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試合の行方
ロシアフィギュアスケートペアの2トップ、クセニヤ・ストルボワ&フョードル・クリモフ組、エフゲーニヤ・タラソワ&ウラジーミル・モロゾフ組は、今季グランプリファイナルに出場したが、4位と5位と、惜しくも表彰台を逃した。
ロシアのペアのオリンピック出場枠は3組。昨年のロシア選手権優勝時、ストルボワは、シーズンをダンテの神曲に例えて「9つの地獄を通って来たようだった」と振り返ったが、国内選手権まで辿り着いたペアは、間違いなくそれぞれの地獄を潜り抜けてきた精鋭達、燃え滾る中でも冷静な、強靭な精神力を兼ね備えている。
ドミトリー・ソポトとアナスタシア・ミーシナが其々パートナーを変更して、驚くべき速さでロシア選手権に戻って来たことにも注目だ。ロシアのペア選手が解散しても直ぐに競技に復帰でき、発展にさえ結びつけられるのは、やはり伝統に基づく、古典的な方法で磨かれた厳しい訓練の中でしか得られない「基礎の力」があるからだ。日本の柔道の重厚な歴史にも通ずるものを感じる。
言わずと知れたペア育成の名伯楽、タマラ・モスクビナ、ソチ五輪優勝のタチアナ・ボロソジャール&マキシム・トランコフ等ロシアペア3組を育てたニーナ・モーゼル、アルベールビル、長野オリンピックペア金メダリストのアルトゥール・ドミトリエフを始めとする、ロシアのペアの伝統を継承する熟練の名コーチ達がその伝承を支えている。
ただし、現代のペアはシングル同様、高難度化が著しい。スピン、リフト、デススパイラル、スロージャンプ、ソロジャンプといったエレメンツの総合的レベルがこれだけ上がり、ユニゾンやスケーティングの中で高難度の技術を実施するのは、トップクラスでも至難の技、新ペアの成長はじっくり見守りたい。
その他、昨年3位、今季はスケートカナダ4位の優雅で眉目秀麗なナタリア・ザビヤコ&アレクサンドル・エンベルト組も間違いなく表彰台争いに加わるだろう。ジュニアグランプリファイナル2位のアポリナーリヤ・パンフィロワ&ドミトリー・ルィロフ、ダリア・パブリュチェンコ&デニス・ボディキン(3位)、アレクサンドラ・ボイコワ&ドミトリー・コズロフスキー(5位)、アナスタシア・ポルヤノワ&ドミトリー・ソポト(6位)等、ジュニア組も大会を大いに盛り上げてくれるだろう。
最後に。順位と得点に注目が集まる昨今のフィギュアスケートだが、ドミトリエフコーチに師事するクリスチーナ・アスタホワ&アレクセイ・ロゴノフが、今季のフリープログラムでは、フィギュアスケートとは何であったのかを思い出させてくれる。29歳のロゴノフが10歳若いアスタホワを経験と明るさでリードするペアだが、彼等にぴったりの、観ていて心が踊るプログラムは、きっと今大会で私達を「ラ・ラ・ランド(夢の国)」へと誘ってくれるだろう。
セルゲイ・ヴォルコフスキー
1967年ロシア生まれ。モスクワ大学日本語学科を卒業。
日本人と結婚し、ソ連崩壊を機に日本に移住。フリーランスの通訳・ジャーナリストとして活動。日本文化への関心が高じ、ロシア語で俳句を紹介するブログも執筆。ソチ五輪を始めとするフィギュアスケートの国際大会で、記者・通訳としても活躍している。
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