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大会史上初となる2組が参戦する日本。三浦璃来/木原龍一、長岡柚奈/森口澄士が世界に挑む! | ISU世界フィギュアスケート選手権2025 ペア プレビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部四大陸選手権で2年ぶりの優勝を果たした三浦璃来/木原龍一
長く熱かったシーズンのクライマックス。米国ボストンにて、2025年フィギュアスケート世界選手権が繰り広げられる!
例年通り世界一の座をめぐる戦いであると同時に、今年のワールドは、すべての参加選手・国にとってひときわ特別な意味を持つ。1年後に控えたミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の各国出場枠の大部分が、今大会の結果により決まるからだ。
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2年前に日本人ペアとして史上初めて世界の頂点に上り詰めた三浦璃来/木原龍一は、たくさんの「自信」とともに、ボストンへと乗り込む。
怪我やアクシデントに見舞われることなく、結成以来「最長」と言ってもいいほどの長いシーズンを戦い抜いてきた自信。今季ショートプログラム(SP)もフリースケーティング(FS)も新たな表現力を追求し、大会を経るごとに着実に演技構成点(PCS)を伸ばしてきた自信。さらに四大陸選手権で2年ぶりの優勝を果たすと共に、FSで140点超えの高得点を叩き出し、「小さなミスがあっても得点が伸ばせる」という自信。あらゆる自信が、きっと、2度目の優勝を狙う「りくりゅう」の武器となる。
プログラムはいずれも強く、魅力的。持ち味であるスピードや切れ味の鋭さはそのままに、凄みをも引き出したSP「Paint It Black(黒くぬれ!)」は、もちろん得点自体も今季全ペアを抑えてナンバーワンプログラム。中でも終盤のステップシークエンスはかっこよくダイナミックで、常に高い出来栄え点(GOE)が約束されている。もちろん今季からカップル競技のPCSに求められる「ユニゾン」も、りくりゅうこそが随一と言いたい。
FS「アディオス」もまた力強く、官能的でさえある。ひとつひとつのポーズに、激しさと情感が込められ、23歳と32歳の成熟したペアとしての魅力が完全に解き放たれた。今季のFSではジャンプに少々苦心しているが、同時に「必ず着氷する」という強い意志をひしひしと感じられるプログラムでもある。四大陸ではあまりにも速く、あまりにも熱心に回りすぎて、フィニッシュジェスチャーを逆サイドに決めてしまったが、今回は鮮やかに有終の美を飾ってほしい!
また130年近い歴史を誇る大会史上初めて、日本がペア2組目を送り込む。結成2季目の長岡柚奈/森口澄士が、アジア冬季競技大会、四大陸選手権と大きな国際大会の経験を積み重ねてきたシーズンの終わりに、生まれて初めての世界選手権へと滑り出す。初めて3回転ツイストにも挑戦予定とのこと。
結成2季目の長岡柚奈/森口澄士は初の世界選手権へ
一方でディフェンディングチャンピオンのディアナ・ステラート/マキシム・デシャン(カナダ)は、今季、必ずしも思い通りの演技を見せられたわけではない。体調不良やあちこちの故障に苦しめらたせいだった。それでも四大陸ではSP4位からの逆転銀メダルを獲得。「壁を乗り越えつつある」という、たしかな手応えをつかんだ。
だからこそ41歳のステラート率いる同組は、必ずしも2連覇にはこだわらないと宣言する。苦しかったシーズンの終わりに、「自分たちに出来る限り最高の」プログラムを2本披露することこそが、ステラート/デシャン組にとっては来季につながる手応えとなるはずだ。
むしろ今大会のりくりゅう組にとって最も手強いライバルは、間違いなく、ミネルヴァ・ファビアン・ハーゼ/ニキータ・ボロディン(ドイツ)だろう。1年前のモントリオール大会では、結成1年目にして、早くも世界選銅メダルを持ち帰った。昨年末にはGPファイナル2連覇を成し遂げ、この1月末には、欧州チャンピオンの座にもついた。
安定したジャンプ力と精緻な技術力を有する完璧主義者として知られるドイツ組だが、大会を重ねるごとに、PCSの評価も着実に増している。ダイナミックな演技が光るFS「四季」では、今季序盤にりくりゅうのパーソナルベストを上回り、現役ペアとしては最高得点を叩き出したほど。
サラ・コンティ/ニッコロ・マチー(イタリア)のポテンシャルは、2シーズン前の欧州優勝・世界選3位で証明済み。ただ2人の関係性の変化に伴い、昨季はどうしても波が多かったが、今季は高い安定性を取り戻した。
ペアでもアイスダンス風のムーブメントやスケーティング能力が求められる昨今だからこそ、今季のイタリア組は、「魅せる」プログラム作りにもこだわった。各々を「炎と氷」に見立てたSP「カルメン」や、コンティの亡き父に捧げるFS「Papa, Can You Hear Me?」の、シーズン最後の完成形を披露してくれるはず。
2ヶ月前の欧州選で2年連続表彰台を射止め、1ヶ月前の世界ジュニアでは連覇を果たしたアナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラワ(ジョージア)。ツイストやスローは切れもスピードも最高峰で、FSの技術点だけなら、現役最高点を誇る。丁寧な滑りを心がけ、調子さえピタリと合わせることができれば、初の世界選表彰台も決して夢ではない。
昨年はGPファイナル・欧州選・世界選4位、今季またしても欧州選4位のマリア・パヴァロワ/アレクセイ・スヴィアトチェンコ(ハンガリー)は、今度こそステップをひとつ上がれるか。アナスタシア・グルベワ/ヘクトル・ギオトポウロス・ムーア(オーストラリア)は大会ごとに安定感を増しているし、今季衝撃のニューカマー、エカテリーナ・ゲイニシュ/ディミトリ・チギレフ(ウズベキスタン)にも注目すべし。
開催国アメリカのエリー・カム/ダニエル・オシェイとアリサ・エフィモワ/ミーシャ・ミトロファノフは、TDガーデンの大歓声を力に変えたい。特に全米チャンピオンの後者は、地元ボストンのクラブ所属。全米選手権直後の飛行機事故で命を散らしたクラブメイトたちのためにも、全身全霊の演技を誓う。
オリンピックの出場枠をかけて、カナダのリア・ペレイラ/トレント・ミショー、イタリアのレベッカ・ギラルディ/フィリッポ・アンブロジーニ、ドイツのアニカ・ホッケ/ロバート・クンケルの健闘も期待される。母国のためでもあり、なにより彼ら実力者たちにとっては、自分たちのためでもあるのだ。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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