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ラグビー コラム 2025年11月18日

【ハイライト動画あり】東洋大学、ラストプレーで決勝トライ。大学選手権出場を決める。ラグビー関東大学リーグ戦

ラグビーレポート by 東洋大学スポーツ新聞編集部
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勝ち越しのトライを決め、抱き合う選手たち

鉄紺が紙一重の差で勝ち抜いた。

11月16日(日)『小田原市城山陸上競技場』で、関東大学リーグ戦第6節の東洋大学vs.流通経済大学の試合が行われた。序盤は東洋大が2連続トライで幸先よくスタートするも、その後は苦しい時間が続き、同点で試合を折り返す。

続く、後半も拮抗した展開が続き、互いに1トライずつ挙げ、同点で迎えたロスタイム。ラストプレーでFB(フルバック)池渕紅志郎(2年)が、決勝トライを決めて最終スコアは40-33。勝ち点を30として大学選手権への出場権を獲得。リーグ初優勝の可能性を最終節につないだ。

ラグビー 関東大学リーグ戦2025

流経大のキックオフで始まった今試合。開始早々、東洋大が一気に攻め立てる。流経大のペナルティにより、敵陣でのラインアウトからモールを展開。SH(スクラムハーフ)佐々木健人(4年)の的確なパスさばきで徐々にインゴールへ近づいていく。

すると5分、右サイドからWTB(ウイング)浅尾至音(3年)が3枚のディフェンスをかわして先制トライを挙げた。再開後も主導権を握ったのは東洋大。ディフェンスの壁が崩れるほどのハイテンポでボールを回していき、9分にWTB中山二千翔(2年)がラインを割って12-0とする。

ここまで試合の主導権を握ってきた東洋大だが、その流れは一気に崩された。再開後、東洋大のノックフォワードにより自陣スクラムを与えると、流経大のNO8(ナンバーエイト)ティシレリ・ロケティ(4年)の突破を阻止することができず、反撃の口火となる1本を献上する。

この得点を合図に、流経大のアタックは一気に加速した。19分には東洋大のノットロールアウェイにより、自陣深くでの相手ボールラインアウトからモールで押し切られ、12-14と逆転を許す。さらに24分、28分と立て続けにトライを奪われ、12-26。あっという間に2トライ差までリードを広げられてしまう。

ラグビー 関東大学リーグ戦2025

【ハイライト動画】流通経済大学 vs. 東洋大学(11月16日)

しかし、ここから東洋大が意地を見せた。中山が左足で蹴り上げたボールに流経大が対応しきれずタッチを割り、一気に流れを引き寄せる。34分、自陣深くでの流経大のペナルティにより、タップキックで素早く攻める。最後はFL(フランカー)森山海宇オスティン(4年)がラインをたたき割った。

前半終了間近、同点トライを決めた天羽進亮

さらに前半ロスタイムの43分には激しい攻防が続く中、CTB(センター)天羽進亮(4年)がディフェンスのギャップを突いて、26-26。同点で前半が終了した。

試合は振り出しに戻り、後半戦が始まった。先に流れをつかんだのは流経大。15分、東洋大のペナルティで好機をつかまれ、勝ち越しのトライを許す。

以降は膠着状態に入った。勢いづく流経大に再びインゴール間近まで攻め込まれ、苦しい時間が続くが、規律あるディフェンスでラインを堅守し続ける。その粘りが、ついに流れを変えた。31分、自陣でボールを奪い返すと浅尾がラインブレイク。これを起点に東洋大は攻撃に転じた。

36分、ラックからSH(スクラムハーフ)佐々木健人(4年)が素早くボールを出すと、天羽を経由して井戸川ラトレル(1年)へ。すぐさま梅木颯斗(2年)、ナモア・ファタフェヒ(3年)へとつなぎ、井戸川にボールを受け直した。その間に相手のディフェンスが大きく崩れ、生まれたギャップを力強く突き抜けて右中間にトライ。再び同点に並ぶ。

試合はロスタイムに突入。東洋大が敵陣で圧力をかけ続けるも、ボールを奪われ、流経大に攻撃権が渡ってしまう。

掲示された3分はすでに消化され、ラストプレー。東洋大がフェーズを重ねながら、勝負の瞬間をうかがい、ボールは左サイドに構えていた池渕へ。「自分がいくしかない」と覚悟を決めた池渕が、ディフェンスに追われながらも逃げ切って勝ち越しを決めるトライ。前節で取り切れなかった「最後の一手」を、今節は勝利への執念で押し込んだ。

コンバージョンも自ら沈め、最終スコアは40-33。ラストプレーで試合を決めた鉄紺が、紙一重の攻防を制した。

大学ラグビー

「1点差での負けを経験して、自分たちが(トライ)を取り切るという気持ちが、より強いものになった。全員が声を出して、全員がボールを受けとる気で走っていたから最後のトライにつながった」。試合後、池渕はこう語った。

前節は東海大との大一番で痛恨の1点差負け。その悔しさは全員の胸に深く刻まれ、この2週間で東洋大は確かに変わっていた。

特に変化が感じられたのは気持ちの部分。「今回は前節よりも最後まで取り切る気持ちをみんなが持っていた」とNO8ステファン・ヴァハフォラウ主将(4年)が語るように、ピッチ内外では流れが悪い時間帯も前向きな言葉が飛び交っていた。

そしてその執念は最後の最後で形となって表れた。自陣での苦しい時間を耐え、チャンスを逃さず、ラストプレーでトライを取り切る。前節の悔しさを乗り越え、つかむべき勝利をつかみ切った一戦だった。

次節は11月30日(日)、大東文化大学との最終節に臨む。勝ち切る執念を持った鉄紺が、リーグ戦最後の80分を全力で駆け抜ける。

文/写真:北川未藍(東洋大学スポーツ新聞編集部)

東洋大学スポーツ新聞編集部

2001年(平成13年)創刊。東洋大学における唯一の学生新聞部。
体育会所属の部活動を対象に、取材を行い、紙面・Webサイトを通じて情報を発信。一人ひとりの挑戦やチームの歩みに光を当て、大学スポーツの魅力を発信することを目指して活動している。

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