【ハイライト動画あり】東海大、大東大を破って6連勝 リーグ戦王座奪還へ前進

　

11月15日（土）、快晴の城山陸上競技場（小田原市）では、関東大学リーグ戦1部第6節、東海大対大東文化大の試合が行われた。この日は小田原産の相州みかんが来場者に配布され、観戦チケットの半券で小田原駅周辺のお店が割引になるサービスもあった。強い日差しが緑の芝生を輝かせる午後1時、東海大のキックオフで試合は始まった。5戦全勝（勝ち点28）で首位を走る東海大に対し、大東大は昨年の王者ながら2勝3敗（勝ち点13）で5位。負ければ大学選手権出場の望みが絶たれる崖っぷちの戦いだった。

立ち上がりはお互いに地域獲得を意識してキックの応酬となる。先制トライをあげたのは東海大だった。相手の反則によるアドバンテージのなかで、SO北村光基（4年）が右タッチライン際のWTBウェスリー・トンガ（3年）にキックパスを送る。トンガは大東大陣22mライン付近で両手を伸ばしてキャッチすると、サポートしたLOトゥポウ・ランギ（1年）にパス。ランギが前進しながらパスを出すと、再びトンガがキャッチし、タックルされながら体を反転させてトライ。CTBコンラッド・セブンスター（3年）のゴールも決まって、7－0とする。

2つ目のトライは。前半19分だった。優位に立つスクラムで押し込んで反則を誘い、アドバンテージの中で連続攻撃。ディフェンスのギャップを北村がついて、ポスト下へ駆け込む。ゴールも決まって、14－0。25分には大東大陣深く攻め込んだ右のラインアウトからモールを組んだ瞬間に右のショートサイドをランギが走ってそのままトライ。19－0とした。

大東大にとって不運だったのは、前半15分、SOとしては今季初先発の伊藤和樹キャプテン（4年）が右足を痛めて退場したことだ。「和樹はコンディション不良で今季満足にプレーできていませんでした。SOとしてプレーさせてやりたかったので残念」（酒井宏之監督）。しかし、大東大は伊藤を交代した松井颯汰（4年）、WTB大方維織（2年）の好タックルで流れを変えると、33分、WTB山田真生（2年）が相手のパスをインターセプトして約40mを走り切ってトライ。FBタヴァケ・オト（4年）のゴールも決まって、19－7と差を詰める。

「キックでエリアを取るべきだったのに、前のめりになって中盤で攻めてしまった」と、東海大FL薄田周希キャプテン（4年）。全員が同じ絵を見られずに苦しむ時間帯もあったが、試合の流れは渡さなかった。前半終了間際、LO中村太志朗（3年）の突進でトライラインに迫り、CTB古屋健太朗（4年）がトライすると、後半2分にもセブンスターがトライし、33－7と突き放した。その後も着々と加点、ノーサイド直前に大東大にスクラムで圧力をかけられ、CTB小澤匠（2年）にトライを許したが、54－21で快勝した。プレーヤー・オブ・ザ・マッチは、ロングキックで陣地を進め、力強い突進でも攻撃の軸になったコンラッド・セブンスターが受賞。モスト・インプレッシブ・プレーヤーには、大東大HO大西樹（4年）が選ばれた。

「リーグ6戦目になり、スタンダードを崩さずにゲームをすることが目標でしたが、形を崩してプレーしているところが散見されました。勝って反省できるので次につなげたいと思います」（木村季由GM兼監督）。薄田キャプテンは「意思統一できていないプレーでミスし、トライされました。最終戦は大学選手権につながる試合でもあり、あと2週間、いい準備をしていきたいです」と話した。

5連勝の東海大は勝ち点を34に伸ばし、依然として独走を走る。2位につける東洋大の勝ち点は30。11月29日（土）、30日（日）に行われる最終節を残して、優勝はこの2チームに絞られた。東海大は30日、3位につける流通経済大（勝ち点24）と、東洋大は大東大と対戦。両試合ともに秩父宮ラグビー場で行われる。

文：村上 晃一