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ラグビー コラム 2026年2月9日

【ハイライト動画あり】最終盤の2つのキックパスにしびれる。ライナーズ、ブルーシャークスとの全勝対決で逆転勝ち

ラグビーレポート by 田村一博
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フルタイムまで2分を切ったところで組んだスクラムの位置は、自陣ゴール前10数メートル、左。3点のリードを許していた(11-14)。

苦しい状況を打開したのは、南アフリカ代表キャップ28を持つファンタジスタ。花園近鉄ライナーズのSOマニー・リボックが輝いた。
自陣の深い位置でフェーズを重ねる仲間の後方でスペースができるのを待っていた背番号10の目にチャンスが見えた。高い集中力でキックを蹴った。

1つ目は右足で右外へ。そのボールを受けたWTB林隆広が自陣10メートルライン付近まで前進し、右サイドでラックができる。
そこから出たボールをリボックは、今度は左足で左タッチライン際の河村謙尚へキックパスを送った。

後半23分からピッチに入っていた背番号21は、巧みなコース取りのランニングで50メートルを走り切る。最後の最後にスコアを16-14とひっくり返した。
本来はSHも、プレシーズンからWTBで起用された河村は、ラストシーンの勝負強い走りを評価されてプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

 

気温2度。雪の降る江東区夢の島競技場(東京)で2月7日におこなわれたリーグワン、ディビジョン2の首位攻防戦はロースコアで勝負が決した。
4戦全勝同士での対戦で清水建設江東ブルーシャークスは悔しい逆転負けを喫するも、その戦いぶりは、どうしてここまで無敗で走ってこられたのかを示す内容だった。

試合中は劣勢のシーンが多くても、最後に勝利を手にしたライナーズは称えられるべきだ。
前半は6-7。後半15分まで6-14とリードされたところからなんとか勝った試合を終えて太田春樹ヘッドコーチ(以下、HC)は、「最後に勝ち切れたことはポジティブなことですが、課題が多く出た」と話した。この日の80分を糧に、今後さらに前へ進む意思を口にした。

ゲームキャプテンを務めたCTBピーター・ウマガ=ジェンセンの口からも反省の弁が多く出た。
「雑になってしまった。セットプレーをターゲットにされ、空中戦でも負けた。ブレイクダウンでもプレッシャーを受けた」の言葉からは、勝者の喜びは感じられない。

ジャパンラグビー リーグワン2025-26(2月7日)

【D2 第5節 ハイライト動画】清水建設江東ブルーシャークス vs. 花園近鉄ライナーズ

ただ、「(相手に)モメンタムを生むことを許してしまいましたが、一気に崩されず、最後までしがみつけたのはよかった」と勝因を口にした。
「ディフェンスでは頑張れました。相手のモメンタムをスローダウンさせることはできた」

ゲーム主将は、後半15分にCTBパトリック ステイリンが挙げたトライにつながるビッグゲインを見せた。しかし、セットプレーで圧力を受けて苦しんでいたFWを「頑張らせすぎた」。もっとBKが奮闘しないといけないと自戒を込めて言った。
苦しんで得た5勝目をきっかけにギアを上げたい。

ホストスタジアムで惜敗も、熱の入った声援を受けて戦ったブルーシャークスの仁木啓裕監督兼チームディレクターは、勝ち切れなかった悔しさと十分な手応えが入り混じった複雑な感情で「勝てた試合」と言った。

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「すべての部分で我々が上回っていました。負けた部分はひとつもなかった。長く上(ディビジョン1)で戦っていたライナーズさんの執念、気持ちがトライに結びつき、最終的に逆転されてしまった」
たくさんあったポジティブな内容を今後も発揮し続ける。

強固なスクラム、ラインアウト、そしてモールを軸に今季開幕から勝利を重ねてきた。
ブルーシャークスは、この日も強みを出して自分たちのペースを作った。スクラムで押し、精度の高いラインアウト。モールも押し込んだ。挙げた2トライも、得意な形からインゴールに入った。

FL安達航洋主将は、この試合に臨む前の選手たちの気持ちを、「全勝で近鉄と戦えると、チーム全体がワクワクしていました」とした。全員が同じ方を見て準備してキックオフを迎えた。
「気持ちが去年とは違いました。(相手を)格上と見ず(同等の)全勝同士。バチバチやり合うつもりで試合に臨めた。セットプレーもうちの方が強い。負けていない自信がありました」

それでも敗れた。
「セットプレーとフィジカルバトルでプレッシャーをかけていこうというゲームプランでした。前半からそれを遂行できた。でも(得点を)取れるところで取っておかないと、最後ああなる。相手は取れるところを取った。(勝敗は)その差」
勝利は手にできなかったが、さらに先へと進むエナジーは得た。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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