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text by ウェイ・ション
7年ぶりに北米の地で行われる四大陸選手権大会、今年の開催地は世界初のディズニーランドで有名なアナハイムだ。最初に始まる女子シングルの競技はまさにこの開催地にふさわしい、氷上のプリンセスたちが華麗なる演技を披露する舞台ではないか。この舞台でどんな物語が展開するか、実に楽しみだ。
再び表彰台独占へ チーム・ジャパン
ディフェンディングチャンピオン坂本花織、グランプリファイナル金メダリスト紀平梨花、そして2017年四大陸女王三原舞依からなるチーム・ジャパンはいかにも強い。実は、今大会に出場する全選手のパーソナルベストや今シーズンのグランプリシリーズでの成績を並べてみると、日本勢がトップ3を占めていることがわかる。なので、この3選手が実力を発揮できれば、去年に続き、再び日本人選手による表彰台独占になる可能性が高い。
全日本女王たる坂本花織は好調子を見せている。四大陸選手権の直前にもかかわらず、1月末に行われた全国冬季高校総体に出場し、完成度の高い演技で自己ベストに近い高得点を叩き出して優勝した。今大会への調整が難しくなるじゃないかと懸念されていたが、本人は「四大陸前に試合を経験できたので自信になった」と前向きに語った。この勢いに乗り、今大会でまた優れた技術力と、今シーズン磨き上げたより「大人」になった表現力を見せれば、表彰台はもちろん、二連覇も狙えるであろう。
出場する選手の中で自己ベストが一番高いのは紀平梨花。今大会と世界選手権に向けて、1月にアメリカに渡り、振付師のトム・ディクソンのところでプログラムをさらに磨き上げ、表現力を向上させた。さらに、練習で4回転トウループとサルコウを成功させた画像もインタネットにアップされた。しかし、年始のアイスショーで今年の目標と聞かれた時、「4回転とかに挑戦もするけれど、安定した演技を残せるようにしたい」と紀平が答えたように、メダルの色を決める鍵となるのは、やはり安定感だ。ショート1本、フリー2本、合計3本のトリプルアクセルを含める高難易度の構成をどこまでクリアできるか、本当に楽しみだ。調子をうまく調整し、安定した演技を2つ揃えれば、今大会での優勝だけでなく、ザギトワが持っている世界最高得点も射程圏内となる。
さらに2017年の優勝者たる三原舞依も忘れてはならない。1月上旬に行われた日本学生氷上選手権に出場し、ノーミスな演技で215.20点をも叩き出した三原は、技術的に安定しているだけでなく、フリープログラムは先シーズンから使用しているため、演技が試合ごとに細かく仕上げられ、高い演技構成点も期待できる。ジャンプの難易度やGOEが高くもらえるようなダイナミックさがチームメイトほどではないが(それでも十分高い!)、完璧な演技ができれば、メダルをつかむ可能性が高いし、金メダルも手の届くところにあるでしょう。
ホームアドバンテージ チーム・アメリカ
こんな強いチーム・ジャパンの表彰台独占を阻止できるのは、やはりホームで戦うこととなるチーム・アメリカだと言えよう。
全米で痛恨のミスで連覇できなかったブレイディ・テネルは、試合後「家に帰ったら、プログラムの細かいところまでひとつひとつやって、完璧さを目指して頑張る。日々進歩を目指すことはやはり大事だ」と話した。彼女の今大会での進歩をぜひ見てみたい。
全米三位のマライア・ベルも「もっとうまくできることが幾つかあるので、重点的にやりたい」と話し、「結果は関係なく、とりあえず自分だけに集中したい」と積極的な姿勢を見せた。
さらに注目していただきたいのは、シニアレベルのISU選手権大会に初出場となる全米四位のティン・ツゥイだ。まだ知名度が低いが、手足が長くボディーラインがとてもきれいで、この長所をいかしたフリープログラム「ジセル」は見ごたえが十分ある。
ティン・ツゥイ以外、韓国のイム・ウンスとキム・イェリムもISU選手権大会でのデビュー戦を迎える。二人とも16歳で、プレッシャーに負けず、最高のデビューを期待したい。
最後に忘れてはならないのはカザフスタンのエリザベット・トゥルシンバエワだ。コーチと練習拠点を変更した今シーズン、試合でのパフォーマンスがなかなか安定していないが、実力を発揮しきれば、上位選手への脅威になるでしょう。
ウェイ・ション
中国広東省出身、早稲田大学アジア太平洋研究科を卒業。 コンサルタントを勤めながら、フリーランスのジャーナリスト・通訳として活動。数々のフィギュアスケート国際大会で記者会見の通訳を担当する経験があり、昨シーズンから国際スケート連盟ホームページの選手フィーチャーインタビュー・記事も執筆。趣味はフィギュアスケートの各種記録、データを覚えること。
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