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フィギュア スケート コラム 2018年3月20日

世界フィギュアスケート選手権 ペア プレビュー

フィギュアスケートレポート by ウェイ・ション
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2015と2016年の世界王者であるメーガン・デュハメル/エリック・ラドフォード組が五輪の直後に引退を発表した。ディフェンディング・チャンピオンのウェンジン・スイ/ツォン・ハン組もスイの右足のけがで休養せざるを得ない一方、五輪王者たるアリョーナ・サフチェンコ/ブルーノ・マッソ組が金メダルを取った後も休憩せず、世界選手権に出場すると決めた。
そんな中、「それじゃ勝負はもう決まったじゃない?面白くない」と思うスケートファンもいるかもしれないが、今大会に出る選手たちの実績をよく見てみたら、金メダルの行方にはまだ懸念があるし、表彰台を巡る争いもとてつもない展開になる予感がする。

シーズン三冠を目指すサフチェンコ/マッソ

アリョーナ・サフチェンコ選手/ブルーノ・マッソ選手

アリョーナ・サフチェンコ選手/ブルーノ・マッソ選手

サフチェンコが念願の五輪金メダルを手に入れた時の歓喜の涙もまだ記憶に新しいが、彼女はパートナーのマッソと今大会への調整を既に取り組んだ。恐らく、3人目のパートナーと世界選手権の初優勝を果たし、グランプリファイナル、オリンピック及びワールドのシーズン三冠を目指したいのであろう。
実力から見れば、もちろん優勝の最有力候補だ。トップペアの間で点数の差があまり開かないショート・プログラムをうまくまとめれば、フリーで今シーズン世界最高得点を2回も叩き出したプログラム「La terre vue du ciel」を自分たちなりに滑りきれれば、1位に立つ可能性が高い。ただし懸念は、構成の難易度ではなく、エレメンツの質と演技構成点で優位に立つ二人にとって、五輪からの疲れと金メダルを取った後のモチベーションが演技の完成度にどう影響するかだ。優勝を目指すには、決して油断できず、いい緊張感で今大会を臨みたい。

「リベンジ」を狙うエフゲーニャ・タラソワ/ウラジーミル・モロゾフ

エフゲーニャ・タラソワ選手/ウラジーミル・モロゾフ選手

エフゲーニャ・タラソワ選手/ウラジーミル・モロゾフ選手

ペア大国ロシアの一番手、欧州王者たるタラソワ/モロゾフ組。先月のオリンピックでショート・プログラムで1位に肉薄の2位に立ったが、フリーではスロージャンプで転倒するなど、大きなミスをしてしまい、総合得点で4位に落ち、表彰台には届かなかった。
そんな悔しい思いをした二人だが、スピード感のある滑りとリアルカップルであるケミストリーが持ち味で、それに4回転ツイストという大技の成功率も高いので、五輪での悔しさをバネに、今大会で本当の実力を発揮できれば、金メダルを狙うサフマソ組にとってはまさに脅威的な存在だと言えよう。

表彰台を巡る混戦

自己ベストと過去の国際大会での実績を考えれば、大きなミスがない限り、金銀争いは恐らく上述した2組によって展開されるであろう。では、3位以降の上位争いに注目したい。

ヴァネッサ・ジェームス選手/モルガン・シプレ選手

ヴァネッサ・ジェームス選手/モルガン・シプレ選手

先頭に立つのは、フランスのヴァネッサ・ジェームズ/モルガン・シプレ組。大技4回転スロージャンプは試合での成功率がまだ低いが、着氷できると他の組と差が開くような高い得点が稼げる。そして、ダイナミックな音楽に合わせ、長い手足を生かしたスケールのある振り付けも印象的だ。今大会でベストな演技を出し、初の世界選手権メダルを飾れるか、楽しみだ。

先月のオリンピックで意外にもノーミスな演技で見事に5位に入賞した、地元イタリアのヴァレンティナ・マルケイ/オンドレイ・ホタレック組は、もちろん母国で表彰台に登りたいであろう。そして、オリンピックで200点超えの高得点をマークし10位に立ったニコル・デッラ・モニカ/マッテオ・グアリーゼ組も当然母国開催というチャンスを掴み、さらなる進歩を遂げたい。

それに対して、オリンピックでは不本意なミスをしてしまい、上位に立てなかったグランプリファイナリスト、中国のシャオユイ・ユイ/ハオ・ジャン組、チャン・ペン/ヤーン・ジン組、アメリカのアレクサ・シメカ・ケネリム/クリス・ケネリム組、そしてカナダのキルステン・ムーア=タワーズ/マイケル・マリナロ組など、高い実力を持つペアも数多くいる。彼らももちろん今大会では会心の演技で、五輪で経験した悔しさを拭き払いたい。

須崎 海羽選手/木原 龍一選手

須崎 海羽選手/木原 龍一選手

さらに、次の4年を考えれば、オリンピックで見事に7位に入賞した、しなやかなスケーティングを持つロシアのナタリア・サビヤコ/アレクサンドル・エンベルト組と五輪9位でパワフルなスタイルを持つカナダのジュリアン・セガン/シャルリー・ビロドー組にもぜひ注目したい。何が起こるかがわからないメダル争い、本当に楽しみだ。

最後に、日本の須崎海羽/木原龍一組にも注目したい。オリンピックという大舞台で団体、個人戦とも経験した二人は、技術面ではまだ課題が残されているが、ペアとしての一体感が着実に増した。今大会でぜひ自分たちにとって納得のいく演技を見せてもらいたい。

代替画像

ウェイ・ション

中国広東省出身、早稲田大学アジア太平洋研究科を卒業。 コンサルタントを勤めながら、フリーランスのジャーナリスト・通訳として活動。数々のフィギュアスケート国際大会で記者会見の通訳を担当する経験があり、昨シーズンから国際スケート連盟ホームページの選手フィーチャーインタビュー・記事も執筆。趣味はフィギュアスケートの各種記録、データを覚えること。

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