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垣永真之介(東京サンゴリアス)
1月12日(土)、秩父宮ラグビー場(東京都港区)には、11,379人の観衆が集った。東京サントリーサンゴリアス(東京SG)はホストゲームで今季初勝利を目指した。午後2時5分、東京SGのキックオフで試合は始まった。
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先制したのは東京SGだった。前半15分、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)陣に深く入った右ラインアウトから連続攻撃。右サイドにいたWTB尾崎晟也がディフェンスの内側に走り込み、SH流大のパスを受けてトライラインに迫る。すぐに流が右に展開し、SO高本幹也がトライエリアに駆け込んだ。10分後、S東京ベイが攻め込んだところでパスが乱れ、後逸したボールを東京SGのWTBチェスリン・コルビが確保して独走トライ。高本がゴールを決めて、14-0とリードを広げた。
ミスと反則で流れに乗り損ねていたS東京ベイが反撃を開始する。SH藤原忍のパスにパワフルな選手が次々に走り込んで流れを作ると、30分、トライラインにぎりぎりまで近づいたラックから藤原が右にパスアウト。SOバーナード・フォーリーが右タッチライン際へロングパスを送り、WTBハラトア・ヴァイレアがトライ。続く33分には流のキックをCTBリカス・プレトリアスがチャージし、FL末永健雄がつなぎ、WTB木田晴斗がタックルを振り切ってトライ。14-14の同点とした。
このまま前半終了かと思われた前半40分、S東京ベイはハーフウェイライン付近から連続攻撃を仕掛けて、東京SG陣深く入ると、PR為房慶次朗がタックルを弾き飛ばして突進し、ラックサイドに藤原がボールを持ち出しながら木田にパスを送ってトライラインに迫り、木田のパスを受けたLOデーヴィッド・ヴァンジーランドがトライ。21-14とリードして折り返した。後半に強いイメージのあるS東京ベイだが、この日はHOマルコム・マークス、PRオペティ・ヘルという自慢のインパクトプレーヤーは欠場していた。
ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(1月12日)
【第4節 ハイライト動画】東京サンゴリアス vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
交代選手がインパクトあるプレーをしたのは東京SGのほうだった。後半14分、攻撃ラインのなかで交代出場のPR垣永真之介が抜け出し、タックルを受けながらのオフロードパスでCTBイザヤ・プニヴァイのトライをアシストする。垣永の笑顔が東京SGサポーターを喜ばせた。21-21の同点に追いついた東京SGだったが、直後にS東京ベイのフォーリーにトライを許し、26-21と再びリードされた。
その後は東京SGが交代出場のFW第三列タマティ・イオアネのパワフルな突進を軸に何度も攻め込んだが、S東京ベイの的確で力強いタックルを前に攻めきれず、もどかしい展開が続いた。後半33分、S東京ベイの木田が危険なタックルで10分間の一時退場となる。その後は東京SGが攻勢に出て、試合終了間際、ラインアウトのモールからHO呉季依典が左中間にトライし、ついに同点に追いつく。しかし、高本のゴールは無情にもゴールポストに弾かれ、ノーサイドとなった。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチは垣永真之介。インパクトあるプレーをしたものの、それが勝利には結びつかず、笑顔はなかった。「僕らは勝たせるのが仕事なので」。チームの公式戦100試合を達成したCTB中村亮土は、記念セレモニーで観客席を見渡して涙ぐんだ。「悔しい結果になりましたが、勝てなくても応援してくださる皆さんにおかげで戦えています。チームとしては少しずつ良くなっています。ついてきてください。最後は勝ちましょう」。
一方、S東京ベイの選手たちも表情は複雑だった。為房は「勝ちきれなかったのは残念」と悔しがり、藤原は「負けなくて良かったです」と安堵の言葉を発した。引き分けではあったが、東京SGの波状攻撃を止めたディフェンスは特筆すべきもので、17タックルを決めたHO江良颯ほかLOデヴィッド・ブルブリングらFW陣のハードワークが光っていた。余談だが、S東京ベイでリーグワンデビューを果たした選手にアキラ・イエレミアがいる。彼の父はかつて東京SGでプレーしたCTBアラマ・イエレミア。その父が東京SGに加入した2001年にアキラは府中で生まれた。アキラにこの結果についてお父さんはどう思うだろうか問いかけると、「父は引き分けを喜んでいると思います」と照れた微笑みを浮かべた。イエレミア・ファミリーを知る人にとっては、感慨深い引き分けでもあったわけだ。
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ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1 第4節-4 東京サンゴリアス vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
1月12日(日)午後 1時50分~ 生中継
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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