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ラクラン・ボーシェー(埼玉WK)
「リーグワンは1週間の準備で何か足りないことがあると難しい試合になる。それくらいタフなリーグです」。勝った埼玉ワイルドナイツ(埼玉WK)の坂手淳史キャプテンは、試合後、しみじみ語った。それほど難しい試合になったということだ。12月21日(日)、熊谷ラグビー場(埼玉県熊谷市)では、ディビジョン1・第2節、埼玉WK対浦安D-Rocks(浦安D)の試合が行われた。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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【45分ハイライト】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 第2節-5 埼玉ワイルドナイツ vs. 浦安D-Rocks
配信期間 : 2025年12月22日午後8:30 ~
午後2時31分、浦安DのSO田村煕のキックオフで試合は始まった。開始2分、浦安D陣深くから田村が蹴り上げたハイパントを、元オーストラリア代表FBで、194㎝の長身WTBイズラエル・フォラウが追う。埼玉WKの日本代表CTBディラン・ライリーが競り合い、競り勝ってキャッチ。埼玉WKのチャンスかと思われたが、ライリーが倒れたところに、浦安DのCTBで元日本代表のシェーン・ゲイツがボールを奪うスティールで反則を誘う。両チームの注目選手の交錯が激闘を予感させた。
竹山晃暉(埼玉ワイルドナイツ)
序盤は浦安Dが攻め込んだが、粘り強く守った埼玉WKが前半10分、ワンチャンスをものにする。浦安Dの反則で得たPKからSO山沢拓也がタッチキック。トライラインの約10m手前のラインアウトとなる。ここからモールを押し込んだ埼玉WKは、HO坂手淳史が左ショートサイドにボールを持ち出し、WTBマリカ・コロインベテにパスをつないでトライ。山沢が難しいゴールを決めて、7-0とした。続く15分には、埼玉WKがライリーの突進から攻撃を継続。右に左に大きくボール動かし、最後はFBトム・パートンが防御背後に転がしたキックをWTB竹山晃暉が確保してトライエリアへ。連続トライを決めた。その後は山沢が今季12本目のプレースキックを初めて外す。スコアは、12-0。
ボール争奪戦に激しくプレッシャーをかけ合い、拮抗した展開が続くが、前半21分、浦安Dもトライを返す。ラインアウトからの攻撃で、PRセコナイア・ポレがトライラインに迫り、NO8タマティ・イオアネがトライエリア右中間に体をねじ込んだ。田村煕がゴールを決めて、12-7。その後も激しくぶつかり合う展開のなか、浦安陣内のスクラムでの反則から、埼玉WKの山沢がPGを決めて、15-7。しかし、前半36分、山沢が肋骨のあたりを痛めて退場し、CTB長田智希が投入される緊急事態となる。前半終了間際には竹山の好タッチキックでチャンスをつかんだ埼玉WKがラインアウトのモールを押し込んで坂手がトライし、20-7として前半を折り返した。
ジャパンラグビー リーグワン2025-26(12月21日)
【D1 第2節 ハイライト動画】埼玉ワイルドナイツ vs. 浦安D-Rocks
後半開始早々、浦安Dは新鋭WTBケレブ・カヴバティのトライで20-12とすると、さらに各局面でプレッシャーをかけ続けた。対する埼玉WKは、完ぺきなパフォーマンスだった第1節とは違って、ミスや反則が多くなってしまう。それでも、後半8分には、ラインアウトのモールを押し込み、坂手がこの日2つ目のトライ。27-12とするが、浦安Dも17分、フォラウの突進で攻め込み、最後はCTBサム・ケレビがトライして27-19と互角の攻防が続いた。
齊藤誉哉(埼玉ワイルドナイツ)
残り20分も長く継続する攻防が多く、消耗戦となる。3トライ以上の差をつけるボーナス点を獲得しようと攻める埼玉WKだが、ハンドリングエラーが多くなって追加点が奪えない。ようやく追加点を挙げたのは後半28分、齊藤誉哉がPGを決めたもの。後半32分にもモールから坂手が3つ目のトライをあげて、37-19と突き放したが、スクラムで反則をとられ、ラインアウトもノットストレートがあり、完璧とは言えない試合内容だった。最後は激しい攻防に疲労がたまって自らタッチに蹴り出してノーサイド。ボーナス点は奪えなかった。
埼玉WKの金沢篤ヘッドコーチは「難しい時間帯をよく我慢した。勝利に値する努力があったと思います」と上手くいかないことが多かった中で選手の健闘をたたえた。坂手キャプテンは何度か反則を取られたスクラムについては、「僕のミス」と反省。しかし、「ゲーム全体としては、プレッシャーをかけることができたと思います」と話した。ミスの要因については浦安Dのプレッシャーを一つの要因にあげ、「SHがラックの後ろから蹴るときも、相手のLOがラックを押したり引いたり圧力をかけてきました。ああするとラックが短くなる。それでSHがキックチャージされていることもありました」と、浦安Dの間断のないプレッシャーを語った。
J SPORTS 放送情報
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【45分ハイライト】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 第2節-5 埼玉ワイルドナイツ vs. 浦安D-Rocks
放送日:2025年12月22日(月)放送時間:午後 8時30分~
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放送日:2025年12月22日(月)放送時間:午後 10時00分~
浦安Dの今季のスローガンは不屈の精神を込めた「Tough to Beat」だ。それを体現するようなパフォーマンスだった。グラハム・ラウントゥリーヘッドコーチは、選手の戦う姿勢を評価した上で、「ラグビーの基礎的なところに立ち返ってレビューしたい」と話した。ボール保持率は50%ずつの互角。地域獲得では60%と上回った。しかし、ペナルティーが埼玉WKの8に対して、15になったのは修正点だろう。その原因がなんだったのか。1週間の修正で次戦に臨む。浦安Dは、第3節(12月28日)、ヤマハスタジアム(静岡県)で静岡ブルーレヴズと対戦。埼玉WKは、同じく28日、相模原ギオンスタジアム(神奈川県)で三菱重工相模原ダイナボアーズと戦う。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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