中田璃士選手「全日本選手権で強い選手たちと戦いたい」 | フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋

フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋 【中田璃士 エピソード3】

フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい！”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」。シーズン9がいよいよスタート！日本選手はもちろん、海外選手のプログラムも多数手掛ける振付師・宮本賢二さん（KENJI）が、ゲストを迎えて、楽しく、真剣にトークを繰り広げます！

今回のゲストは全日本ノービス3連覇の実力者、中田璃士選手。今シーズンジュニアデビューを果たし、海外試合も初参戦。結果も残している将来有望な若手選手です。

エピソード3では、ジュニアデビューや今シーズンの抱負を語ってくれました。そして恒例のバックの中身チェックのほか、お父さんである中田誠人コーチも登場！　親子二人三脚で頑張るイケメンスケーターの横顔に迫ります。

クリムキンイーグルやハイドロが好き

──今年からジュニアになったよね。ジュニアになると今まではフリーだけやったけど、今年からショートとフリー2つになる。大変？
中田：自分はショートが好きなんです。ジャンプも少なくて、すぐ終わるので。あと、楽っていうのもあります。

──だから好きなの？
中田：はい。でもフリーは今回、曲も好きなので、どちらも好きです。

──苦手なエレメンツはある？
中田：ルッツが苦手です。アウトエッジで飛ばないといけないじゃないですか。でも僕はインで飛んじゃうんです。インで飛ぶことによって倒れちゃうので、セカンドのトゥが作れないんです。

──降りた時に詰まってしまってスピードもなくなる。アウトにするのは難しいもんね。練習せな、あかんよね。逆に得意なエレメンツは？
中田：トゥループとフリップです。あと、アクセル。

──アクセル、トゥループ、フリップが好きなんだ。でもフリップもインサイドから入ってしまうことはないの？
中田：入ります。よく回りすぎちゃう癖があって、フリップもセカンドがつけにくくて、ちゃんとセカンドをつけられるのはトゥループやループぐらいなんです。

──回りすぎて困っている…
中田：どこで降りるタイミングなのか、自分で分からなくて。

──今は身長もどんどん伸びているし、感覚も少しずつ慣れてくるんじゃないかな。今年からルールが変更して、ジュニアはステップがなくなって、コレオになったよね。それはどう思っているの？
中田：僕はクリムキンイーグルとかハイドロブレーディングが好きなので、自分的にはすごく嬉しいです。

──そうやね。ハイドロを入れる人も少ないやろうけど、できる人はいいよね。クリムキンイーグルは体力がいるの？
中田：そんなに体力はいらないです。でもよく体が痛くなります。

──しっかりストレッチしてからじゃないとだめなんだ。普通のイーグルはできるの？
中田：普通のイーグルは膝が曲がっちゃうので、汚く見えちゃいます。

──ちょっと曲がってしまうんやったら、しっかり曲げてクリムキンイーグルにしようかという感じなんだ。なんで、クリムキンイーグルって言うか知ってる？
中田：分からないです。なんとなく聞いたことがあるんですけど、もう覚えてないです。

──イリヤ・クリムキンという選手がやったからクリムキンイーグルなんだよ。知らなかった？
中田：選手の名前が…っていうのはなんとなく覚えています。

──イナバウアーもなんでか知ってる？
中田：分からないです。

──イナ・バウアーさんがやったから。
中田：（笑）

──うそやと思ってるでしょ。
中田：じゃあハイドロはハイドロさんっていう人がやったんですか？

──それは違う。それは違うけど、ごめん。でもいいこと言ってくれた。じゃあ、ビールマンスピンは知ってる？
中田：ビールのコップの形に似ているから？

──惜しい…デニス・ビールマンさんがやったから。
中田：（笑）

──シャンパンなんかのグラスっぽいもんね。でも答えはビールマンさんでした。これ違ったらどうしよう…本当はビールのコップの形やったらどうしよう。多分、合っていると思うけど、他に得意なエレメンツは？スパイラルはどう？
中田：足が上がらないです。

──足が上がらないのは致命的やな。
中田：なので、クリムキンイーグルを最初にやって、最後にハイドロをしています。

──クリムキンイーグルでカーブとか作れる？やってみたら。
中田：前に倒れそうです。

──練習したら大丈夫だよ。いろいろなものができた方がいいよね。

スペシャルゲストが登場！

中田誠人 経歴

──せっかくなので、お父さん。中田誠人先生にも来てもらいたいと思います。どうぞ、お父さんよろしくお願いします。ジャケット（姿）やん！
誠人先生：そういう固い番組かなと思いまして。

──そう。めちゃくちゃ固い。ガチガチの真面目トークばかりですよ（笑）。二人がそろってインタビューを受けることはある？
中田：そんなにないです。

──初めて？
誠人先生：初めてではないです。新聞社のインタビューはあったんですけど、それぐらいですね。配信などで喋るのは初めてですね。

──お父さんが来て緊張してる？
中田：…（照笑）
誠人先生：緊張はしていると思いますけど、意外と喋れているかなと（笑）。でもお父さんも、緊張します（笑）

──そうか、中田先生と呼ばないとね。スケートの話も聞いていきたいのですが、さっき、ジュニアについて璃士くんにも聞いているんですけど、中田先生から見て、今シーズンの璃士くんはどうですか？
誠人先生：今まではノービスで、頑張ったかいもあって結果が良くなったので、追われる立場というか…そういう面がありました。毎シーズン、プレッシャーがあったと思います。今年も頑張らなきゃいけないっていう思いがあったので、今回、ジュニアになって思い切りお兄さんたちに挑戦してもらえたらと思っているので、比較的気楽にやれています。

──いろいろ挑戦していかないとだもんね。
中田：はい。

──コーチの前で言いにくいかもしれないですけど、中田コーチはどんなコーチですか？何を言っても大丈夫（笑）
中田：…優しい先生でもあるけど、時には厳しい先生です。

──やっぱり、ちょっと言いにくいか。試合前「すごく厳しい」って言っていましたけど、その辺りはどうですか？
誠人先生：全然そんなつもりはないですけど、基本、優しいと思うんですね。オンとオフをちゃんとやりなさい。「遊ぶ時は遊ぶ。練習、氷上ではちゃんとやる時はやる」。それを「やりなさい」っていうのはいつも言っています。

──璃士くんが「はい、はい」って顔をしているけど（笑）。では、中田コーチから見て璃士くんはどんな選手ですか？
誠人先生：小さい頃からいろいろなアイスショーやエキシビション。全日本もずっとこなしてきて、度胸はあるかなと思っています。それから、4回転を3日間で飛んでみたりとか。そういう「ここぞ」という時に思い切り出すパワーを持っていたりするので、それもすごいかなと思います。

──これからどんな選手になってほしいですか？
誠人先生：これからは、自分らしく。今も自分のスケートがあると思うんですけど、そこを皆さんにちゃんと見てもらえるようにしてほしいですね。僕もスケートに携わってきたので、関係者の方、お世話になった方々が今、彼を応援してくれています。一緒にいろいろなところで携わってもらっているので、感謝を忘れず、思い切り頑張ってもらえたらと思います。

──我が子ならではじゃないですけど、教えやすい、教えにくいといのはあります？
誠人先生：ありますね。教えやすいところは何でも伝えられるところです。

──言葉を選ばず言えるということですよね。
誠人先生：はい。必要なことは言いますし。逆に難しいところは、大変なところだったり苦労したりするところはきついことなので、それを言わなきゃいけないけど、やってもらえない…。

──え！？
誠人先生：本人が嫌なことは「嫌」って言うんです。やりたくなかったり。でもそういうとこが大事だったりするので、そこで今までは苦労してきましたね。

──璃士くんも大きくなっているので理解をしてくるし、また頑張らないとですよね。改めて、三井不動産アイスパーク船橋（MFフィギュアスケートアカデミー）に来たきっかけは？
誠人先生：最初はこのリンクのことを知らなかったんです。ですが、大学の先輩で、中学生の頃から知っている中庭健介さんがヘッドコーチになって「選手のためを考えたリンクやアカデミーを作りたい」という話を伺いました。僕も同じ場所で一緒に仕事ができたらなと思っていましたし、彼（璃士くん）のこともあったので話が進んでいきました。

──璃士くんはリンクが変わる時はどんな気持ちだったの？
中田：仲のいい友達とかと別れるので、悲しかったです。

──寂しかったか。いつも仲良くして友達だもんね。でも、こっちに来ても友達はすぐにできるでしょ？
中田：はい。前から仲が良かった人もいたので、来た時に「ヤッホー」っていう感じで話せました。

──ヤッホーもいいけど、（周藤）集くんは年上だよ。英語呼びみたいで（呼び捨ても）いいんやけど、向こうはなんて呼ぶの？
中田：璃士って普通に呼ばれます。

──じゃあええか。そしたら家に帰った時にスケートの話とかを家族でするの？
誠人先生：スケートの話はあまりしないですね。意識するというか、オン・オフがあるので。

──家に帰ったらスケートの話はなし。
誠人先生：こっちもしたくないかなって。

──そうやね。ずっとはね（笑）。お風呂は一緒に入るんですか？
中田：入らないです。

──サウナも？
中田：サウナも入らないです。
誠人先生：一昨日、ミストサウナに入ったよ。（発言が）当てにならない…（笑）

──「一緒に入った」ってお父さんが言ってるよ。
中田：ああ、そうだ！ 忘れてました。その2日前にグランプリの選考会があったんですよ。同じところに泊まったんですけど、そこに温泉があるのを知っていたので、一緒に入りに行きました。

──仕方がないなって？「たまには入ってやるか」って言って入ってあげたの？
中田：いや「行こうよ」って（笑）

──誘ったの？
誠人先生：はい。一緒に行きました（笑）

──一緒に入りたいって、ずっと思ってたと思うよ。
誠人先生：でも今までさんざん一緒に入ったので、ちょっと放っておきます（笑）

──では改めて中田コーチ。今シーズンの目標は？
誠人先生：今シーズンの目標は、まずは選考会で試合をいただけました。初めての国際試合です。今までコロナの関係でなかったので、本人にいろいろと勉強してもらいたいというのと、そのまま全日本ジュニアで結果を残して、頑張れたら全日本選手権までいけるように。まずは、そこでしょうか。

──目標に向けてぜひ頑張ってください。ありがとうございます。
誠人先生：ありがとうございました。

恒例のかばんの中身チェック

かばんの中身チェック！！

持ち物1：バックからバック

──では番組恒例のカバンの中身チェックをしたいと思います。璃士くんが普段使っているバックを見せてください。おお、バックからバック！
中田：バックからバックです（笑）

──ちなみにそのバックの中のバックには何が入ってるの？
中田：このバックの中は財布と、MFフィギュアスケートアカデミーの会員カードみたいなものがあります。それからAirPodsです。

──大事なものは一つにまとめてるんだ。
中田：はい。それ以外だと、カバンの中にはエナジーゼリー。練習用の手袋とマスク。（髪の毛用の）ジェルです。

持ち物2：キーホルダー

──他には入ってないの？
中田：折りたたみ傘と…

──（カバンについていたキーホルダーを見つけて）これ、何？
中田：猫です。前のリンクをやめるときに、みんなからもらいました。

──それを大事にしていつもつけてるんやね。イーブイ（ポケットモンスターのモンスター）もつけてるの？
中田：イーブイもついてます。お守りは、ママが買ってきてくれたものです。場所は分かりません。

──Rのキーホルダーは自分で作ったの？
中田：Rは前にファンの方からもらいました。大事にしています。

かばんの中身

持ち物3：スマホの音楽

──スマホに音楽は入ってる？
中田：大好きな007の「Writing's on the Wall」が入っています。

──普段は好きな曲を聴いてるんだ。J-POPとかは聴かないの？
中田：聴かないです。お風呂の中でも、「Writing's on the Wall」をよく聞いてます。

──翼をくださいとかは聴かないの？いや、小学生、中学生の時、何を自分は聴いてたかなって。
中田：（翼をくださいは）聞かないです。聞くとしても、盛り上がる曲を聴きます。エド・シーランなどです。

──ちなみに先生の小学生時代はBOOWYを聞いていました。試合前とかに曲は聴いたりするの？
中田：聴きます。007の曲です（笑）

──普段も聴いて、お風呂でも聴いて、試合前も聴くの？
中田：そうです。

──試合が終わってからは？
中田：ゲームをしながら、この曲を聞きます（笑）

持ち物4：お気に入りの写真

お気に入りの写真

──やっぱり、この曲か。次はお気に入りの写真はありますか？何の写真？
中田：ペットの髪を切ったあとの写真です。名前はベルちゃんです。

──もしかして美女と野獣？
中田：お母さんがつけたので、多分、そうかなって思います。犬種はトイプードルです。

──周藤集くんと撮った写真はないの？
中田：集くんの写真があります。でも、一緒には撮らないです！

──集くんを撮った写真があるんだ（笑）。これは「集〜」って言って撮ってるの？
中田：そうです！

──そうなんや（笑）。集くんに見せていいか聞こう。
中田：あと他にも、もう1枚あります。

──面白い写真。誰か、分からへん。サングラスかけてるし、胸ロゴの「やる気スイッチ」は何だ！？
中田：（笑）

ジュニアでも狙っている目標まで行きたい

──今日は、たくさんの貴重な話ありがとうございます。
中田：ありがとうございました。

──楽しかった？
中田：はい、楽しかったです。

──では改めて最後に、璃士くんから今後の目標を教えてください。
中田：海外試合に初めて出るので、そこでいい結果を残して、ジュニアでも自分の狙っている目標まで行ってシニアに行きたいと思っています。そして、全日本選手権で、強い選手たちと戦いたいです。

──いい目標。頑張ってね。
中田：はい、頑張ります。

──番組からプレゼントです。（箱に）マグカップって書いてあるけど、開けてみて。
中田：ありがとうございます（笑）

──これからも親子二人三脚で活躍を期待していますので、頑張ってください。今日はありがとうございました。
中田：ありがとうございました！

収録を終えての感想

中田：喋っていくうちに、すごく楽しい気持ちになれました。自分の好きな科目とかサウナ話について話している時が楽しかったです。（KENJI先生の）印象は変わりました。すごく楽しいし、優しいです。優しいっていうのが強くなりました。
（この部屋は）自分が言いたいことは全部言える、面白いトーク部屋みたいなイメージです。スケートの知らない人でも、ぜひ見に来てくださいって思うくらい「いろいろな話の部屋」です！

KENJI：最初は緊張していましたけど、よく喋ってくれて良かったです。多分、自分が中学生時代にこういうところに呼ばれて「喋れ」って言われて無理だと思います。それでもしっかり喋ってくれて良かったですし、やっぱり、サウナの話は印象に残っています。サウナに入って、ジェットバス10分、サウナ、水風呂、露天風呂に入ってというのを3〜4回繰り返すと言っていて面白かったですね。それから4回転を3日で飛んだっていうのは、すごいポテンシャル。驚きました。これから男子も難しい技も増えていくと思いますが、基本的なスケーティングのスピンなども頑張って、上手い選手になっていってほしいなと思います。

文：J SPORTS編集部