【ハイライト動画あり】京産大、後半5トライの猛攻。春のリベンジ果たして3連勝

　

10月12日（日）、新装なった京都・宝が池球技場で開催された「2025ムロオ関西大学ラグビーAリーグ」第3節は、2試合とも白熱の展開となった。第1試合では関西学院大が摂南大との僅差勝負を制し、第2試合は京都産業大が春季トーナメント決勝で敗れた因縁の相手・立命館大と対戦した。

午後2時、京産大ボールのキックオフ。開幕連勝スタートで波に乗る京産大は立ち上がりの立命大の猛攻を防ぐと、前半11分、相手のミスを誘うディフェンスから切り返し、NO8シオネ・ポルテレ（4年）がタックラーを弾き飛ばして左コーナーにトライ。SH高木城治（3年）が難しいゴールを決めて、7－0とリードする。

しかし、立命大もポルテレを一発のタックルで倒し、京産大CTB奈須貴大（4年）の突進をダブルタックルで押し戻すなど、力強いプレーを連発。ハイパントを多用しながら攻め、相手がファンブルしたところに走り込んだWTB三浦遼太郎（3年）がボールを確保してトライラインに迫る。その後も攻め続けたが、ボールを押さえることができず、チャンスを逸する。

京産大は32分、立命大ゴール前のラインアウトからモールを押してトライラインに迫り、右オープンに展開して、FB宮里快一（2年）がトライ。高木がゴールも決めて、14－0とした。その後、京産大CTBナブラギ エロニ（3年）がハイタックルでイエローカードを受け、10分間の一時退場になる。14人の京産大に対して、前半終了間際、立命大はラインアウトからモールを押し込み、最後はHO大本峻士（4年）がトライ。14－7として前半を折り返した。

後半に入っても拮抗した展開が続く。後半2分、京産大の奈須がトライをあげると、6分、立命大もSO初田航汰（4年）がトライを返し、高木と立命大CTB藤原洋斗（4年）がともにゴールを決めて、21－14。13分、京産大が高橋凜之介（2年）のトライで28－14とすると、15分、立命大も三浦がトライを返す。このゴールは決まらず、28－19の9点差。勝敗を決めたのは、京産大のお家芸ともいえる後半31分のトライだった。

後半29分、京産大陣内に5mほど入った右隅のスクラムで立命大が膝をつく反則。このPKからFB宮里が左足を振り抜くと、ボールはぐんぐん伸び、右コーナー直前でタッチラインを割る。このスーパーキックでチャンスのラインアウトを得た京産大は、ここで身長188cm、体重112kgのシオネ・マヘ（2年）を投入。後半の途中からHOの位置に入っていたFL平野龍（4年）が投げ入れたボールを、マヘがキャッチしてモールを作る。マヘはモールの中央でぐいぐい前に出て推進力となり、最後尾にいたPR八田優太（3年）がトライをあげた。スクラム、タッチキック、ラインアウト、モール。強みを最大限に生かしての決勝トライだった。

その後も両チームがトライを追加したが、最終スコアは47－24。京産大は3トライ差をつけるボーナス点5も獲得し、ここまで3試合での勝ち点を、満点の15とした。ただし、ハンドリングエラーなどミスは多く、ラインアウトも不安定。課題は少なくない。一戦ごとに精度を上げることが求められる。プレーヤー・オブ・ザ・マッチには、再三、ラインブレイクした奈須貴大が選ばれた。

敗れた立命大は3連敗。いまだ7点差以内の負けに与えられるボーナス点も獲得できていない。キャプテンの島正輝（4年）、BKリーダーのWTB御池蓮二（4年）、FL小山虎汰朗（4年）など主力に負傷者が多く苦しい戦いが続くが、全国大学選手権出場枠の3位以内を巡る戦いは混戦模様。3敗でも可能性は十分にあり、巻き返しに期待したい。

文：村上 晃一