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フィギュア スケート コラム 2025年4月10日

坂本花織、千葉百音、樋口新葉の三名が揃い踏み。五輪出場枠をかけ頂点を目指す! | ISU世界フィギュアスケート選手権2025 女子シングル プレビュー

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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ISU世界フィギュアスケート選手権2025 女子シングル

表彰台争いをリードする坂本花織、千葉百音、樋口新葉の三名。

長く熱かったシーズンのクライマックス。米国ボストンにて、2025年フィギュアスケート世界選手権が繰り広げられる!

例年通り世界一の座をめぐる戦いであると同時に、今年のワールドは、すべての参加選手・国にとってひときわ特別な意味を持つ。1年後に控えたミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の各国出場枠の大部分が、今大会の結果により決まるからだ。

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強く、美しく、頼もしい3人が、日本代表として出揃った。3年前から世界の頂点で輝いてきた坂本花織に、トップスケーターへと着実に進化しつつある千葉百音、そして完全復活を果たした樋口新葉。こんな日本勢が表彰台争いをリードするとともに、3人で力を合わせて、必ずや五輪出場枠も最大3枠を持ち帰ってくれるはずだ。

世界選手権で3つの金メダルを勝ち取ったのは、日本人選手としては全種目通して史上初めてで、女子としては1960年代後半のペギー・フレミング(アメリカ)以来となる3連覇。これほどの偉業を1年前に成し遂げた坂本には、当然ながら、さらに大きな快挙が期待される。

パーソナルベストもシーズンベストも、参加女子選手の中では圧倒的なトップスコアを誇る。ショートプログラム(SP)後半に難しいコンビネーションジャンプを確実に組み込める女子は、坂本以外に存在しないし、なにより演技構成点のスケーティングスキルで安定して9点台を叩き出せるのは、世界でも我らがカオリサカモトただ1人!

チャンピオンながら決して守りに入らず、外見を大胆にチェンジし、今季の坂本は新たな表現力の広がりをも感じさせた。ショートプログラム(SP)ではタンゴに初挑戦。アストル・ピアソラ特有の緊迫感あふれる旋律に、切れ味鋭いスケーティングがよく似合う。フリースケーティング(FS)「シカゴ」の、チャーミングな小悪魔っぷりには、アメリカの観客も大歓声で応えてくれるに違いない。

たしかにパーフェクトなシーズンを過ごしてきたわけではない。2連覇をかけたGPファイナルでは、ジャンプに苦しみ、3位に甘んじた。2月上旬のアジア冬季競技大会では、首位で迎えたフリースケーティング(FS)で転倒し、金メダルを逃した。4連覇をかける女王として、日本のエースとして、坂本の両肩にかかる重圧は小さくはない。それでも思いっきり自分らしく、演技を楽しんで、最後には笑っていてほしい。

19歳の千葉は、初めての世界選表彰台に、勢い良く飛び乗りたい。年末のGPファイナルで初出場ながら銀メダルを勝ち取り、実力も、格も、十分に備えている。

精緻なスケーティング能力に、安定したジャンプ力を併せ持つ。地元ボストンの歌手ドナ・サマーが歌うSP「ラスト・ダンス」で瑞々しい魅力をあたりいっぱいに振り撒いたかと思えば、FSの「Ariana Concerto No.1」では、匂い立つような優美さで見る者の心を包む。類まれな「トータルパッケージ」の持ち主である千葉には、アスリートとしての負けん気の強さもある。

GPファイナルの銀メダルは「悔しい」と素直に顔を歪ませ、全日本選手権の4位では瞳を真っ赤にした。タイトル保持者として挑んだ四大陸のFSでは、体調急変に苦しみ喘ぎながらも、歯を食いしばり「死ぬ気で」最後まで戦い抜いた。あらゆる試練から学び、成長した千葉は、キャリア2度目の世界選で、もっともっと素敵な姿を見せてくれることだろう。

シニア9シーズン目にして歓喜のGP大会初優勝を飾り、7年ぶりのGPファイナル進出さえも果たし――その7年前には世界選で銀メダルも獲得――、酸いも甘いも知り尽くす樋口新葉は、3年ぶりに世界選手権へ帰ってきた!

今季の樋口は大技トリプルアクセルを封印し、パフォーマンスの質で勝負してきた。余韻を感じさせる2回転アクセルは、必ず高い出来栄え点(GOE)に反映されるし、空間を支配するようなダイナミックなステップシークエンスは、ジャッジの評価も観客の受けも常に最高レベル。そもそもSP「デューン」は最初の視線だけで我々の心を捕獲してしまう。FS「ストレンジャーシングス」は滑らかさと鋭さ、静と動の完全なる融合が堪能できる。

我らが日本女子たちに立ち向かうライバルたちも、今季は特に、ぞくそくするほど手強い。その筆頭が地元アメリカのアンバー・グレンで、25歳にして、キャリア最高のシーズンを過ごしている。初めてのGP大会優勝に(さらに2勝目も)、初めてのGPファイナル進出&優勝。年始のナショナルでも、堂々たる2連覇を成し遂げた。

果敢にトライしてきた3回転アクセルは、昨季序盤に完全にモノにして以来、極めて高い成功率を誇る。しかも昨季はFSだけだったが、今季はSP・FSともにプログラム冒頭で大技を叩き込む。昨夏から取り組んでいるニューロセラピーのおかげで、長年抱えてきた不安や恐怖を手放し、グレンはポテンシャルを100%解放できるようにもなったという。母国開催での緊張やプレッシャーも、喜びに変えて、初めての世界選メダルへと手を伸ばせるか。

アメリカ代表のメダル候補は、グレンだけではない。昨年すでに銀をつかんだイザボー・レヴィトと、3年前の銅メダリスト、アリサ・リウもまた、桁外れの潜在能力を秘めている。

今季もとびきり可憐なレヴィトだが、怪我に悩まされたシーズンでもあった。11月に痛めた脚は完治したものの、いまだ筋肉量やジャンプの感覚は完全には取り戻せていないという。18歳の未来あるスケーターだからこそ……まずは健康体でシーズンを締めくくってほしい。

13歳で全米シニア優勝、16歳で五輪出場&世界選表彰台、直後に氷から完全に離れたと思ったら19歳で競技復帰し……すぐに世界選行きの切符をつかみ取るという、まさにフェアリーテイルを生きているリウだが、今大会ではどんな素敵な物語が待っているのか。常にハッピー&ポジティヴなリウにとっては、結果がどうなろうとも、きっと大・大・大成功なのだ。

韓国のキム・チェヨンも、確実に、注目株のひとり。GPシーズンは低調気味だったが、2月のアジア冬季競技大会では、ノーミス&オールレベル4で金メダルを獲得。続く四大陸でも、同じくパーソナルベストの完璧な演技で、自身初のISUチャンピオンシップタイトルをつかみ取った。3大会連続でパーフェクトプログラムを揃えれば、2年連続の表彰台も見えてくる。

昨大会は四大陸勢が世界選表彰台を独占したが、ヨーロッパ選手たちも負けてはいられない。特に今1月の欧州選手権で表彰台に上がった3人、ニナ・ペトロキナ(エストニア)、アナスタシア・グバノワ(ジョージア)、ニナ・ピンザローネ(ベルギー)には、好演技を期待しよう。

文:J SPORTS編集部

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