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そして、ジャンプの入りに注目してほしいと思います。入りは選手それぞれ違うので、徐々に何か違うことをやっているなと気づくことができるようになると思います。それがわかるようになるには、何度も様々な選手を見て、目を養う必要があります。
例えば審判員としては、普通だとクロスで入ってきて跳ぶところを、全然違うところから何の前触れもなくシュッと飛んだらプラスをつけたくなります。まずベースとなる基本ジャンプを知り、見極めるだけの土台を作ってほしいと思います。
テレビを見ていれば、端の方に点数が加算されていくので、それを見ていくのもいいと思います。それからいろんな大会の選手のジャンプを見比べることもオススメします。その際に、僕もそうですが必ずメモを取るようにします。選手もプロトコルを見返して、比較していますが、ノートに自分なりにプラスやマイナスをつけて、あとで答え合わせをする。そうしていくとだんだんジャッジの傾向もわかってくるのではないでしょうか。
あとはフィギュアスケートにはレビューがあるので、同じように見直しができる余裕が出るとさらに面白くなると思います。ジャッジと自分の感覚を合わせていくような感じになると思います。
ただ、当然ですが、やはり、前述したとおり、ジャンプ自体の質が一番大事です。それは見ていてきれいか、心地いいかどうかが大事。審判も人間ですから、ジャンプが美しいと思う感覚は見ている皆さんと同じです! 僕が解説するときも、メモを取っていて、いいなと思ってプラスをつけているのは、やはりジャンプの質からきています。まずはジャンプそのもの美しさに注目してほしいと思います。
【フィギュアスケートラボ Vol.1 研究結果:ジャンプ 】
① 理想のジャンプは誰が見ても美しいと思えるような、高くて幅のあるジャンプ。選手たちは高さと幅の調和のとれたジャンプを目指している。
② GOEを見極めるにはジャンプそのものの美しさだけでなく、ジャンプへの入り方や空中姿勢、着氷してからの流れにも注目! 選手の大会ごとのジャンプとプロトコルを見比べて、ジャッジの感覚に近づこう。
小塚 崇彦
1989年、愛知県生まれ。元五輪代表の父のもと、5歳からスケートを始める。2005-06シーズン、全日本ジュニア選手権・世界ジュニア選手権で優勝。2010年はバンクーバー五輪に出場、8位入賞。世界選手権は計7回出場し、2011年の大会では2位に。全日本選手権には連続12回出場し、2010年大会の優勝をはじめ、7回表彰台に上がる。2016年にトヨタ自動車へ入社。現在は解説や教室講師等、活動の幅を拡げている。
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