トヨタヴェルブリッツが北九州で全勝の埼玉ワイルドナイツに挑む

　

リーグワン・ディビジョン1は第4節を終え、4連勝は埼玉パナソニックワイルドナイツ（埼玉WK）と、東芝ブレイブルーパス東京のみ。これを3勝1敗の静岡ブルーレヴズ、2勝2敗の横浜キヤノンイーグルスが追う展開になっている。第5節は、1月18日（土）、19日（日）、各地で行われるが、注目カードの一つが19日に福岡県北九州市のミクニワールドスタジアム北九州で開催されるトヨタヴェルブリッツ（トヨタV）対埼玉WKだ。

埼玉WKは第4節で三重ホンダヒート（三重H）を48－24で破った。ダブルスコアだが後半は勢いのある三重Hに苦しめられた。ロビー・ディーンズ監督は「タフな試合は予想していたこと。開幕5試合の第1ブロック終了まであと1試合。（トヨタV戦を）楽しみたければ、選手自身が練習から良いパフォーマンスをして臨んでいかなければいけない」と話した。少しでもゆるみがあれば苦しい試合になるということだろう。

ホストゲームとして戦うトヨタVは、第4節でリコーブラックラムズ東京に競り勝ち、1勝1分け2敗の勝ち点9として8位に浮上した。2試合接戦を落としているが、シーズンは始まったばかり。十分に巻き返す時間は残されており、全勝で走る相手を倒して自信をつけたい。しかしながら埼玉WKとの対戦では現在リーグ戦で7連敗中。直近の16試合でも1勝15敗と近年の対戦戦績は大きく負け越している。

金曜日のオンライン会見で、先発LO秋山大地は「埼玉WKのFWは大きくて速く、アタックの良いチーム。スキルフルな選手も多い。トヨタとして受け身になることなく戦いたい」と話した。今季よりスティーブ・ハンセンヘッドコーチと共同コーチとなったイアン・フォスターは試合のどこの焦点を当てるかと問われて、「ブレイクダウン（ボール争奪局面）の精度が求められる。4試合で次第に良くなってきているが、一つあげるならそこです」とコメント。激しいボール争奪戦で互角以上に戦えるかどうかは久しぶりの勝利のカギを握るポイントだ。

　

金曜日に発表されたトヨタVのメンバーは、第4節から先発で3名の変更。LOジョシュ・ディクソンに代わってスコットランド代表のリッチー・グレイ、NO8は前節負傷退場の姫野和樹に代わって奥井章仁がリーグワンデビューを飾る。BKは前節交代出場だったシオサイア・フィフィタが13番で先発。SO松田力也は古巣との戦いだ。各選手の特徴を知り尽くした松田がどんなゲームリードを見せるのか注目である。

　

対する埼玉WKは先発15名ではSH小山大輝が2節以来の復帰となる。また、怪我で出遅れていたLOルード・デヤハーがリザーブ入り。今季初登場となり、持ち前の重いプレーとワークレートの高さを披露してくれるだろう。OPTAのスタッツによれば、LOエセイ・ハアンガナは今季相手タックラーを2選手以上コミットさせるキャリー率が77％で、これは姫野に次ぐリーグ2位の記録。FLラクラン・ボーシェーのタックル成功数は今季のディジョン1で最多の72。個々のパワフルなプレー、仕事量を数字も裏付ける。

松田力也対山沢京平ほか、楽しみなマッチアップも多いが、WTB対決も見もの。ともに4トライをあげている埼玉WKの長田智希、竹山晃暉に対して、トヨタVの高橋汰地も4トライ。もう一人の和田悠一郎も3節からの登場で抜群のスピードを披露している。仲間がつないだボールを持ってより多くトライラインを越えるのは誰か。さまざまな角度から楽しめる戦いだ。

文：村上 晃一