佐藤駿選手「グランプリファイナルが一番印象に残っている」 | フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋

ジュニア時代を振り返る佐藤選手

フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい！”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」シーズン8がスタート！
日本選手はもちろん、海外選手のプログラムも多数手掛ける振付師・宮本賢二さん（KENJI）が、ゲストを迎えて、楽しく、真剣にトークを繰り広げます！

今回のゲストは期待の若手、佐藤駿選手。ノービス時代から大活躍し、既にジャンプのスキルは世界屈指と言われる注目のスケーターです。今シーズンの活躍が益々期待されています。

エピソード2では、ジュニア時代の振り返りトークや、番組恒例かばんの中身チェックで佐藤選手のパーソナリティーに迫っていきます

ジュニア時代を振り返って

──ジュニア時代を振り返ってみて、どうですか？
佐藤：ジュニア時代の1、2年目は選考会であまり良い演技ができなくて選ばれなかったので、そこは悔しい部分です。3年目にはグランプリシリーズに出させていただいて、グランプリファイナルで優勝できたことが一番の思い出です。

──ジュニア時代に苦労したことはある？
佐藤：4回転ルッツとか、大きいジャンプに挑戦していて、トリプルジャンプが分からなくなったりすることがちょこちょこあって、トリプルアクセルも分からなくなりました。本当に何も跳べないという状況になったのが苦しかったですね。

──種類も増えて、回転数も増えてくると感覚も違ってくるんだろうね。
佐藤：ジュニアはショートで4回転を入れられないので、トリプルルッツとかが必須になってきますけど、一時期トリプルルッツが全く跳べなくなったときは、正直、焦りましたね。

──ジュニア時代で印象に残っている大会は？
佐藤：ジュニアのグランプリファイナルが一番印象に残っています。あの試合は正直、全く緊張しなかったんです。勝てるとも思っていなくて、点数だけでいったら最下位スタートみたいな感じだったので、逆にすごく気持ちが吹っ切れて、一番身体もベストな状態でできたので、今までの試合で一番状態が良かったように思います。練習みたいな感じで試合に臨めました。

──ジュニア1年目から全日本に出場して、新人賞を獲得したりしました。ジュニアはノービスと比べるとどう違った？
佐藤：やはりジュニアの選手たちと一緒にやると、体格差もありますし、圧倒されましたね。同じ6分間練習をやったり、公式練習で同じ時間に同じところで滑ってみて、ジュニアの選手ってすごいなと改めて思いました。

──ジュニア2年目の2018年にお父さんの仕事の関係で埼玉に引っ越してきたんだよね？ 環境が変わって苦労したことはあった？
佐藤：苦労はしなかったですね。元々、震災のときに教わっていた先生ということもありましたし、埼玉にも仲の良い選手がいて、学校も意外とすぐに慣れたので、特に苦労という苦労はなかったです。

──関東選手権では4回転トゥーループを成功。それが試合で初めて成功した4回転？
佐藤：そうですね。正直、あのときはまだ今くらいの完成度ではなかったので、たまたま感はありましたけど、試合で決められたということはとても大きなことでした。その後の試合でもかなり自信がつきました。あのシーズンが、僕にとって一番成長したシーズンかなと思います。

ジャンプを跳ぶコツ

ジャンプを跳ぶコツ

──現在は何種類の4回転が跳べるの？
佐藤：一応、5種類は跳べたことがあります。

──サルコウ、トゥーループ、ループ、フリップ、ルッツ、あとはアクセルだけだ！
佐藤：まだまだです（笑）

──その中で得意なのは？
佐藤：今はトゥーループが得意ですね。長年やってきているということもあるんですけど。

──ジャンプのコツみたいなものってあるの？ これが入ると跳んだときに降りられるのが分かるみたいな。
佐藤：（ジャンプに）入るときに分かりますね。降りられるときは完全に力が抜けていて、肩に力が入っていない感じで、そのときは絶対に降りられたなって思います。

──トゥーループの場合、スリーターンのときにはもう跳べる感覚があるの？
佐藤：スリーターンしたときには「あ！きた」ってなりますね。

──そうなんだ。その中で意識していることはある？
佐藤：さっき言った通り、力を抜くことも大事なんですけど、入りが一番大事ですね。僕が一番意識していることは、スリーターンのときに中に入らないようにすることです。できるだけ外に行くイメージで僕は跳んでいます。

──もうロッカーくらいの感じでスリーターンするみたいな？
佐藤：そうですね、そこまで大袈裟ではないですけど、極端に言えばそうです。

──2018年の全日本ジュニアでは壷井達也くんに一歩届かず2位。表彰台には乗ったけど、どうでした？
佐藤：そのときも2位なんて取れると思っていませんでした。ショートも6位だったので、正直悔しいという感情ではなくて、逆に嬉しかったですね。まさかあそこまで点数が出るとも思っていなかったので、やることは全部やったので悔いはなかったです。当時、初めて4回転2本の構成にトライしたんですけど、しっかりと決め切れたことが印象に残っています。

──ショートとフリーの曲名は？
佐藤：フリーは「マラゲーニャ」でした。ショートはなんだっけな...あ！「戦場のメリークリスマス」でした。

──次の年にジュニアグランプリシリーズに初参戦。レークプラシッド大会でいきなり優勝。
佐藤：その前の初戦で優真が優勝していたので、「僕も優勝してやるぞ」とモチベーションも高かくて、その気持ちを全部その試合に持っていけたかなと思います。すごい気合いは入ってましたね。もちろん緊張もしたんですけど、その緊張もあって、調子をそこにピンポイントで持って行けたかなと思います。

かばんの中身チェック

かばんチェック&お気に入り写真

──ピカチュウ好きなの？
佐藤：ポケモンが好きです。

──ポケモンの中でもピカチュウが好きなの？
佐藤：いや、そういう訳でもなくて、カビゴンが好きです。

持ち物1：ティッシュペーパー

──ポケットティッシュじゃなくてボックスティッシュを入れてるんだ。
佐藤：練習のときに使うので、ポケットよりもこっちの方がいいかなと。

持ち物2：マスク

──マスクはこだわりある？
佐藤：こだわりは特にないですけど、練習のときにつけるので通気性が良いやつにしています。

持ち物3：エッジケース

──エッジケースも持ち歩いてんの？
佐藤：練習にいくとき以外、外に出ることがほとんどないので、かばんの中にはスケートの用具しか入っていないです。

──エッジケース見せてもらえる？
佐藤：最近買いました。最近使っている人多いやつです。

──なんで白にしたの？
佐藤：（最初）黒を買ったんですけど、同じリンクに全く同じ物を使っている人がいて、しかも貸切の時間も同じだったんですよ。それで「どっち（が自分の）だ？」ってなっちゃって、白を買いなおしました。

──ちなみに、荒川静香選手が温度で色が変わるエッジケースを使ってたのよ。それで、リンクで練習してたら「私のエッジケースがない」ってなって、温度で色が変わるから自分のエッジケースが探しきれなかった話があります。はい、次。

持ち物4：手袋

──こだわりは？
佐藤：アイリン（アイスリンク仙台のマスコット）の手袋をずっと使っています。

──良いことだね。地元を大切にするということは。他は？
佐藤：フリスク。レモン味です。

持ち物5：財布

──財布の中に大事にしまっているものとかないの？
佐藤：りんくうの観覧車の割引券。前に行ったときにみんなで観覧車に乗ったんですけど、そのときの思い出に残しています。

──コロナが終わったらまたみんなで乗れると良いね。
佐藤：そうですね。また行きたいです。

お気に入りの写真

──一番気に入ってるものはなに？
佐藤：インコのキーホルダー。まったくこれと一緒の（オカメ）インコを今飼っているんですよ。名前は「ピノ」です。「ピノ」と「ピナ」で迷ったんですけど、「ピノ」の方が可愛いなってなって、「ピノ」にしました。

──懐いてる？
佐藤：懐いてると思いますけど。

──話しかけるの？
佐藤：話しかけてますけど、まだ返事は来ないですね。飼って半年くらいなんで。オカメインコの他にも青いセキセイインコも飼っています。

──ちなみに俺もセキセイインコとかジュウシマツとか飼ってたんで。鳥は好きです。
佐藤：そうなんですね。

──スマホに入ってるお気に入りの画像とかある？
佐藤：これは「THE ICE」のときにみんなでBTSをやったんですけど、最終公演が終わったときにみんなで撮った写真です。

──じゃあBTS踊れるんだ。ちょっと触りだけでも。
佐藤：え？ スケートリンクの中の踊りはできますけど、マジのやつは分からないです（笑）。優真がめっちゃ教えてくれましたけど...後で後で（やります）。

──俺、BTSの踊りを後で見させられるの（笑）？ ちなみに、お気に入りのアーティストとかいる？
佐藤：最近はYOASOBIとか米津玄師とかをよく聞きます。YOASOBIだと最近の「ラブレター」という曲ですね。

──ちょっとサビだけ歌ってもらっていい？
佐藤：いや、やめておきましょう（笑）。聞いた方が早いですよ。無理っす。また今度で（笑）

──試合前に聞く音楽もあるの？
佐藤：試合前は自分の曲とか、洋楽をメインに聞いています。僕はアヴィーチーが好きなので、アヴィーチーの曲をよく聞いてます。

──なんていう曲？
佐藤：「waiting for love」っていう曲ですね。

──じゃあサビだけお願いします。
佐藤：（笑）

文：J SPORTS編集部