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ラグビー コラム 2025年11月21日

順位争いの鍵を握る伝統の定期戦。ルーツ校慶大が早大に挑む

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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大正11年から続く伝統の早慶戦は今年で102回目となる。歴史を繋いできた戦いは、この一戦そのものに価値があるのだが、今年は、関東大学対抗戦Aの順位争いの鍵を握る試合となった。現在、首位に立つのは、11月16日に帝京大を逆転で下した明大だ。5勝1敗の勝ち点30で、12月7日の早明戦を残すのみ。2位は勝ち点27の帝京大(4勝2敗)、早大は勝ち点26(4勝1敗)で3位。4位筑波大(勝ち点22)、5位慶大(勝ち点20)と続く。

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明大は早明戦に勝てば1位。帝京大は11月30日の慶大戦に勝てば最大33点になり、あとは他チームの結果待ちとなる。筑波大も連勝して勝ち点を最大限獲得すれば34点になるので、1位になる可能性がある。早大は残り2試合に連勝すれば1位になるが、連敗すれば3位以下になる可能性があり、慶大を破って対抗戦1位で大学選手権進出への足がかりとしたい。一方、慶大は早大、帝京大戦を残しており、最大32点まで伸ばすことができる。順位争いのなかで重要な存在だ。前節の明大戦では、22-24という僅差勝負を落としたが、残り2試合でその悔しさを晴らしたい。

 

早大は11月2日、帝京大に20-25という敗北を喫した。痛恨のミスが多く、「アンラッキーでも(トライを)取られちゃいけない。自分たちのミスで敗戦になりました」と、野中健吾キャプテンも悔しそうだった。その試合では日本代表のヨーロッパ遠征に参加していた矢崎由高(3年)が不在だった。その矢崎の復帰は何よりも大きい。個人技で突破口を作ることができ、トライまで取り切るランニングスキルの高さは得点力を大幅に上げる。キック力もあり、SO服部亮太(2年)と2人のロングキッカーがいることで、陣取り合戦でも優位に立つことができる。帝京大戦からのメンバー変更先発15人では矢崎のみ。CTB野中健吾キャプテン(4年)、HO清水健伸(3年)、FL城央祐(2年)、田中勇成(4年)、NO8粟飯原謙(4年)ら攻守に運動量の多い不動のメンバーが並ぶ。

 

一方、慶大は明大戦から先発で3名の変更がある。HOは渥美和政(4年)が先発し、先発だった藤本貴大(3年)はリザーブへ。13番のCTBは、小舘太進(4年)に代わって1年生の安西良太郎が入り、WTBも江頭駿(4年)に代わって小野澤謙真(2年)が先発。スピードある2人がアウトサイドバックスに揃った。

「自分たちの型を持ってチーム作りをする大学が多く切磋琢磨できている。それが対抗戦の良さ」とは、早大の大田尾竜彦監督の言葉だ。昨年の早慶戦は早大が57-3という快勝で、そのまま全勝で対抗戦を制した。今季も早大優位の下馬評だが、慶大としては、早大のテンポの速い攻撃を寸断するためにもブレイクダウン(ボール争奪局面)にプレッシャーをかけ続けたい。スクラム、ラインアウトも含め、早大の攻撃起点をいかに乱せるか。デイフェンスで粘ることができれば勝機はある。序盤にどちらが主導権を握るのか、目の離せない立ち上がりになる。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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