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北九州での歓喜の勝利から1週間。リポビタンDチャレンジカップ2025 ラグビー日本代表テストマッチ第2戦が、7月12日(土)、兵庫県のノエビアスタジアム神戸で行われる。ウェールズ代表からの12年ぶりの勝利は国際舞台の経験が少ない日本代表選手に自信を植え付けた。しかし、不用意なミスや反則も多く、ハイボールのキャッチも精度が低かった。このあたりの課題を改善できれば、ウェールズ代表からの初の連勝が見えてくる。第1戦同様、スクラム、ラインアウトを安定させ、激しく前に出るディフェンスを続けたい。
メンバーは、第1戦から先発で5名の変更がある。FWの変更は2名。右PRは竹内柊平から為房慶次朗に交代。竹内はリザーブ席からのスタート。NO8はファカタヴァ アマトからマキシ ファウルアに。BKではフランスのトップ14でプレーしていた齋藤直人が9番で先発。第1戦で出色のパフォーマンスだった藤原忍はリザーブへ。WTBはマロ・ツイタマに代わって先週は途中出場でトライをあげたハラトア・ヴァイレア、怪我のFB松永拓朗は欠場し、同じく途中出場でトライをあげたFBで中楠一期が先発する。そして、リザーブには、サム・グリーン、植田和磨が入った。
中楠は「僕は10番で主にプレーしてきたので、僕が入る利点はドライバー(プレーメイカー)が2人になることです」と話していた。SO李承信と2人でBKラインを動かし、効果的なキックを使って地域取りでも優位に立ちたい。サム・グリーンはSOとFBをカバー。植田和磨は出場すれば初キャップ獲得となる。
7月10日(木)の記者会見で、エディ・ジョーンズヘッドコーチは、「勝ちたいと思っているからこそのメンバー構成です」と話した。フランスから帰国した齋藤直人は当初の予定通り2戦目で先発するが、1戦目で動きの良かった藤原忍については次のように語った。「勝つためには、前半の入りも後半の残り20分も大切です。藤原には元気な状態で入ってインパクトを与えることを期待しています。これは竹内についても同じことが言えます。齋藤はフランスで自信をつけ、ラグビーの知識も蓄えてきた。経験値を、リーチとともにチームにもたらしてほしい。そして、素早いパスワークと戦略的キックなど彼らしくプレーしてほしいです」
また、NO8にマキシを起用することについて、アマトに怪我があったことも理由にあげた上で、「マキシはキャンプの序盤に怪我をしましたが、100%の状態まで戻してくれました。リーグワンでのプレーも素晴らしく、ワークレートの高さ、ボールキャリーも素晴らしい」と期待を込めた。キャプテンのリーチ マイケルは、「若いチームなので成長を続けることが大切です」とコメント。「第1戦は結果的には勝ちましたが、ベストなディフェンスができたとは言えない。それは選手たちが感じていることです。まだまだ力が出せると思っているし、早く試合をしたいです」。
対するウェールズは、テストマッチ18連敗で世界ランキングは過去最低の14位まで下がった。北九州での試合後、デヴィ・レイクキャプテンが「それなりの部分をコントロールできていたのに勝てなかった」と唇をかんだように、前半はリードを奪いながら、後半序盤のチャンスでトライを取れずに失速した。
連敗を止めたいウェールズは、第1戦から先発で4名のメンバー変更。右PRは、8キャップ目のアーチー・グリフィン(23歳)が先発。第1戦で開始直後に脳震盪で退場したLOベン・カーターは帰国し、4キャップ目となるフレディ・トーマス(23歳)が先発する。ベテランNO8タウルペ・ファレタウはコンディション不良で欠場し、アーロン・ウェインライト(58キャップ)が出場。プレーメイカーのSOは3キャップ目となるダン・エドワーズ(22歳)の先発が決まった。「少し新鮮味を出したかった。だからダン・エドワーズを10番に起用する。彼はこの3週間、素晴らしいトレーニングをしてくれたし、シックスネーションズでも良いパフォーマンスを見せていた」(マット・シェラットヘッドコーチ)。
シェラットHCは第1戦終了後に言っている。「この悔しさをすぐに次の試合への燃料に変えなければなりません。このツアーが素晴らしいのは、次の試合でこの結果を取り返すチャンスがあることです」。そして、第2戦の課題については次のように話している。「今週の最大の課題は、前回の良いプレーを再現すること。そして最後の20分でラインアウトからの攻撃をより効果的にし、試合展開をコントロールすることです」。長らく世界のラグビー界をけん引してきた伝統国として日本代表に連敗することはできない。一方、日本代表はティア1カントリーから初の連勝という歴史を作るチャンスだ。立ち上がりから互いの闘志が激しくぶつかり合うだろう。
文: 村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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