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フィギュア スケート コラム 2020年9月11日

研究者へと変貌を遂げた《氷上の哲学者》町田樹。新たな使命を果たす新番組「町田樹のスポーツアカデミア」始動。

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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町田樹

番組をプロデュースする町田樹

2020年10月、J SPORTSでは《研究×スポーツ》をコンセプトにした新番組をスタートさせる。その名も「町田樹のスポーツアカデミア」。番組タイトルからもお分かりの通り、本番組を企画から制作までプロデュースするのは、かつて《氷上の哲学者》と呼ばれた元トップフィギュアスケーターの町田樹。2014年の全日本選手権を最後に現役を引退。その後、早稲田大学大学院で今春博士号を取得して、この10月から國學院大助教として研究者のキャリアを歩み始めた彼だからこそ知る、現代スポーツの様々な課題に番組を通して斬り込んでいく。「日本のスポーツ界がどうあるべきか、一緒に考える機会にして欲しい」と話す彼に、本番組に懸ける想いを聞いた。

スポーツ科学の研究は机上の論理だけではいけない

本番組は《Reportage:ルポルタージュ》《Archive:アーカイブ》《Dialogue:ダイアログ》の三つの柱によって構成されている。

《ルポルタージュ》では、町田自身が国内の注目すべきアリーナに足を運び、経営やマネジメント手法、或いはその土地の文化や風土に触れながら、今後日本のアリーナがどうあるべきかを深く追究していく。町田は「アリーナは、スポーツと文化芸術を支える器として存在するだけでなく、防災拠点や都市経済を支える複合的な施設。スポーツを《する・観る・支える》という三つの機能が健全に循環することでスポーツは成り立ち、その根本にアリーナが存在します」と説明する。

《アーカイブ》では、フィギュアスケート史に燦然と輝く珠玉のプログラムを徹底解説していく。「フィギュアスケートはスポーツである一方で、文化芸術的な価値がある身体運動文化だと考えています。優れた演技は勝敗という文脈を抜きにして、何度も味わえるもの。だからこそ、優れたプログラムに徹底的にフォーカスして、その良さや芸術的な価値を解説していきたい」(町田)

最後の《ダイアログ》では「スポーツ科学の研究は机上の論理だけではいけない」と問題提起する研究者・町田樹が、スポーツ科学研究を牽引するトップランナーと対談し、そこで語られる最前線の研究成果を実践現場に伝えていく。さらに、町田の専門領域であるフィギュアスケートや新体操といった芸術性を備える《アーティスティックスポーツ》という領域の魅力や奥深さについても語られていく。

10月の第一回目の放送【Reportage:アリーナの今を訪ねて】では、昨年2つの最先端アリーナを建設した青森県八戸市の事例を取り上げる。実際に現地を訪れて取材を行った町田は「八戸市は氷都と呼ばれるくらいに、氷上スポーツが市民の間に根付いている。そうした都市に最新鋭のアリーナが設置されたことは、これから先日本のアリーナがどうあるべきかを考える上で非常に示唆に富むケーススタディ」だと話す。

さらに「アリーナの経営手法やマネジメント手法は千差万別。八戸を皮切りに、日本全国津々浦々のアリーナを追跡レポートしていきたい」と意欲をのぞかせた。

今までにない番組「期待していただきたい」

町田「スポーツに注がれている学問諸分野の魅力を広く知ってほしい」

町田「スポーツに注がれている学問諸分野の魅力を広く知ってほしい」

現役引退後、早稲田大学大学院へ進学して、今春博士号を取得した町田。10月からは國學院大学の助教として本格的に研究者としてのキャリアを歩みはじめるが、番組の構想について「原点は修士・博士5年間の研究活動」だと話す。一方で、彼は1時間弱の取材の中で何度も《還元》という言葉使い、研究成果を実践現場に落とし込む重要性を説明した。そこには、フィギュアスケーター・町田樹としての経験が深く関わっている。

「フィギュアスケーターとして25年間のキャリアを歩んだなかで、いくつものリンクを拠点としましたが、その半分が経営難や老朽化で今はもうありません。また、4回転開発競争の波にのまれて大怪我をする選手や、拒食症に苦しむ選手も間近で見てきたからこそ、そうした問題を早く解決しなければならないと思います。また、アスリートのセカンドキャリア問題が社会問題とされるなかで、研究の世界を広く開示することで、セカンドキャリアの選択肢の一つにしてもらいたい」

番組が果たすべき役割を問われた町田は、一言一言、丁寧に言葉を紡ぎ出していく。

「日本のスポーツ界がどうあるべきかを一緒に考える機会にして欲しいと思って、私たちは情熱を注いで番組を制作しています。一方的な価値観の押し付けや、特定の思想を発信しようとは思っていません。日本のスポーツ界を取り巻いている問題や研究の最先端に潜入したり、最前線を走る人と対話したりするなかで、私たち番組制作者と視聴者の方々全員で、これからのスポーツがどうあるべきかを考えていくきっかけにしてほしい。またスポーツに注がれている学問諸分野の魅力を広く知ってほしい、という思いで我々はこの番組を発信していきたいです」

かつて《氷上の哲学者》と呼ばれた男は、鮮やかなコスチュームからスーツに着替え、研究者として変貌を遂げた。しかし、スポーツに対する愛情と哲学的思考は当時のままに、新たなフィールドに絶え間なく注がれている。

「私自身も新米の研究者ですから、こうした活動を続けて成長していきたいですし、学んでいきたい。この番組を通じてかけがえのない体験をさせてもらっていて、その体験を私自身の研究に大いに反映させていきたいと思います。本当に今までに見たことのない全く新しい面白い番組になっていると思います。是非、期待していただきたいです」

みなさんも一緒に、スポーツの未来を考えてみませんか?

文:J SPORTS 編集部

J SPORTS編集部

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