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ラグビー コラム 2025年6月30日

【ハイライト動画あり】ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、 オーストラリア遠征第一戦でウェスタン・フォースに快勝

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ヘンリー・ポロック

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの12年ぶりとなるオーストラリア遠征が始まった。今回はオーストラリア代表とのテストマッチ3戦を含む9戦が予定されている。まずは、スーパーラグビー・パシフィックに参戦する4クラブと順に対戦。その初戦が西オーストラリアのパースを本拠地とするウェスタン・フォースだった。

6月28日(土)、オプタススジアムには、46,656人の観客が集った。これはフォースにとってクラブ史上最多となる観客数だった。12年前は、ライオンズに17-69で大敗したフォースは、キャプテンを務めたSHニック・ホワイトをはじめ現在のオーストラリア代表スコッドから6名を先発させ、歴史的勝利に向かって全力でライオンズに立ち向かった。

現地時間の午後6時、ライオンズ・ボールのキックオフ。先制トライを奪ったのは、ライオンズだった。スコットランドのファンタジスタ、SOフィン・ラッセルのキックパスをこの日キャプテンを務めたHOダン・シーハン(アイルランド)が右タッチライン際でキャッチしてすぐに内側にいたWTBジェームズ・ロウ(アイルランド)に折り返す。ロウはタックルを受けながらタッチラインぎりぎりで背面パスをシーハンへ送り、シーハンがトライエリアに走り込んだ。ラッセルのゴールも決まって、7-0。

その直後、フォースはキックオフのボールをWTBディラン・ピエッチが走り込んでキャッチし、チャンスを作る。連続攻撃でトライラインに迫ると、最後はホワイトがラックサイドを突いてトライ。ホワイトは12年前、ケガでライオンズとの試合に出場するチャンスを逃していた。35歳のベテランの意地のトライでスタジアムは大いに沸いた。FBベン・ドナルドソンが難しい角度のゴールを決めて、7-7。以降も7割以上のボール保持率で攻めるフォースだが、ライオンズも前週の壮行試合でアルゼンチンに敗れており、連敗はプライドが許さない。CTBガリー・リングローズ(アイルランド)らが激しいタックルで応戦する。

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ2025 オーストラリア遠征(6月28日)

【ハイライト動画】B&Iライオンズ vs. フォース

ライオンズの2つ目のトライは、前半15分のことだった。FLジョシュ・ファンデルフリアー(アイルランド)のオフロードパスを受けた20歳のNO8ヘンリー・ポロック(イングランド)が抜け出すと、相手選手と味方選手の位置を確認しながらトライラインに迫り、タックルされて倒されたが、冷静にパスを浮かして、SHトモス・ウィリアムズ(ウェールズ)のトライを引き出した。ラッセルのゴールも決まって。14-7。チーム最年少のポロックは試合を通してエネルギッシュにプレーし続けた。

アルゼンチン代表戦から先発15名中FW7名、BK6名と13名を変更したライオンズは、シーハンやLOジョー・マッカーシー、FLタイグ・バーンら15人中8名を並べたアイルランド勢を軸に試合を支配。BKラインは、SOラッセル、CTBシオネ・トゥイプロトゥのスコットランドコンビを中心にコントロールした。前半35分には、フォース陣内深くで得たPKから、ラッセルが速攻を仕掛け、FBエリオット・デイリー(イングランド)がトライを奪う。ラッセルはタッチキックをしようとしていたが、フォースのディフェンスの緩慢な動きを見逃がさなかった。スコアは、21-7となる。

ライオンズは、前半終了間際にフォースに攻め込まれたが、トライエリアでボールを押さえさせず、そのままハーフタイム。後半に入ると、疲れの見えるフォースのミス、反則からライオンズがチャンスをつかむ。後半6分、フォースのノックフォワードでこぼれたボールを自陣からつなぎ、ウィリアムズがこの日2本目のトライ。後半11分にはデイリーらが細かくパスをつないでリングローズがトライ。33-7として、ほぼ勝敗は決した。13分には、ポロックが自ら蹴ったショートパントをキャッチするスキルの高さを披露し、最後はプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたマッカーシーがトライ。最終スコアは、54-7。ライオンズの個人技、決定力が光る内容だった。

ようやくライオンズとの対戦がかなったニック・ホワイトは、試合後、次のようにコメントしている。「僕らも最初から飛ばしたけど、あの強度を80分間維持するのは無理だった。50分間は全力を尽くして、本当に楽しく、激しくぶつかり合えた。北半球のベストと真っ向勝負して挑戦を楽しんだ。すごく良い時間だった」。一方、ライオンズのアンディ・ファレルヘッドコーチは「ツアーのスタートとしては最高だった」と話した。「フォースはPGを狙わず、ボールを生かし続けた。嬉しかったのは、ライオンズの選手たちが相手の勢いに耐え抜いて戦い、それを乗り越えることができたということだ」。ライオンズは7月2日、ブリスベンを本拠地とするレッズを戦う。

文: 村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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