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フィギュア スケート コラム 2019年3月19日

世界フィギュアスケート選手権大会 アイスダンスの見どころ

フィギュアスケートレポート by ウェイ・ション
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text by ウェイ・ション

シングル競技と比べて、アイスダンスは日本のテレビで放送されることが少なく、まだまだ馴染みが薄い種目だが、近年着実に人気が高まる一方だ。ソーシャルメディアの発達によりスケートファンがより映像を見やすくなったり情報を獲得しやすくなったりしているのも一つの要因だが、プログラムの選曲が多様化しており選手がより独特で個性的な演技ができるようになったことにより、芸術性を強調するこの種目の見応えがさらに増したからではないだろうか。ここで、注目選手と彼らのプログラムの見どころを紹介したいと思う。

ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組

ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン

ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組

今大会の優勝最有力候補は言うまでもなく、ディフェンディングチャンピオンたるパパダキス/シゼロンだ。今シーズンは2大会に出場し、2大会とも完璧な演技で世界最高得点を塗り替えた2人は、今大会でいつもどおりの演技ができれば、4回目の優勝を果たせるであろう。なぜなら、彼らの「いつもどおり」は「完璧」だから。しかし、2人の演技を見ていると、ボディーラインや姿勢があまりにも美しく、振付けがあまりにもクリエイティブ、表情があまりにも自由自在としているように見えるので、得点や順位などを全く忘れ、ただただじっくりと2人の優雅な舞を楽しみたい。

実力的にパパダキス/シゼロン組が実質頭一つ抜けている中、アイスダンスの試合を観る価値があるのか?と疑われるかもしれないが、表彰台を巡る争いは今まで見たことのないほど熾烈で、まったく予想できない。さらに、振付けが印象的なプログラムが多く、どれも見逃したくない。

マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組

マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組

手術後の休養のため、シーズン前半は休んでいたマディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組だが、先月の四大陸選手権で見事な演技で高得点を叩き出し優勝を飾った。エルヴィス・プレスリーの歌声に合わせて軽快に踊るフリーダンスは、斬新で独特なリフトと音楽とぴったり合うステップシークエンスがとても印象的で、いいプログラムだ。ぜひ四大陸優勝の勢いに乗って、この素晴らしい演技をもう一度みせてもらいたい。


マディソン・ハッベル/ザカリー・ダナヒュー組

マディソン・ハッベル/ザカリー・ダナヒュー組

一方、グランプリファイナルの金メダリストたるマディソン・ハッベル/ザカリー・ダナヒュー組は、四大陸の表彰台に乗れなかった悔しさを晴らしたいであろう。シーズン前半の試合ごとにフリーダンスの所々を直してきたが、四大陸でリフトのミスをしてから、練習でプログラムの細かいところに対してさらに気をつけるようになったという。ようやく完成形になったこの「ロミオ アンド ジュリエット」の物語、実に楽しみだ。

ケイトリン・ウィーバー/アンドルー・ポジェ組

ケイトリン・ウィーバー/アンドルー・ポジェ組

カナダ勢の選手たちも独特なプログラムを披露する予定だ。昨年の銅メダリスト、ケイトリン・ウィーバー/アンドルー・ポジェ組のフリーダンス「S.O.S. d'un terrien en détresse」は、 不幸にも亡くなった友人、デニス・テンが生前最後に滑ったプログラムだ。競技プログラムではあるが、追悼の想いを込めた特別なものでもある。


パイパー・ギルス/ポール・ポワリエ組

パイパー・ギルス/ポール・ポワリエ組

そして、四大陸3位のパイパー・ギルス/ポール・ポワリエ組のフリーダンス「Vincent」も必見だ。意表を突く巧妙な繋ぎとアクロバティックなリフトだけでも十分見応えがあるが、意味を込めた一個一個の振付けが画家ゴッホの生涯を語ってくれる。本当に素晴らしい、傑作のプログラムだ。

小松原美里/ティモシー・コレト組

小松原美里/ティモシー・コレト組

もちろん、欧州の有力選手も表彰台を狙っている。ブルーズの音楽に合わせて、セクシーな大人の色気を演出するアレクサンドラ・ステパノワ/イワン・ブキン組も、正統派のクラシック曲で優雅に舞うヴィクトリア・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ組も、今シーズン200点超えの高得点をマークしたことがあり、10年ぶりのロシア勢のメダル獲得に全力を尽くすであろう。さらに、グランプリファイナルと欧州選手権でともに3位入賞したイタリアのシャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファッブリ組も、ベストな演技ができれば、自身初の表彰台乗りが射程圏内である。

最後に、日本代表の小松原美里/ティモシー・コレト組には、ぜひ自国開催の世界選手権でベストなパフォーマンスをし、フリーダンスへと進出できるように頑張ってもらいたい。そのために、地元の観客たちも最大の声援を送るに違いない。

代替画像

ウェイ・ション

中国広東省出身、早稲田大学アジア太平洋研究科を卒業。 コンサルタントを勤めながら、フリーランスのジャーナリスト・通訳として活動。数々のフィギュアスケート国際大会で記者会見の通訳を担当する経験があり、昨シーズンから国際スケート連盟ホームページの選手フィーチャーインタビュー・記事も執筆。趣味はフィギュアスケートの各種記録、データを覚えること。

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