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フィギュア スケート コラム 2021年1月14日

【プレビュー:全米フィギュアスケート選手権2021 女子シングル】急激な成長期の真っ只中にいる15歳のアリサ・リュウが3連覇に挑む

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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アリサ・リュウ

アリサ・リュウ

1914年に創設された全米フィギュアスケート選手権の、記念すべき第100回大会で、13歳5カ月のアリサ・リュウが大会史上最年少の女子チャンピオンになった。いまだジュニアの国際イベントにさえ資格を持たないノービス選手は、3回転アクセルを3度成功させ、あっという間に栄光を手に入れた。翌2020年大会は4回転ルッツこそ回転不足を取られたものの、3Aを含むあらゆるトリプルジャンプを確実にこなし、堂々たるタイトル防衛を成し遂げた。

2021年1月のラスベガスで、果たしてリュウは3連覇を達成するだろうか。ただし、今回の全米ナショナルでは、おそらくリュウは3回転アクセルや4回転を飛ばないだろうとも言われている。

なにしろ来シーズンようやくシニアの国際大会出場権を得る15歳の少女は、急激な成長期の真っ只中にいる。2019年全米初優勝時は4フィート7インチ(140cm)、2度目の優勝時は4フィート10インチ(147cm)だった身長は、昨10月の時点で5フィート(152cm)に伸びた!当然ながら身体のバランスが変わり、あれほど得意だったジャンプに、現在のリュウは苦しめられている。それは9月開催のバーチャル大会ISPポイントチャレンジや、10月末のラスベガス・インビテーショナル大会の映像や結果からも見て取れる。

それでものびやかなスケーティングや天真爛漫な笑顔は健在。むしろ聡明なリュウは、少女からレディーへと生まれ変わり、どんどん新たな表現力や魅力を獲得している最中なのだ。もちろん表彰台乗りを目指す。ただし晩秋からコーチ陣に加わったジェレミー・アボットが言うように、今大会はあくまで北京五輪シーズンへ向けた「ステップであり、ゲームの終わり」ではない。

15歳のリュウが成長期なら、24歳のマライヤ・ベルやこの1月末で23歳になるブレイディ・テネルは、いよいよ選手としての輝かしい最盛期を迎えている。安定した技術力と完成された世界観とを兼ね備えた2人もまた、いずれも全米女王の座にふさわしい。

ちょうど1年前の全米で、ベルは、アダム・リッポンが振り付けたFS「ハレルヤ」で会場を感動で包み込んだ。あれはキャリアの頂点ではなく、「始まりに過ぎない」と本人も語るように、10月末のスケートアメリカでは生まれて初めてのグランプリ大会優勝。やはりリッポン作のSP「グリッター・イン・ジ・エアー」で、丁寧に各エレメンツをこなしつつ首位スタート。氷上にぱっと花が咲いたような、それでいて勇気や力強さにあふれる、そんな彼女ならではの魅力たっぷりに踊りきった。

一方のFS「アバ・メドレー」は少々滑り込みが足らない様子で(そもそもSPも衣装が上手くフィットせずに、FS用衣装を着て滑ったほど、コロナ禍の中では準備も実践も難しいのだろう)、転倒もあり4位に終わったが、完成すれば楽しいナンバーになること間違いなし。すでに過去4年で3度の表彰台に上がってきたベルにとっては、もしも優勝すれば、ジュニア時代から通しても念願の初の全米タイトルとなる。

テネルは2018年に全米の頂点に上り詰めた経験がある。国際的にはほぼ無名な状態から、一気に五輪や世界選への出場権も手にし、当時のFSプログラムをもじってシンデレラガールとさえも呼ばれた。もちろん3年後の今、テネルは押しも押されぬ全米女子フィギュア界の牽引者となった。

特に今季のテネルは、表現者としてさらなる高みを目指しているように思える。FS「サラエボ/ダウン・オブ・フェイス」は、本人曰く、振付師ブノワ・リショーから突きつけられた「わくわくするような障害物」。たしかに解釈のひどく難しそうな音楽に、細かく複雑なつなぎがいたるところに詰め込まれている。おかげで持ち前のなめらかなスケーティングがいっそう際立つし、上半身のドラマチックな動きが、手足の長いテネルのノーブルな美しさを引き出す。スケートアメリカではこのFSでは首位に立った(トータルでは2位)。全米でのさらに研ぎ澄まされた演技に期待したい。

カレン・チェンは着実に復活への道を歩んでいる。2017年全米選手権優勝、続く世界選手権で4位に入った実力者は、怪我や大学進学が理由で第一線から少し後退していた。しかしスケートアメリカのFS「梁山伯と祝英台」ではふわり軽やかなジャンプや、優雅でスケールを感じさせる表現力で、見る者を魅了した。PCSではトップスコアも記録。なんと今回の全米では3回転アクセルを初披露予定とのこと。もしも大技が決まれば、間違いなくトップの座も見えてくる。

そして今、最も伸び盛りで、最も勢いがあるのがオードリー・シン。16歳の今季は本来ならばジュニアグランプリシリーズ転戦を予定していたが、コロナ禍の中で、思いがけずスケートアメリカでシニアデビュー。初めての大舞台にも関わらず堂々たる滑りを披露し、3位に飛び込んだ。エッジワークの良さやスピンの流麗さは証明済み。昨ジュニア全米2位のシンが、この1月にいきなりシニア女王に上り詰める可能性だって十分にありえる。

またスター・アンドリュースやアンバー・グレンといった個性派実力者たちにも注目したい。かつて2度全米ゴールドに輝きながら、摂食障害に苦しんできたグレイシー・ゴールドは、年末のバーチャル予選会を7位で勝ち抜いた。自身7度目のシニア全米フィギュアスケート選手権でも、彼女の自分との戦いは続く。

文:J SPORTS編集部

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