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優勝争いの大本命・東海大学に対し、競り負けた一戦から約2週間。気持ちを切り替えた東洋大学は11月16日(日)、『小田原市城山陸上競技場』で関東大学リーグ戦第6節・流通経済大学との試合に臨む。
3日に行われた東海大学との試合では、わずか1点差をひっくり返すことができず、悔しさをかみしめた。敗因として浮かび上がったのは、攻撃時の決定力の欠如とゴールラインを守り切る場面での甘さ。
攻撃では前半、東洋大がエリアを獲得し、敵陣でのプレーに持ち込んでいる中、何度も好機が訪れながらも、相手のディフェンスに苦しめられたことでトライを2度に抑え込まれていた。
一方のディフェンスでは「自分達のゴールラインを守るというところがちょっと甘かった」と、NO8(ナンバーエイト)ステファン・ヴァハフォラウ主将(4年)は振り返る。
東洋大はトライまでに時間をかける展開が続いていたのに対し、東海大は即反撃ともいえる決定力を見せた。
実際、東海大は東洋大がトライしてから10分以内にトライを取り返した回数は3度。特に前半43分のトライは、東洋大が40分に得点したわずか3分後の即応で、試合の流れを渡さない切り返しの鋭さが感じられた。
一方で、東洋大が10分以内に取り返したのはロスタイム中の1度のみ。この反撃の速さの差が、結果に大きく影響していた。
この中で浮き彫りになったのは、やはりゴールラインを守り切る場面での甘さ。前節で突きつけられた課題は、単なる反撃の差だけでなく、守備の精度にこそ表れていた。こうした反撃の速さや守備の課題を踏まえ、東洋大は今節、どのような布陣で挑むのか。鉄紺の精鋭たちに目を向けたい。
先発でのメンバー変更は1人のみ。6番にFL(フランカー)金井悠隼(3年)が開幕節ぶりに先発し、FLナモア・ファタフェヒ(3年)がリザーブに回った。
リザーブでは新たな顔ぶれが名乗りを上げている。リーグ戦初メンバー入りとなったのは171cm114kgと馬力十分のPR(プロップ)宗形神羽(4年)。さらに、186cmの長身を生かした豪快なプレーを持ち味とするLO(ロック)アルメイダ聖(1年)、ランスキルのあるWTB井戸川ラトレル(1年)もメンバーに名を連ねた。
前節の反省を踏まえ、まずは守り切る土台を再構築したい一戦。彼らがこの2週間でどれだけ修正ができているかがカギである。
対する流経大は東洋大と同じく4勝1敗。昨年の対戦カードでは、27-24と3点差で制している相手だが、東洋大が1部昇格後から接戦となっているチームであり、油断は決して許されない。
流経大の強みといえばアタック力。FW(フォワード)、BK(バックス)関係なく、ボールを持てば、どこからでも攻撃を仕掛けるチームだ。
注目の選手はNO8ティシレリ・ロケティ(4年)、WTB(ウイング)加藤アディナン(3年)。ともに突破力を持つ攻撃手であり、東洋大にとっては前節で課題に挙げた「ゴールラインを守り切ること」ができるかどうかが問われるだろう。
キーマンのFB池渕紅志郎
その流経大に対し、東洋大のキーマンとなるのはFB(フルバック)池渕紅志郎(2年)だ。タックルを持ち味としており、実際に前節では鋭いタックルで、相手をひっくり返すような場面もあった。「最後の砦」と言われるポジションでチームの生命線を支える役割を果たしている。
もちろん、ディフェンスはひとりの働きでは完結しない。横との連係も不可欠だ。カギを握るのは、個の強さとチームとしての守備をどれだけ両立できるか。池渕のタックル精度と、組織としての連係がかみ合えば、流経大の持ち味である連続攻撃も封じられるはずだ。
いよいよ終盤を迎えた関東大学リーグ戦。前節で突きつけられた課題を、今節でどう乗り越えるのか。東洋大の真価が問われる一戦が、まもなく始まる。
文/写真:北川未藍(東洋大学スポーツ新聞編集部)
東洋大学スポーツ新聞編集部
2001年(平成13年)創刊。東洋大学における唯一の学生新聞部。
体育会所属の部活動を対象に、取材を行い、紙面・Webサイトを通じて情報を発信。一人ひとりの挑戦やチームの歩みに光を当て、大学スポーツの魅力を発信することを目指して活動している。
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スポトウ|東洋大学スポーツ新聞編集部
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