滑りを貫くためにやってきた。

まるで宝石箱のように、楽しいアイディアが詰め込まれたRD「ビーチボーイズメドレー」は、各動作にさらに磨きがかかった。たとえばツイズルは大きく手直しを入れ、出来栄え点(GOE)を確実に伸ばしたし、プログラム締めのリフトとコレオシークエンスは、今季最高レベルのGOE加点を得た。演技構成点(PCS)の3項目のうち「プレゼンテーション」では、9.61点という高評価。RDでPCS9.6点台が出たのは、アイスダンス界全体を通じて今季ここまでで初めて。

「ひとつひとつの瞬間、ひとつひとつの動作を進化させ、自分たちの理想に到達するよう多くの時間を費やしました。そして今日は、あらゆる瞬間で、まさにそうあるべき演技ができたのです。心地良さを覚えましたし、滑る喜びを感じました」(ポワリエ)

87.22点という大きなSBには、本人たちさえもびっくりした。87点を超えたのは、ギレス/ポワリエ組にとっては、昨季の初戦以来1年4ヶ月ぶりだった。

RDは2位に甘んじたチョクベイ組も、FD「テイクファイブ」では貫禄を見せた。やはりSBと得点を伸ばしてきたパイポー組を、131.72点でぎりぎり上回り、今季FDでは負けなしの5連勝!

「このプログラムとしては、間違いなく、今までで最高のパフォーマンスでした。技術的な要件にとらわれることなく、音楽と雰囲気とを心の底から楽しみながら踊れました。本当に素晴らしい体験でした」(ベイツ)

1月末の全米で4年連続5度目の優勝を飾った後、チョックが少し体調を崩したせいで、必ずしも思い通りの調整ができたわけではなかったう。そのせいか、圧倒的な演技を2本並べたGPファイナルに比べると、両プログラムともに全体を通して、女性側がほんの少しずつレベルを取りこぼした。

ただジャジーでおしゃれなFDでは、本人たちも手応えを感じる通り、トータルのGOE加点はシーズン最高。中でも最後のリフトは、ジャッジの10人中7人がGOE5点満点(パイパー組のFDコレオステップもやはり7人が5点満点!)をつける至高の出来で、フィニッシュ直後にベイツが珍しくガッツポーズを握ったほど。

「演技中に喜びと一体感を感じられたこと。これこそが世界選手権へ向けての大きな足がかりとなります。FDは理想的な状態に仕上がりつつありますし、世界選までには、両プログラムともにポテンシャルを最大限まで引き上げるつもりです」(チョック)

かれこれ13シーズンにわたって……前パートナー時代から含めると20年近くも、国際大会で切磋琢磨を繰り返してきたカナダ組とアメリカ組。しかも北京五輪の翌シーズン以降は、世界屈指のトップカップルとして、揃ってアイスダンス界を先頭で牽引してきた。たしかに、いつだって、チョック/ベイツ組がほんの少しだけ上位だったかもしれない。ただ2022年GPファイナルと昨世界選FD、そして今回の四大陸では、ギレス/ポワリエ組こそが頂点に輝いた。年を重ね、ますます魅力を増していくベテランカップルの素敵なライバル関係は、少なくとも1年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪まで続く。

「僕たちは本当に長い間、互いに競い合ってきましたし、世界には他にもたくさんの強いカップルがいます。他の選手たちがこのスポーツを前進させるため、自分たちを高みへと押し上げるために、懸命に努力を重ねているのだと思えばこそ、僕たちもまた、日々のたゆまぬ努力を続けられるのです。アイスダンス界が厚く強い基盤の上に成り立っていることは、僕らにとっては刺激的で、自分たちがその一部であることを本当に嬉しく思います」(ポワリエ)

アメリカとカナダの2番手として、3大会前から交互に四大陸銅メダルを持ち帰ってきた2組……なによりミラノ五輪後のトップカップル候補の争いは、今回はマルジョリー・ラジョワ/ザカリー・ラガ(カナダ)に軍配が上がった。

特にRDオースティンパワーズで、ラジョラガ組はパーソナルベストを更新。全身全霊でコミカルな役作りに打ち込み、GOEとPCSで大幅な評価の伸びにつながった。一方のクリスティーナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ(アメリカ)は、情熱的で官能的なFD「カルメン」でライバルに肉薄。前半戦から変更を加えたプログラム最後のコレオスピンが、GOEにつながらなかったことだけが悔やまれた。

「再び表彰台に上ることができて、最高の気分です。単に練習だけしていても、決してこの達成感を味わうことはできませんし、こういった達成感が味わえなければ、試合は決して楽しいものにはなりません。だからこそ今回は、本当に満足しているのです」(ラガ)

結成3シーズン目ながら、急速に国際的評価を高めつつあるエミリア・ジンガス/ヴァディム・コレスニク(アメリカ)は、前年の4位に続き、ビッグネーム揃いの今大会も5位と好成績につけた。シニア2年目のハナ・イム/イェ・クアン(韓国)は、地元韓国ファンの歓声を力に変え、昨年より1つ順位を伸ばして6位に食い込んだ。

また日本の吉田唄菜/森田真沙也は、カップルとしてISUチャンピオンシップ初出場だった昨大会よりも、2つ順位を上げて8位入賞。また田中梓沙/西山真瑚は11位で2度目の挑戦を終えた。

今年の「うたまさ」は全日本チャンピオンとして、アジア冬季競技大会王者として、ソウルで堂々たる演技を披露した。リンクを所狭しと駆け巡るスピード感は、文字通り、爽快!RDは若さ溢れる笑顔で軽やかに演じ切り、一方でFD「ロミオとジュリエット」は入念に作り上げたプログラムを、時にロマンチックに、時にダイナミックに描きあげた。FD中盤以降の緊迫感溢れるコレオムーヴメントやリフトで、これまで以上にしっかりとGOE加点が並んだのは、間違いなく大きな収穫と言える。

田中が昨年末に痛めた肋骨の故障で、満足な調整はできなかったとは言え、「あずしん」はプログラム2本ともきっちりSBでまとめ上げた。FDではトータルGOEだけなら自己ベストを塗り替えたし、PCSの「スケーティングスキル」で初めての7点台。カップルとして一歩々々、着実に成長している姿を披露した。

文:J SPORTS編集部

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