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ラグビー コラム 2025年7月14日

【ハイライト動画あり】「本当に悔しい」。リーチ マイケルキャプテン。日本代表、ウェールズ代表からの連勝ならず。

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ディラン・ライリー

「本当に悔しい」。リーチ マイケルキャプテンは開口一番に言った。勝てる流れを作りながら好機をつかみきれなかったからだ。伝統国ウェールズからの初の連勝という歴史的快挙は手のひらからこぼれ落ちた。一方で、ウェールズは2023年から続いていたテストマッチ(国代表同士の試合)の連敗記録を18で止めた。前任のウォーレン・ガットランドの後を引き継ぎ、「連敗ストップ」を最優先に強化にあたってきたマット・シェラット暫定ヘッドコーチは、サポーターの歓喜の表情を見ながら感極まった。

リポビタンDチャレンジカップ2025 ラグビー日本代表テストマッチ第2戦は、7月12日(土)、兵庫県のノエビアスタジアム神戸にて行われた。前週のミクニワールドスタジアム北九州は、海風もあって直射日光があたらない客席は快適だったが、開閉式の屋根を閉めてのノエビアスタジアム神戸は風がなく、まとわりつくような蒸し暑さだった。

午後2時50分、日本代表SO李承信のキックオフで試合は始まった。戦略的キックを蹴り合いは、酷暑のなかで体力を消耗しない戦いのようにも見えた。前半9分、ウェールズが先制する。ウェールズ陣で日本がいったんターンオーバーに成功したが、すぐにボールを奪い返し、CTBベン・トーマスからボールは走力のあるFBブレア・マレーへ。マレーがディフェンスを突破して日本陣深く入ると、ベテランのWTBジョシュ・アダムスにパスを送り、そのままトライ。SOダン・エドワーズのゴールも決まって、7-0とリードした。

中楠一期

日本代表も攻撃をテンポアップしようとするが、滴る汗もあってハンドリングエラーが連続する。前半20分には、FB中楠一期が左タッチライン側で抜け出し、WTBハラトア・ヴァイレア、FLリーチ マイケルとつないだが、サポートが遅れ気味でトライにつながらなかった。24分、李のPGで7-3とした日本代表だが、28分、36分とトライを奪われ、21-3と差を広げられてしまう。

リポビタンDチャレンジカップ2025 ラグビー日本代表強化試合

【ハイライト動画】日本 vs. ウェールズ(7月12日)

竹内柊平

ここでエディ・ジョーンズHCが手を打つ。FW第一列の3人を一気に交代させたのだ。「勢いを失っているときは、何かを変えないといけない」。PR紙森陽太、HO原田衛、PR為房慶次朗に代わって、PR木村星南、HO江良颯、PR竹内柊平が入ると、スクラムでウェールズのPKを誘い、タッチキックからウェールズ陣深くのラインアウトを得た。その後の攻撃から竹内が代表初トライを奪う。歓喜のスタジアム。見事な采配で点差は21-10と詰まった。後半も先にウェールズにPGを決められたが、19分、LOワーナー・ディアンズがキックをチャージしてチャンスを作り、最後もワーナーがトライ。24-15とした。そして、後半22分、ウェールズのバックスラインのパスミスをCTBディラン・ライリーが拾って独走。大歓声のなかでトライゾーンに飛び込み、李のゴールも決まって、24-22と2点差に迫った。

観客席は逆転の期待感に盛り上がったが、第1戦の再現とはいかなかった。ウェールズは慣れない蒸し暑さのなかで粘り強く戦った。「この1週間、話し合ってきたことは、残り20分に何をするか。ボールを大切にして、勇気をもって戦うということだ」(シェラットHC)。自陣から攻める日本はミスキックもあって相手陣に入ることができず、ウェールズがもう1トライを加えて、31-22。そのままノーサイドとなった。

エディ・ジョーンズHCは、ウェールズの勝利を祝福した上で、「ベストなパフォーマンスはできなかった。ラグビーは一つひとつの競り合いがあって成り立つゲームですが、優位に立てるはずのスクラムで実力を発揮できず、空中戦は圧倒された」と振り返った。空中戦、キック戦略は大きな課題として残った。リーチキャプテンは「2試合連続で試合のスタートの部分の改善をしないといけないと思いました。連戦で勝つことの難しさはチームとして感じました。ディフェンスも課題です。本当に悔しいですが、これで終わりではないし、成長していきたい」と語った。

日本代表の次戦は、8月30日、ユアテックスタジアム仙台(宮城県)でのカナダ代表戦となる。パシフィックネーションズカップ2025は、日本、カナダほか、アメリカ、トンガ、サモア、フィジーが参加。日本代表はカナダ戦の後、カリフォルニアに渡ってアメリカ代表と戦い、その後の順位決定戦に臨む。

文: 村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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