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フィギュア スケート コラム 2025年3月15日

豪華な顔ぶれとなったアイスダンス。チョック/ベイツ組とギレス/ポワリエ組が直接対決! | ISU四大陸フィギュアスケート選手権2025 アイスダンス プレビュー

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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アイスダンス

豪華な顔ぶれとなったアイスダンス

欧州を除く地球上4つの大陸の、頂点を決める戦い。今年2025年は2月20日(木)から23日(日)までの会期で、韓国のソウルにて、ISUフィギュアスケート四大陸選手権の熱戦が繰り広げられた。

1ヶ月後の世界選手権、さらには1年後に控える冬季五輪の行方を占う上でも、見どころの多い大会となった。J SPORTSでは、3月17日(月)より、全種目全滑走放送でお届けする。

アイスダンスは特に、豪華すぎるほどの顔ぶれが揃った。世界屈指のアイスダンス超大国であるアメリカとカナダが、ほぼベストの3組とともにソウルに乗り込んできたからだ。おかげで世界選手権2連覇中のマディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ)と、昨ワールド銀メダリストのパイパー・ギレス/ポール・ポワリエ(カナダ)の、楽しみな直接対決が実現した。

もちろん両組ともに4CCの表彰台常連。チョクベイ組は出場した過去3回の四大陸をすべて制し、それどころか7回の出場すべてでメダルに輝いている。ディフェンディングチャンピオンのパイポー組もまた、これまで銀2・銅1を持ち帰っている。2019年と2020年には揃って表彰台に上がった。いずれも最上段はチョック/ベイツ組だった。

そのチョクベイ組は、今季1戦目GPアメリカ大会のリズムダンス(RD)で転倒があり、2位で五輪プレシーズンをスタートさせた。ただ続く3戦は、RDもフリーダンス(FD)も、すべて悠々1位。GPファイナルで2連覇も果たしている。

パイパー&ポールは、少なくとも過去5シーズンは1度たりとも転んだことがなかった。ところが2戦目GPフィンランド大会はFDで、GPファイナルはRDで転倒。そのせいで今季GPファイナルはまさかの5位に沈んだが、FDだけはチョクベイに次ぐ2位に入り、高い実力を改めて見せつけた。

タイプこそ違えど、創造性に富んだプログラムやコスチュームでも、やはり両組は世界トップレベル。50〜70年代のヒットパレード8曲を贅沢につなぎ合わせたチョック/ベイツ組のRDは、会場全体を手拍子の渦に巻き込む。特に息つく暇なく楽曲が次々と変化する最終盤の、爽やかな疾走感たるやさすが。RDの赤いドレスも素敵だが、FDでまとう玉虫色のアールデコ風衣装こそ、マグネティックなチョックの魅力を最大に引き出している。モチーフはNYのエンパイアステートビルなんだとか。気だるくジャジーな雰囲気から、夜が更けるにつれ熱気を増していくダンスホールの様子を見事に描き上げたFD「テイク5」は、紛れもない逸品だ。

際立つ独創力で知られるギレス/ポワリエ組は、今季RDではビーチボーイズメドレーを採用。足変えなしのままスイスイ泳ぐという……衝撃的なほど難解なツイズルは、カナダ選手権を機にシンプルなものに変えたが、それでもプログラム全体に楽しい仕掛けや振り付けが散りばめられている。氷上のバービー&ケンらしく、着せ替え人形っぷりも徹底。ギレスによればRD用衣装は「4着半」用意してあるそう。対するFDはポワリエの「背中の大きく開いたスーツ」に視線を奪われる。「G線上のアリア」から「青い影」へ、さらには「タンゴ」へと境界線なく溶け合っていくプログラムは、神々しくさえある。

銅メダルを争うのもまた、アメリカとカナダだ。クリスティナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ(アメリカ)とマルジョリー・ラジョワ/ザッカリー・ラガー(カナダ)とが、過去3大会は交互に四大陸の上から3番目の座を占めてきた。

ミラノ五輪後の新時代の、世界の先頭を巡る争いでもある。2017・2018年の2回連続でワールドジュニア表彰台に上がり、シニア転向1年目であっさりGPシリーズ表彰台乗りさえ成し遂げた早熟なカレポノ組は、数年のスランプからついに完全に脱却。今季は4年ぶりのGPシリーズ表彰台、しかも初めて2大会ともに表彰台に乗った。全米選手権では2年連続銀メダルに輝き、アメリカ2番手としての立場も堅固になりつつある。情熱的で官能的なFD「カルメン」は、間違いなく、今シーズン話題騒然のプログラムのひとつ。

2019年世界ジュニア王者のラジョラガ組は、シニア転向4年目の2022/23シーズン、ついに大きく花開いた。同季は四大陸でも初めて表彰台に上がり、焦りや悩みからようやく解放された……と涙を流したラガの姿が印象的だった。以来、もはや2人を止めるものはない。昨世界選は5位、今季は2年連続GPファイナル進出と、世界的な評価を着々と築いている。RD「オースティン・パワーズ」は底抜けに愉快で、FD「サウンド・オブ・サイレンス」では濃厚な演技とスピードを堪能したい。

おそらく現在のアイスダンス界において、国内のポジション争いが最も熾烈なアメリカでは、ナショナル4位のエミリア・ジンガス/ヴァディム・コレスニクが2年連続で参戦権を獲得した(3位キャロライン・グリーン/マイケル・パーソンズは同時開催のプレ五輪大会と世界選に出場)。1年前の四大陸は表彰台までわずか1.07点差に迫り、高いポテンシャルを証明済み。とびきり華のある女性と、ずば抜けたエスコート力を誇る元ジュニア世界王者は、カップルを結成していまだ3年目でしかない。

カナダは3組目に、2年連続ナショナル3位のアリシア・ファブリ/ポール・エイヤーを連れてきた。シニア6年目の2人にとっては、シニア初のISUチャンピオンシップ。3月には初めての世界選も控えている。

アジアのアイスダンス組として史上初めてジュニア世界選表彰台に上がったハナ・イム/イェ・クァン(韓国)は、地元ファンの歓声を味方に、さらなる飛躍が期待される。FDで主人公「クルエラ」になりきったイムは、強烈な存在感を放つ。

一方で第一回大会からアメリカとカナダがアイスダンスタイトルを完全に独占してきた四大陸で、唯一日本だけが、この2カ国以外で表彰台経験を有する(2018年大会3位、2022年大会2位)。そして今年は、吉田唄菜/森田真沙也と田中梓沙/西山真瑚が、揃って2年連続の四大陸に参戦する。

いずれも結成2シーズン目という若き2組は、今季はNHK杯でGP大会を初体験。2月中旬にはアジア冬季競技大会にも出場し、うたまさ金・あずしん銅という快挙も成し遂げた。

2組の挑戦は始まったばかり。世界トップレベルが集結する今大会で、自らの現在地を確認し、未来への道を切り開いていってほしい。

文:J SPORTS編集部

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