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フィギュア スケート コラム 2024年1月25日

イリア・マリニン、イザボー・レヴィト出場!世界中がアメリカのリンクに熱い視線を注ぐ | 全米フィギュアスケート選手権2024 プレビュー

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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全米フィギュアスケート選手権2024

全米フィギュアスケート選手権2024

ナショナルチャンピオン……こんな特別な響きを持つタイトルを巡って、アメリカ全土から選りすぐられたフィギュアスケーターたちが一堂に集い、磨き上げた技を競い合う!

2024年フィギュアスケート全米選手権では、シニア部門は男女それぞれ18選手、ペア12組、アイスダンス14組が、オハイオ州コロンバスに乗り込み、1月25日から28日までの4日間で争われる。戦いの先に待っているのは、金・銀・銅に、錫(ピューター)を加えた4色メダルの栄光であり、もちろん来るチャンピオンシップの出場権。

シーズン後半戦のISU国際選手権の行方を占う意味でも、世界中が、アメリカのリンクに熱い視線を注ぐのだ。

(2024年四大陸選手権の代表は、例外的に事前に選出された)

■男子

なんてったってイリア・マリニン!全米ディフェンディングチャンピオンであり、今季のグランプリファイナル王者が、いつもどおりの演技さえできれば……現時点では国内に敵はいない。ショートプログラム(SP)、フリースケーティング(FS)、総合得点すべてにおいて、19歳は今シーズンの世界最高点を誇る。

果たしてマリニンはどんな構成で今大会に臨むのか。注目はむしろ、そこにある。GPファイナルではSPに4回転アクセルを飛び度肝を抜いたし、FSでは5種類6本の4回転を組み込み、5本を成功させた。基礎点だけならSP・FSともにワールドレコードを叩き出し、もはやジャンプ面ではこれ以上がないほどの難度に到達してしまった。

「ジャンプ以外」でも成長を誓うマリニンは、もちろんスピンやステップ、表現力の面でも絶賛進化中。母国ファンの前で、必ずや「魅せる」演技を披露してくれるに違いない。

そのスピンもステップも、表現力も、文句なしに世界最高レベルなのがジェイソン・ブラウンだろう。過去12回出場し、優勝1回、表彰台7回と、長く高く安定したキャリアを紡いできた29歳は、今年も全米に帰ってくる。11月半ば以来となる公式戦では、その研ぎ澄まされた一挙一動を見逃したくない。

四大陸出場組……カムデン・プルキネン、アンドリュー・トルガシェフ、樋渡知樹は、全米での好感触とともに上海へと飛びたいところ。ジミー・マ、マキシム・ナウモフ、リアム・カペイキス、ヤロスラフ・パニオットと、異なる個性が揃うのもアメリカの面白さ。昨ジュニア全米王者にして、昨GPファイナル銀メダリストのルカス・ブルサール17歳は、いよいよシニア全米に挑戦だ。

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【宮原知子見所解説】全米フィギュアスケート選手権2024

また、かつてはイスラエル代表として、2016年ジュニア世界チャンピオンに上り詰めたダニエル・サモーヒンが、地方予選を勝ち抜き参戦権を獲得した。実は3歳の頃からアメリカで暮らし、ノービス時代まではアメリカ籍で競技を行っていたから、どうやら11年ぶりの全米復帰らしい。そもそも故障に長らく苦しんできた25歳にとっては、2年ぶりの大舞台復帰となる。

■女子

熾烈で、それでいてとびきりゴージャスな、金メダル争いが巻き起こるに違いない。今シーズン好調な3選手の、誰がタイトルを得てもおかしくはない。

ご存知、1人目は、イザボー・レヴィト。ディフェンディングチャンピオンの16歳は、今季はGPフランス大会でグランプリシリーズ初優勝を獲得した。たしかに2年連続のGPファイナル進出は少々苦い思い出に終わってしまったけれど……むしろSPでジャンプに苦しみ6位最下位発進ながら、FSだけなら3位と、難しい状況を跳ね除ける強い精神力を証明した。蛇と化すSPでも、伝統と斬新さを併せ持つ「ホワイトクロウ」FSでも、優雅なスケーティングと成熟した演技力、そして美しいコスチュームも堪能したい。

2人目のアンバー・グレンは、24歳にして、人生最強のシーズンを突き進んでいる。3シーズン前からトライし続けてきた3回転アクセルを、今季、ついにパーフェクトに着氷した。しかも10月のGPアメリカ大会FSに続き、12月のゴールデンスピンFSでも成功。ただ大きな武器を手に入れた一方で、同2大会では、演技後半で演技が乱れた。逆に1回転にすっぽ抜けたGPエスポー大会で、パーソナルベストの高得点を出している。つまり3回転アクセルを決め、最後まで集中力・体力を保つことさえできれば、念願の初優勝は決して夢ではない。

そして3人目のリンジー・トルグレンンにも、いよいよ大きなスポットライトを浴びるチャンスがやってきた。4年前の全米ジュニアチャンピオンは、2022年世界ジュニアでも堂々銅メダルに輝いたが……マリニン&レヴィトのアメリカダブル優勝の影に少々隠れてしまった。今年はNHK杯SPを首位で折り返しながら、最終的に初優勝の歓喜に浸ったのは3ヶ月年下の同胞アヴァマリー・ジーグラーだった。柔らかい身体から繰り出されるスピンは逸品。回転不足を取られがちなジャンプさえ、きっちり決められれば、頂点に立つ資質は間違いなく持っている。

そのアヴァマリー・ジーグラーは、四大陸への準備を理由に、残念ながら全米欠場を決めている。グレンとソーングレンもまた、全米直後に上海行きを控える。

1年前のピューターメダル、スター・アンドリュースは、身体から音楽が溢れ出してくるような演技で魅了してくれるだろう。16歳の誕生日を約1週間後に控えるジョセフィーヌ・リーは、昨大会5位からの成長を見せてくれるはず。昨ジュニア全米1位14歳ソーホー・リーと3位16歳エリース・リングレーシーは、今年初めてシニア全米へと挑む。

■ペア

2年前の世界王者組クニエリム&フレイジャーが今季は競技から距離をおき、つまり確実に新たなアメリカペアチャンピオンが誕生する。ただし、どのカップルが戴冠するのかは、大会が始まってみなければわからない。

実力通りであればエミリー・チャン&スペンサー・アキラ・ハウ組が、金メダルにふさわしい。1年前のシルバーメダリストは、四大陸でも2年連続シルバーを持ち帰った。なにより昨世界選では、初出場5位と躍進した。しかし、これが、現時点では最後の試合だ。昨シーズン通して股関節の痛みに苦しんだハウは、5月に外科手術を敢行。7月からトレーニングは再開しているが、前半戦は完全欠場を余儀なくされた。だから今回は、まずは健康体での復帰を祝いつつ、今できる最高の演技を見せてくれるよう願いたい。

優勝経験を持つペアは不在ながら、優勝経験を持つ選手ならいる。それがダニエル・オシェイであり、昨季からはエリー・カムとともに、新たなキャリアへ歩みだした。今季は初戦フィンランディア杯で優勝し、パーソナルベストも更新と、順調にカップルとして成長を続けている。GPフランス杯はカムの怪我でFSを棄権したが、2週間後のGPエスポー杯で早くも復帰。もしも同組が優勝した場合、32歳オシェイにとっては、8年ぶりの戴冠となる!

過去2大会で6位、5位、と一つづつ順位を上げてきたヴァレンティナ・プラザス&マクシミリアーノ・フェルナンデス組も、順当に行けば初のメダルに手が届く。今季GPシリーズでは2大会とも4位に食い込み、国際的評価も着々と積み重ねている。

このプラザス&フェルナンデス組とともに四大陸選手権代表に選ばれたのが、結成1年目ながら、GPアメリカ大会銅メダルをさらったチェルシー・リュウ&バラーズ・ナジ組だ。リュウはかつてのパートナーと全米ノービスを、ナジは同じく全米ジュニアを制しているが、シニアで初の台乗りを目指す。

やはり2度の全米表彰台乗り経験を持つミーシャ・ミトロファノフと、昨季ドイツ組として欧州選4位、世界選10位のアリサ・エフィモワによる新カップルにも注目したい。2人で挑む初のUSナショナルで、どんな化学反応が見せられるか。

■アイスダンス

アメリカのアイスダンス界は、世界屈指の層の厚さを誇る。たとえホワイエク&ベイカー組が完全休養を選び、マクナマラ&スピルドノフ組がシーズン半ばでの解散を発表したとしても、注目すべきカップルは片手では足りない。

ほぼ99.99%、王座はマディソン・チョク&エヴァン・ベイツ組のものだ。円熟味を増しながらも、常に冒険心も忘れない2人は、昨シーズン結成12年目にしてついに世界の頂点へとたどりついた。しかも昨USチャンピオンシップからの1年間、純粋なる金メダルしか手にしていない。リズムダンス(RD)も、フリーダンス(FD)も、トータルも、7試合連続オール1!

「チョクベイ」の全米3連覇にして5度目の優勝は、さらに高みに上がるためのステップに過ぎない。次週の上海では、四大陸ディフェンディングチャンピオンとして、ギレス&ポワリエ組との新たな激突を控えている。

共に四大陸へ向かうキャロライン・グリーン&マイケル・パーソンズ組とクリスティーナ・カレイラ&アンソニー・ポノマレンコ組が、表彰台の両脇で笑顔を見せるはずだ。すでに四大陸でメダル経験のある2組は、おそらく近い未来、全米チャンピオン候補に挙げられることになるのだろう。次の台座を巡る争いは、すでに始まっている。

もちろん背後にも実力者が大量に控えているから、2組は決してうかうかしてはいられない。

たとえばパーソンズと同じく男性側が元世界ジュニア王者で、昨全米で結成1年目にして4位に飛び込んだエミリア・ジンガス&ヴァディム・コレスニク組。過去2大会5位に終え、いよいよメダル鳥が期待されるエミリー・ブラッティ&イアン・サマーヴィル組。エヴァ・ペイト&ローガン・バイ組は今季チャレンジャー大会オータム・クラシックで国際大会初優勝を飾り、パーソナルベストは「カレポノ」組に0.35か差に迫る。

結成2年目にして、今冬2人で挑んだ初めての国際大会ゴールデン・スピンで、イザベラ・フローレス&イワン・デスヤトフ組はメダルに輝いた。そして絶対に忘れてはならないのが、2年前の世界ジュニア兄弟、ウーナ・ブラウン&ガージ・ブラウン組……!

まだまだ私たちの知らない強くて魅力的なカップルが、今大会、さらに出現するのかもしれない。

文:J SPORTS編集部

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