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フィギュア スケート コラム 2020年1月30日

【レビュー:ISU欧州フィギュアスケート選手権2020 アイスダンス】金メダルに輝いたシニツィナ/カツァラポフ組。「ガブリエラやギヨームと肩を並べるなんて、まるで不可能のように感じていました」

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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ISU欧州フィギュアスケート選手権2020 アイスダンス 表彰台

得点差は小さかったが、波紋は大きかった。ロシア勢が全てを独占した2020年欧州フィギュアスケート選手権で、他の3カテゴリの結果が予想通り、もしくは想定の範囲内だったのだとしたら、アイスダンスの成り行きは「驚き」だった。

金メダルに輝いたのは、ヴィクトリヤ・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ組。そして、わずか0.14点差で2位に甘んじたのは、他でもない、欧州6勝・世界4勝のガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組だ。


1位 ヴィクトリア・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ(ロシア)

慈しみ合うように寄り添いながら結果を待っていた2人は、優勝が決まった瞬間、固く抱き合った。結成から6年。2人で勝ちとった初めての大きな国際タイトルだった。

「表彰台の真ん中に立てるとは想像もしていませんでした。ガブリエラやギヨームと肩を並べるなんて、まるで不可能のように感じていましたから」(カツァラポフ)

昨ワールドでは表彰台の2番目の段から、パパダキス/シゼロン組を見上げた。リズムダンス(RD)4.48点・フリーダンス(FD)6.41点と、得点差も大きかった。

あれから10ヶ月後。シニツィナ/カツァラポフ組はRDでは0.05点差に迫り、FDでは逆に0.19点のリードを奪った。簡単に10点満点を出さぬように..とジャッジたちに指示が出ていたと言われるプログラムコンポーネンツでさえ、フランス組8つに対し、9つの満点をもらった。「アンタッチャブル」だと思われていたパパダキス/シゼロン組を、ついに追い越した。

GPファイナルを最下位で終えた悔しさが、2人を奮起させた。

「いい教訓になりました。失敗から学んだんです。怒りに燃えて今大会に乗り込みましたし、ハングリーな気持ちでした」(シニツィナ)

年末のロシアナショナル制覇後も、ほとんど休まず、プログラムを磨き上げることに集中したという。いくつか改良もほどこした。RD「Singin’ in the Rain」ではスーツを着ないほうがいい、とアドバイスされ、カツァラポフは衣装を変えた。つまりシンプルな黒いタートルネックの男性と、雨色のドレスの女性が、氷の上を流れるように駆け回る。見る者になんともいえぬ多幸感をもたらしてくれるのは、2人が心から楽しそうに踊っているからかもしれない。

「内側から感情が湧き上がってくるんです。気持ちを高揚してくれるこの曲が大好き」(シニツィナ)

FD「Songs My Mother Taught Me」は音楽に少しアレンジを加えた。「気が付かない人のほうが多いと思いますよ」(カツァラポフ)というくらい、微妙な変化だ。例えばプログラム序盤の、ストレートラインリフトと共に曲調が変わる部分。バイオリンの叙情的な音色を、まるで追いかけるように、ピアノの旋律が付け加えられている。2つの異なる楽器が、ひとつの美しいメロディを作り上げる。まるでシニツィナ/カツァラポフ組の関係のようだ。

「今日は全てを氷の上に出し尽くし、そして素晴らしい成果を手にしました。でもここで立ち止まったりしません。もっと前へ進みたい。僕たちには目標があります。本気でリーダーになりたいんです」(カツァラポフ)

世界選手権まで2ヶ月、冬季五輪まで2年。自らの実力でアイスダンス界のパワーバランスを変えた2人は、次なる次元へと進み出る。

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