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三浦、友野、壷井の前に立ちはだかるのは好調をキープするシャイドロフとジュンファン | ISU四大陸フィギュアスケート選手権2025 男子シングル プレビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部写真左から友野一希、三浦佳生、壷井達也
欧州を除く地球上4つの大陸の、頂点を決める戦い。今年2025年は2月20日(木)から23日(日)までの会期で、韓国のソウルにて、ISUフィギュアスケート四大陸選手権の熱戦が繰り広げられた。
1ヶ月後の世界選手権、さらには1年後に控える冬季五輪の行方を占う上でも、見どころの多い大会となった。J SPORTSでは、3月17日(月)より、全種目全滑走放送でお届けする。
年頭に大きな大会が相次いだ。2年に1度のワールドユニバーシティゲームズが1月中旬に開催され、四大陸の1週間前には、8年ぶりのアジア冬季競技大会が執り行われた。上記2試合に日本は鍵山優真と佐藤駿を派遣し(ユニバーシアードには山本草太も出場)、四大陸には三浦佳生、友野一希、壷井達也の3人で臨んだ。
本来であれば山本ではなく、三浦が、ユニバーシアードに行くはずだった。しかし左大腿直筋肉離れで、欠場を余儀なくされた。過去にも同じ場所を故障し、昨年9月に、古傷が再び悪化。痛み止めを使用しながら出場した昨年末の全日本選手権は、8位と、過去最悪の成績に終わった。
それでも2年前に四大陸制覇&世界ジュニア優勝を成し遂げた三浦は、痛みに耐えながら、その世界屈指の四回転ジャンパーとしての高き才能を証明してきた。10月のGPアメリカ大会では3位に食い込んだ。11月のNHK杯では、完璧なショートプログラム(SP)で自身初の100点超え。この時に記録した102.96点というパーソナルベスト(PB)は、現役では鍵山、イリヤ・マリニン(アメリカ)に次ぐ高得点!
四大陸にも、決して、完全な体調で乗り込めるわけではない。休養中に筋肉量は3kgも減ったという。ただ三浦は出場にこだわった。今大会でポイントを稼ぎ、1つでも世界ランキングを上げておきたかったからだ。すべては来季の五輪シーズンを有利に戦い抜くために。
3年前の四大陸で初めてISUチャンピオンシップ表彰台(2位)に上がった友野は、「前回を超える」意気込みでやってきた。やはり今季は怪我に苦しんだ。10月に右股関節を痛め、思うように4回転ジャンプが飛べなかった。GPシリーズ2戦も、全日本も、SPだけなら上手くまとめてトップ3入りしたが、いずれもジャンプ数の多いフリースケーティング(FS)で崩れ最終的なメダルを逃した。
もちろん友野はフィギュアスケート界屈指のエンターテイナーだ。トレードマークとも言えるステップシークエンスは、今季も例外なく最高で、ソウルの会場も必ずや沸かせるに違いない。SPではボンゴのリズムを全身で活き活きと描き出し、FS「バタフライ」は軽やかで、艶っぽくて、なんとも小粋。
壷井にとっては、22歳で、初めてのシニアISU選手権に挑む。2022年の世界ジュニアでは、マリニン、ミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)に次ぐ銅メダルに輝いている。
シニア本格転向3年目の今季は初めてのGP大会表彰台(NHK杯3位)も経験し、初めて全日本表彰台(3位)にも飛び乗った。特に全日本はSP14位と大きく出遅れながらも、自らにプレッシャーをかけて向かったFSで、渾身のパフォーマンス。強靭な精神力を発揮し、見事な逆転劇を成功させるとともに、初の四大陸、さらには初めての世界選行きの切符さえ手に入れた。
日本の3選手にとって、最大のライバルと目される2選手……シャイドロフとチャ・ジュンファン(韓国)は、ワールドユニバーシティゲームズにもアジア大会にも参戦している。しかもシャイドロフはユニバーシアード4位→アジア大会3位、ジュンファンは3位→優勝と、極めて好調な流れのまま四大陸へとやってきたし、当然この先には世界選行きも控えている。
11月中旬のGPフィンランド大会を、ジュンファンが足首の痛みで途中棄権したのは、連戦に備えてしっかり治療するためだったという。おかげで11月末の国内ランキング大会(=四大陸選考大会)も、年始の国内選(=世界選選考大会)も、問題なく優勝を収めた。ちなみにシーズン序盤にはユニバーシアード用の国内選考大会でも優勝し、この四大陸でなんと今季10戦目。ジュンファンにとってはキャリアで一番忙しいシーズンであり、今大会参加の男子選手の中では、最多の試合数をこなしてきた。
3年前に韓国男子として初めて四大陸を勝ち取り、2年前にはやはり、韓国男子として初の世界選メダル獲得(2位)を成し遂げた。試合や移動続きで体調管理は決して簡単ではなかったが、「きっと観客からたくさんのエネルギーをもらえるはず」と、ジュンファンは母国での晴れ舞台に意欲を燃やす。
そしてシャイドロフは、ご存知の通り、今季前半戦の話題の中心のひとり。GPファイナルFSのマリニンの「4回転全6種」は歴史的な快挙だったが、シャイドロフの「コンビネーション2本目が4回転」は、クレイジーすぎる衝撃だった!
GPフランス大会FSで、3A+4Tを、フィギュアスケート史上初めて成功させた。その上、同大会でも、続くGP中国大会でも、しっかりプラスの出来栄え点を得ている。初めて進出したGPファイナルのFSでは、3A+1E+4Sさえねじ込んだ。基礎点18.20……なんたる破壊力!こちらは残念ながらいまだクリーンには成功はさせられていないけれど、四大陸FSでの新たな挑戦に期待しよう。
びっくりするような大技を取り入れただけでなく、今季のシャイドロフは、四回転の安定感を確実に増しつつある。足替えシットスピンはいまだに苦手だが、全体的にレベルの取りこぼしも少なくなってきた。GP中国杯では初めて演技構成点の1項目で8点台がついた。PBも昨季から12点近く伸ばしたし、なによりパンダエキシのチャーミングさも相まって、人気は爆上がり中なのだ。
アメリカ代表は、世界選代表の3名が全員四大陸行きを回避したこと、さらには全米選手権直後のアメリカン航空5342便空中衝突事故で両親を亡くしたマキシム・ナウモフが欠場を選んだこともあり、必ずしもベストメンバーを組めたわけではない。
ただ元ジュニア世界選チャンピオンの樋渡知樹や、2022年世界選FSで3位に食い込んだカムデン・プルキネンは、表彰台を狙えるポテンシャルは十分に有している。また29歳と大ベテランのジミー・マは、全米11回目参戦で過去5年はすべてトップ6という、長く堅実なキャリアを築いてきた。飛行機事故で命を落とした多くのクラブ関係者のためにも、ボストン所属のマは、「僕は戦う」と誓っている。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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