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マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組の世界選手権3連覇に待ったをかけるのは!? | ISU世界フィギュアスケート選手権2025 アイスダンス プレビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部今季2度の銀メダルに甘んじているマディソン・チョック/エヴァン・ベイツ
長く熱かったシーズンのクライマックス。米国ボストンにて、2025年フィギュアスケート世界選手権が繰り広げられる!
例年通り世界一の座をめぐる戦いであると同時に、今年のワールドは、すべての参加選手・国にとってひときわ特別な意味を持つ。1年後に控えたミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の各国出場枠の大部分が、今大会の結果により決まるからだ。
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今シーズンのアイスダンス界は、いつも通りたくさんの好プログラムと、いつも以上にたくさんのサプライズに満ちていた。過去2年にわたり世界選表彰台を完全に独占し、それぞれに大陸別選手権も勝ち取ってきた大ベテラン3組が、シーズン最高峰の舞台で、改めて重ねてきた年輪の違いを見せられるか。もしくは今季序盤からまさにトップに迫る勢いの中堅カップルたちが、さらなる飛翔を遂げるのか。
マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ)は、母国で、世界選3連覇をかける。アメリカンヒットパレードとも言えるリズムダンス(RD)は、観客を大いに熱狂させるはずだし、難解な4分の5拍子をクールかつホットに踊りこなすフリーダンス(FD)「テイクファイブ」は、文字通り、アリーナに「ほんの5分ほど」の陶酔を与える。
全勝街道を突っ走った昨季とは異なり、今季のチョクベイ組は2度、銀メダルに甘んじてきた。シーズン1戦目のGPアメリカ大会は、単純にRDの転倒がたたったが、1ヶ月前の四大陸選手権では、長年の朋友パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ(カナダ)に栄光を譲り渡した。
かれこれ13シーズンも、いや、前パートナー時代を含めると20年近くも競い合い、高め合ってきたベテラン2組だが、いつだってチョック/ベイツ組がほんの少しだけ上の立場にいた。数少ない例外のひとつが2022年GPファイナル(パイポー優勝/チョクベイ2位)で、ただ昨世界選のFDではカナダ組が金色の「スモール」メダルを持ち帰ったし、この四大陸では総合でライバルを上回った。
だからこそギレス/ポワリエ組は、自信を深めて、ボストンへと乗り込んでくる。実力者たちの転倒が多かった今シーズンを象徴するように、GPフィンランド大会ではFDで、GPファイナルではRDで氷に滑り落ちたが、もちろん同じミスは繰り返すまい。RDのビーチボーイズはリンクを西海岸に変え、FDの「G線上のアリア〜青い影〜タンゴ」はまるで白昼夢のように、我々を天の彼方まで誘う。
チョクベイ、パイポーとともに過去2年ワールド表彰台に上がったシャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファッブリ(イタリア)は、前半戦はやはりGPフランスで転倒があったが、むしろ苦労したのはプログラム作りだった。35歳&37歳という年齢を感じさせないほど軽やかに踊りまくるRDは、常に高い評価を勝ち取ってきたが、FD「ロボットボーイズ」は試行錯誤の繰り返し。それでも欧州選では「納得のスコアに到達」できたし、堂々たる3連覇を成功させた。
2人で挑む13回目のワールドは、カップルとしては今大会最多出場(個人としての最多はポワリエの15回!)。1年後のミラノで、「自分たちに唯一たりない五輪のメダル」を目指すシャルマル組にとって、今大会は大切な足がかりとなるはずだ。
こんな上記3組の間に、今シーズン前半戦で割って入ったのが、ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン(イギリス)であり、エフゲニア・ロパレヴァ/ジョフレ・ブリソー(フランス)だった。
過去2年連続でGPファイナル4位・世界選4位と、表彰台の足元で過ごしてきたフィアギブ組だったが、転戦9年目にしてブレークスルーの時を迎えた。(たとえベテラン組の転倒があったとしても)GPシリーズでは今季唯一の2勝を飾り、生まれて初めてGPファイナルの表彰台にも飛び乗った。ここ数年ストリートカルチャーを積極的に取り入れつつある現代アイスダンス界の「旗手」として、いよいよ初めての世界選表彰台乗りを果たせるか。RD「フリーク」は間違いなく会場に一体感をもたらすだろう。FDの締めくくりのビヨンセは、盛り上がること必須なのだ。
ロパブリ組も躍進著しい。地元フランス杯では初めてのGP大会優勝。さらに欧州選では、クレイジーなRDにダークなFDという当たりプロ2本を引っさげて、初めての表彰台乗り。しかもフィアー/ギブソンを上回る銀メダルを獲得した。自ずと初の世界選トップ5も視野に入れる。
ただし、上位5位争い……つまり五輪後のヒエラルキー上位を担う戦いは、今年はひときわ熾烈になりそうだ。元世界ジュニア王者マルジョリー・ラジョワ/ザカリー・ラガ(カナダ)は、先の四大陸で2度目の銅メダルを手にし、確実に評価を伸ばしている。クリスティーナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ(アメリカ)は、五輪2冠・世界選3冠スコット・モイヤーの指導のもと、骨太の演技力や凄みを増しつつある。
オリヴィア・スマート/ティム・ディエク(スイス)のFD「デューン」は、ISUアワードでベストコスチューム賞&ベストプログラム賞にノミネートされただけでなく、シーズン通して結成2年目の2人に好順位をもたらしてきた強い強い作品だ。
好プログラムといえば、今季はフィンランドの2組も負けてはいない。ここ3年で着実に世界トップ10の座を確保したユーリア・トゥルッキラ/マッティアス・ヴェルスルイスの、FDタンゴははっきり言って傑作。また折原裕香/ユホ・ピリネンのポップさ全開で踊りまくるRDも、FD「コーラスライン」も、2人のポジティブな魅力を120%引き出してくれる。
ようやく長い停滞期を抜けつつあるキャロライン・グリーン/マイケル・パーソンズ(アメリカ)は、来季につながる良い演技を見せたいし、アリソン・リード/サウリウス・アンブルレヴィチウス(リトアニア)はついにアリソンの国籍取得が叶い、2人にとっては8年越しの夢「五輪出場」に向け全力を誓う。
五輪はもちろん、1年後に母国チェコで開催される世界選手権のためにも、ナタリー・タシュレロワ/フィリプ・タシュレルとカテリナ・ムラズコワ/ダニエル・ムラゼクは絶対に2枠を持ち帰りたい。
日本からは吉田唄菜/森田真沙也が世界選に初挑戦。結成2シーズン目の若きカップルにとっては大きな一歩であり、この先のキャリアを培う大切な経験の場ともなる。瑞々しくスピード溢れる演技を思いっきり披露して、世界中のフィギュアスケートファンに、「うたまさ」の存在をたっぷりとアピールしてほしい!
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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