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フィギュア スケート コラム 2014年3月22日

船山弓枝(女子カーリング):4年間の苦労よりも、それを忘れるぐらいの瞬間がオリンピックにはある

それぞれの4年間 ~冬の一瞬に縣ける女性アスリートの肖像~ by J SPORTS 編集部
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「トリノオリンピックが終わって選手活動を一時休止した時でも、復帰することは最初から視野に入れていました。トリノオリンピックでは自分で思うような結果ではなかったし、もう1度目指したい。その気持ちはずっと持っていました」

2006年 トリノオリンピック輪女子カーリング代表として活躍した船山弓枝(旧姓=林弓枝)は、2010年 バンクーバーオリンピック直前の2009/10シーズンに、チームメイトの小笠原歩と北海道銀行フォルティウスでともに現役復帰を果たした。その間、2人は結婚・出産。今は母であり妻として家庭とカーラーとしての生活を両立させながら、ソチオリンピック代表決定戦に向けて戦いを続けている。

船山が復帰を決めたのは、もちろん当時から現在もチームメイトである小笠原の存在が大きいが、自身のオリンピックに対する思いも強い。

「私は、オリンピックに出たからこそ得られたものがあったんです。4年間のどんな苦しい思いや苦労を忘れるぐらいものでした。だからこそあの舞台にもう1度戻りたいという思いが強い。でも、私がカーリングをこうして続けているのは、中学1年生からやり続けてきたカーリングという競技が好きだからなんです。カーリングという競技は、他の競技に比べたらずっと選手生活が長いんですよ。オリンピックに向けた4年間だけじゃなくて、ずっと続けていきたいと思っています。ですから、トリノの後、休止していたことは、自分の中でも気持ちがリセットできて、また新たな挑戦をしている感じです」

復帰した2009/10シーズンは、自分自身の体力を戻すだけで精一杯だったという。
当時はまだチームには3人しかメンバーがおらず、小さな大会で調整しながらの復帰。日本選手権には出場したけれど結果は4位に終わり、将来に不安を感じながらの船出だった。チームが形になり始めたのが3年目となる20012/13シーズンを迎えてから。

「前回、チーム青森でトリノオリンピック出た時とはメンバーも違いますし、私たちの役割や立場も大きく違っていました。カーリングは試合の間中コミュニケーションを多く取るのですが、それが最初の頃はメンバー間でかみ合ってなかったんですね。うまく行きだしたのが2年目ぐらいです。それと、自分の中では試合勘が戻ってきたのが大きかったですね。昨シーズン、そして今シーズンとチームワークとてもいい形になってきました」

船山はソチオリンピック最終予選、さらに来るべきソチオリンピックに向けてこう語った。
「今、私たちが世界のどこのレベルにいるのか。1つでも勝って順位をあげたい。その思いで今回も挑戦しています」

ところで、主婦として、そして母として挑んでいるオリンピックは、前回の時とどのように違うのだろうか?

「確かに競技と主婦との優先順位が難しい時はありますね。でも、やる以上は両方を充実してやりたい。普段は、朝は毎日、朝ごはんを作って、お弁当も作って旦那を送り出していますから、本当に忙しいですね。正直、選手よりも主婦業の方がエネルギーを使います(笑)。でも、家族に理解してもらいながら、カーリングに費やす時間を増やしたいですし、カーリングをやりながら家庭も大切にしていきたい。そうしたメリハリをしっかりと付けて行きたいです。試合や合宿で遠征に行く時は、小笠原さんと誰に子どもを預けるかそんな相談をしたりして、その時にはいろいろ家族には甘えさせてもらうこともあります。去年は2ヶ月間、カナダに行っていたんですけど、戻ってきたらしゃべられる言葉もすごく増えていて、娘の成長ぶりが早くて驚くことがありますね。今年は3歳になったので、それほどは変わりなかったですけれど、少し寂しい思いをさせてしまっているかもしれませんね。」

海外遠征で選手の両親がベビーカーで子どもを連れてきて、試合の合間に選手が子どもを抱っこしているシーンを見ることが何度もあったという。高校時代から活躍していた船山や小笠原らがリードしてきた日本のカーリングは、まだまだ海外のような環境ではなかった。だからこそ、復帰して第一線に戻ってくるための理由がそこにあった。

「私たちのような結婚や出産を経験した選手でもやれるという姿を見て、これからもそういうメンバーがどんどん出てきてくれるとうれしいですね。日本でも少しずつカーリング環境がよくなってきていますし、いい選手が競技を続けられるようになってきています。そこでまた選手同士がお互いに切磋琢磨してくことが、これからの日本のカーリングにとってもいいことだと思っています」

最後、船山に夢を聞いてみた。これからの4年後、そしてもっとずっと先まで…。

「娘に自分が戦っている姿を見せたいという夢があります。普段は長期間試合や遠征に行くこともあって、娘には寂しい思いをさせているところはあると思うんですけれど、いつか自分のがんばっているところを見て欲しいですね。私たちは、母親と同じチームでもカーリングをやることがありますが、私や小笠原さんの子どもたちも、いつか同じようにカーリングをやりたいと言うことがあるかもしれないですね(笑)。その時は好きなようにカーリングをやらせてあげたい。そんな時を待っています」

「自分のがんばっているところをいつか娘に見て欲しい!」

船山 弓枝ふなやま ゆみえ

1978年4月5日北海道出身。
1998年世界ジュニアで銀メダルメンバーとなる。2002年ソルトレイクシティ、2006年トリノ五輪出場。ともに7位入賞。その後、選手生活を離れ、結婚・出産。2010年、長年のチームメイトである小笠原歩とともに北海道銀フォルティウスに所属し現役復帰。2013年9月ソチ五輪最終予選日本代表決定戦で勝利。12月のソチ五輪最終予選に挑む。

J SPORTS編集部

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