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2006/07シーズンの欧州フィギュアスケート選手権は、1月22日~28日にポーランドの首都ワルシャワで開催される。冬季五輪イヤーの翌年、今後の4年間を占う注目の大会は、大幅な世代交代の舞台となりそうだ。なにしろ昨大会のチャンピオンが、ひとりも登場しないのだから。
トリノ五輪金メダリストにして、欧州選手権5勝のプルシェンコ(ロシア)が完全休養宣言中の今シーズン、五輪銀、昨季欧州2位&世界選手権2連覇のランビエール(スイス)が順当に男子シングルの覇権を握るだろうと考えられていた。ところがスイス国内選手権で優勝した1週間後の1月17日、突如として欧州大会の不出場を発表。「バッテリー充填が必要」と、側近たちにさえ秘密の決断だった。
そこで一気に優勝候補に浮上したのは、3年前にすでに欧州王座を勝ち取っているジュベール(フランス)。トリノ五輪は6位と失敗に終わったが、今季はグランプリシリーズで2勝を上げ、好調のままグランプリファイナルも勝ち取った。フランスでは5年連続で不動の王座を守っているが、22歳の今冬こそ、欧州でも不動の地位を確立するチャンスが到来しそうだ。またプルシェンコの穴を埋めるために、ロシアからはドブリン、グリアツェフ、ルータイの若き3人が参戦する。
女子シングルスでは、欧州選手権7回優勝のスルツカヤ(ロシア)が、進退をはっきりさせないまま公式戦から遠ざかっている。代わりに女王の座をつかむのは、やはり長年ロシア国内でも欧州でも2番手に甘んじてきたソコロワだろうか。ジャンプ技術は未熟ながらも、美しく伸びやかな肢体と若々しい表現力で今季ロシア女王の座をさらい取った16歳のドロニーナの、大舞台デビューも楽しみだ。もちろん大会直後に20歳の誕生日を迎えるコスナー(イタリア)や、2004年欧州女王セベスチェン(ハンガリー)を、忘れずに優勝候補に上げておきたい。
またペアでは5連覇中のトットミアニナ&マリニン組(ロシア)が引退宣言、アイスダンスではやはり3連覇中のナフカ&カストマロフ組(ロシア)が引退を示唆した。それぞれに一時代を築き、五輪金メダルでキャリアを締めくくった両組のあとを継ぐ者が、今欧州選手権で明らかになる。
それにしても気になるのは、やはりチャンピオンを同時に4人失ったフィギュア大国ロシアの動向。果たして新旧交代は成功するのか、そして大国の誇りは守られるのか。1983年以来、ロシア(ソ連時代含む)が欧州フィギュアスケート選手権で、金メダルをひとつも獲得できなかった年はない。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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