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過去40年近く、ロシアフィギュアスケート界は世界のトップを走ってきた。ところが2006年に五輪直前の欧州選手権で金メダル独占、さらにトリノで金3・銅1という素晴らしい成績をおさめたのを最後に、不調のトンネルに突入してしまった。特に酷かったのは翌2006/07シーズン。グランプリファイナルで手に入れたメダルはアイスダンスの銅のみ、欧州選手権ではペアとアイスダンスがかろうじて銀メダルを獲得したが、世界選手権にいたってはメダル……ゼロ。幸いにもアイスダンスとペアは世界レベルへの復活を果たしつつある。しかし長らくロシアを牽引してきたエフゲニー・プルシェンコとイリーナ・スルツカヤが一線から退いた男女シングルスは、未だ国際舞台での苦戦を強いられている状態だ。
それでもホスト国となる2014年ソチ五輪へ向けて、ロシアでは若手が順調に成長を見せ始めている。今シーズンのナショナル(国内選手権)でも、10代選手の活躍が光った。男子は17歳のアルトゥール・ガチンスキーが2位、同じく17歳のジャン・ブッシュが3位。女子は14歳の若きアデリナ・ソトニコワとエリザヴェータ・トゥクタムィシェワが、それぞれ優勝と3位という好成績を手に入れた。また昨季国内トップ・今季5位で欧州選手権代表に選ばれたクセニヤ・マカロワも、未だ18歳だ。さらにはペアとアイスダンスでも複数のティーンエージャーが表彰台へ上った。
特に国民の期待を大いに集めているのが、1月末にいよいよシニアのヨーロッパ選手権デビューを果たすガチンスキーに違いない。小さな頃から注目されてきた名コーチ・ミーシンの「秘蔵っ子」、またの名を「プルシェンコの後継者」は、昨季の世界ジュニアでの銅メダルを手に今季シニア転向を果たしたばかり。残念ながらグランプリシリーズでは、ウイルス性疾患のせいで思い通りの滑りは出来なかった。しかも国内選手権ショートではトリプルアクセルの失敗転倒で、左ひざをひどく痛めるアクシデント。プログラムが一旦中止されたほどの転倒だった。しかし痛み止めを打って臨んだフリーで見事なパフォーマンスを披露し、9位から2位へとジャンプアップを成功させてしまった!
「第2のプルシェンコと呼ばれるのは、確かにプレッシャーがかかるよ。でも彼はボクのアイドルだし、彼のすべりを見るのがずっと大好きだった……」と語るガチンスキー。そのプルシェンコの育成も手がけたミーシンコーチは、「今シーズン、そして特に来シーズン、ガチンスキーは滑りの質を高めていくことができるだろう。世界でもトップクラスの選手になる」と断言している。スイス・ベルンでの欧州選手権が、栄光への第一歩となるか。
一方で国内選手権・男子で優勝したコンスタンチン・メンショフは、27歳にして生まれて初めてヨーロッパ選手権行きの切符を獲得した。ガチンスキーが国内選手権ショートでの負傷、さらにセルゲイ・ボロノフとアルチョム・ボロドゥリンが今季序盤から故障不調と、確かにメンショフにとって好条件が揃ってはいたのだが、安定したすべりでしっかりとチャンスをものにしている。まもなく始まる欧州選手権で彼らの演技に注目したい。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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