人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

ラグビー コラム 2025年11月28日

優勝かかる東海大。流経大は全国切符を掴みたい。アタック力ある選手たちいろいろ。

ラグビーレポート by 田村一博
  • Line

 

関東大学リーグ戦1部の今季最終節が11月29日、30日におこなわれる。
すべてのチームにとって大事な、リーグ戦での最終戦。各チームがいろんなものを背負って戦う。

11月30日、秩父宮ラグビー場で11時30分にキックオフとなる東海大×流通経済大(以下、流経大)も、それぞれのチームにとって重要な試合となる。
リーグ首位を走る東海大にとっては2年ぶりの優勝がかかった試合。流経大は全国大学選手権への出場権をつかみにいく。

東海大は2023年度に関東大学リーグ戦初の6連覇を達成しながら、昨季は4勝2敗1引き分けで3位に沈んだ。その悔しさを胸に薄田周希主将(FL/NO8)を先頭に王座奪還の気持ちは強い。
2位の東洋大との勝ち点の差は4(34と30)。流経大に敗れたとしても7点差以内の敗戦でも優勝が決まり、引き分け以上なら文句なし。14度目の頂点となり、リーグ戦歴代最多の優勝回数となる(13回優勝で法大と同数だった)。

J SPORTS オンデマンド番組情報

前戦で昨季リーグ戦王者の大東大から8トライ、54得点を奪った東海大は、高い攻撃力を出して快勝した(54-21)。
この試合で目立ったのが、一人ひとりの選手の個性だ。接点でさらに強く前に出る者。スペース感覚に長けている選手もいた。FW、BKともバランスよく、そして力強くプレーした。

特に力強さを発揮したのがLOトゥポウ・ランギだ。東海大福岡から入学した1年生は190センチ、113キロの体躯を誇り、よく走って、パワー満点。今季5戦に出場し、すべて先発。そのうち4試合はフル出場を果たしている。
大東大戦で2トライを奪ったプレーからは、得点感覚の高さを感じさせた。モールからボールを持ち出すタイミングの良さを感じさせるプレーと、サポートからの得点にセンスの良さが見られた。

今季の全6戦で10番を背負ってきたSO北村光基は、チームメートの力をよく引き出す。最上級生、BKリーダーとしてゲームをコントロールしながら、自分の特徴であるスペース感覚もよく発揮する選手だ。緩急をつけた仕掛けやパス出しで周囲を走らせつつ、自分でも走る。
大東大戦の前半19分、敵陣でのスクラムから攻め、フェーズを重ねる途中、できたスペースを見つけてトライラインを越えた。持ち味が出たプレーだった。

堅実かつハードなプレーでチームを鼓舞する薄田主将とともに大黒柱となっているのがコンラッド・セブンスターだ。今季はCTBとして強さ、うまさの両面を見せ、ゴールキッカーとしても昨季同様チームに貢献している。
1年生の鬼頭慶、3年生のウェスリー・トンガで組むWTBも決定力がある。最終戦でも、近場、アウトサイドの両方を攻めるラグビーが見られそうだ。

流経大は勝つと3位が確定し、全国大学選手権への出場が決まる。前日に4位で、勝ち点差4の関東学院大日大と戦う。そこで関東学院大がボーナス点付きの勝利を手にしたら勝ち点で2点上回られて最終戦のキックオフを迎えることになる。
7点差以内の敗戦でも26点に並ぶことは可能も、関東学院大には直接対決で敗れているだけに次のステージに進めなくなる。『勝たなければいけない』の重圧を受けて戦うことになる。

そんな複雑な要素があるものの、池英基監督は「勝つことだけを考えて試合に臨む」と話す。LO福田拓人主将もその考えに同意。「自分たちのダイナミックラグビーを出し、気持ちの面で圧倒したい」と燃えている。

 

攻撃の中心となるのはNO8のティシレリ・ロケティだ。今季ここまでの全6試合に先発し、すべて80分プレーしている。責任感の強さがパフォーマンスに表れている。挙げたトライも10。頼りになる。

ロケティだけでなく、FWは力強い。土屋英慈、長田士導の両PRは不動。HOの土井雄斗、土方倖矢コンビも安定感がある。セカンドローにはここまで全試合で4番を背負ってきた福田主将がおり、プレーとコミュニケーション力で仲間たちを束ねる。
東海大戦では1年生の益田遥眞と3年生の豊田晃清でFLを組み、質の高いプレーをする佐藤椋介が後半から出てチームにインパクトを与えそうだ。

BKでは久々復帰のアンドリュー・ヘイウォードと加藤アディナンがCTBでコンビを組み、パワーのある東海大の勢いを止めるつもりだ。
SH幸妻怜治のテンポのいいパスワークで相手ディフェンスを動かし、できたスペースを突いて出るイメージも持っている。

直近の2年はいずれも東海大が勝っているカードではあるが、昨年は24-21、一昨年は34-31と、僅差の競り合いが続いている。
今回も好ゲームとなりそうだ。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ