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ラグビー コラム 2025年6月27日

12年ぶりのオーストラリア遠征スタート!ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、初戦はウェスタン・フォースと激突

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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英国4協会のスター軍団ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは、4年に一度結成され、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの南半球3強国を順番に回っている。今回は12年ぶりのオーストラリア遠征となり、6月28日(土)、その初戦に臨む。先週はアイルランドのダブリンで行われた壮行試合でアルゼンチンに24-28で敗れたが、チームが結成されたばかりで息の合わないプレーが多かった。遠征を通じて強くなっていくのがライオンズの伝統でもあり、オーストラリア代表とのテストマッチに向け、一戦ずつ力をつけたい。

オーストラリア遠征初戦の相手は、スーパーラグビー・パシフィックに参戦するオーストラリア4チームの一角ウェスタン・フォースだ。フォースは2025年のスーパーラグビーで11チーム中9位。オーストラリア勢の中で最下位だった。12年前の対戦ではライオンズが69-17で勝っており、ライオンズとしては負けられない相手だ。

 

フォース戦のライオンズのメンバーは、アルゼンチン代表戦から先発15名中FW7名、BK6名と13名の変更がある。ツアーのキャプテンであるLOマロ・イトジェは欠場し、アイルランドのHOダン・シーハンがキャプテンを務める。3番PRはアイルランド代表79キャップを誇るタイグ・ファーロン。LOは28歳のスコット・カミングス(スコットランド)、24歳のジョー・マッカーシー。両FLは攻守に献身的な動きが光るタイグ・バーン(33歳)、ジョシュ・ファンデルフリアー(32歳)のアイルランドコンビ。そして、NO8はチーム最年少の20歳、ヘンリー・ポロック(イングランド)が入る。元気印のポロックとベテランコンビがどんなコンビネーションを見せるか楽しみだ。

ハーフ団は、ウェールズのSHトモス・ウィリアムズと、スコットランドの天才SOフィン・ラッセル。クリエイティブな仕掛けでフォースを翻弄したい。WTBはアイルランドコンビのジェームズ・ロウ、マック・ハンセン。ロウはニュージーランド、ハンセンはオーストラリア出身で、ハンセンにとっては凱旋帰国となる。CTBはアルゼンチン戦では13番だったシオネ・トゥイプロトゥが12番を背負い、13番にはアイルランドBKの要であるガリー・リングローズが入る。この2人の突破力、両WTBの決定力はフォースにとって脅威だ。今ツアーではフィン・ラッセルが10番の一番手を目されるだけに、その手綱さばきに注目だ。

対するフォースは、オーストラリア代表ワラビーズのスコッドに9名を送り出しているが、今回はそのメンバーも含む布陣で臨む。キャプテンは、35歳のSHニック・ホワイト。長らくオーストラリア代表でプレーした経験でチームを引っ張る。ホワイト他、PRトム・ロバートソン、LOダーシー・スウェイン、フランスのカストルで3シーズンプレーしたあと昨季オフにフォースに参加したLOニック・チャンピオン・デ・クレスピニー、セブンズ代表の経験もあるWTBディラン・ピーチ、FBベン・ドナルドソンはオーストラリア代表に合流する前にライオンズと戦う。FBドナルドソンは、オーストラリア代表のキャンプに参加していたが、カートリー・ビールが練習中の怪我で欠場することになって先発が決まった。

このほか、先月引退を発表したばかりの元オーストラリア代表LOサム・カーター、パース出身で引退するPRオリー・ホスキンスも先発。ラグビーキャリアの最後をライオンズで締めくくるという幸運に恵まれた。クラブのキャプテンであるLOジェレミー・ウィリアムズ、地元出身のFLカルロ・ティッツァーノ、WTBハリー・ポッターはフィジー代表と戦うオーストラリア代表のキャンプに参加しているために欠場する。

チームを率いるサイモン・クロンヘッドコーチは、2019年度から3シーズン、トヨタヴェルブリッツのヘッドコーチを務めたキャリアがある。2023シーズンからフォースのヘッドコーチに就任。クロンHCはライオンズとの対戦では「基本とメンタリティが鍵になる」と語る。「クリーンにボールを保持すること」。それが思うような攻撃をするためにもっとも重要であり、スクラム、ラインアウトなどセットプレーで圧力をかけてくるライオンズに対して、ボール争奪戦でどこまで戦えるかがカギになる。

文: 村上晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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