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【ハイライト動画あり】埼玉ワイルドナイツ開幕3連勝。 ブラックラムズ東京の勢いを抑え込む。ジャパンラグビー リーグワン2024-25 第3節
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
リコーブラックラムズ東京(BR東京)のホストゲームとなった1月4日(土)、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場には、8,403人の観衆が集った。駒沢のホストゲームでの史上最多入場者数だった。前節、東京サントリーサンゴリアスを破ったことで前売りチケットの販売は伸びた。客席には埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)のファンも多く、連勝スタート同士の好勝負を期待したファンの嗅覚と言うべきか。3連勝を目指す激闘は、午後1時に始まった。
BR東京はキックオフのボールを浅めに蹴り、FLマイケル・ストーバーグが確保しようと飛びこむ。ストーバーグはブロディ・マクカランなどFW第三列に負傷者が相次いだことから本来のLOではなくFL(6番)で先発していた。直後に埼玉WKのSO山沢京平のキックを、BR東京のFBアイザック・ルーカスがチャージ。BR東京のアグレッシブな姿勢が際立つ。ここは埼玉WKのFB野口竜司がカバーする。野口は山沢拓也の負傷によって先発。その後も持ち前の安定感あるフィールディングとハイパントキャッチでBR東京のチャンスの芽を摘んだ。
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前半3分、BR東京はSO中楠一期のPGで先制したが、11分、埼玉WK山沢のキックパスからWTB竹山晃暉にトライを奪われる。続くキックオフからは自陣でのミスで攻め込まれ、スクラムを崩すコラプシングの反則を犯し、PGを決められてしまう。10-3とリードを許した直後のキックオフではCTB池田悠希がそのボールを直接キャッチして攻め込み、連続攻撃から左コーナーにNO8リアム・ギルが飛び込む。同点に結びつくトライかと思われたが、ラックからギルがボールを持ち出した際、最後尾の選手ではなかったというオフサイドの反則でトライはキャンセルされてしまう。しかし、一連のプレーの中で埼玉WKの反則があり、PGを決めて、10-6とした。
その後も攻撃を仕掛けるBR東京だが、埼玉WKの両FLベン・ガンター、ラクラン・ボーシェーのハードタックル、ジャッカルなど強固なディフェンスの前にトライが奪えない。32分、中楠のPGで1点差に迫るが、その後、自陣でのダイレクトタッチ、ラインアウトでの反則が続いて防戦一方となる。前半終了間際、CTBディラン・ライリーの突進はゴールライン直前で止めたが、NO8ジャック・コーネルセンにトライされ、17-9と突き放された。自陣でのミス、反則の手痛い代償だった。
その後、埼玉WKが1PGを追加するも、BR東京は後半7分、池田のトライと中楠のゴールで20-16と差を詰めて観客席を沸かせた。しかし、後半なかばからは埼玉WKが攻撃をテンポアップ。15分、WTB長田智希がスキーのスラロームのようなステップワークでディフェンダーを交わしてトライすると、28分にも長田がトライを追加。34-16となってほぼ勝敗は決した。最後は埼玉WKの交代出場のFL長谷川崚太がトライを加え、39-16でノーサイドとなった。
ジャパンラグビー リーグワン2024-25
【 ハイライト動画】第3節 ブラックラムズ東京 vs. 埼玉ワイルドナイツ
堅守速攻が持ち味の埼玉WKが、ボール保持率63%、地域獲得率も66%と圧倒した。多くの時間を自陣で戦うことになったBR東京に勝機を見出すのは難しかった。BR東京の武井日向キャプテンは、「ハードワーク、エフォート、フィジカリティーの一貫性はあったが、チャンスを与えすぎた」と、自陣でのミス、反則を悔やんだ。地力アップは間違いないが、プレーの精度やゲーム運びに課題は残る。
埼玉WKは負傷者に代わって出場した選手が活躍。野口の防御でのポジショニングや、キャッチの精度は特筆すべきものだった。小山大輝に代わってリーグワンデビューとなったSH萩原周は、週初めにロビー・ディーンズ監督から先発を告げられて、「23年間で一番緊張した」という。しかし、ラックサイドを果敢に突破するなど思い切ったプレーでアピール。新人を伸び伸びとプレーさせる包容力も埼玉WKに強さだろう。後半に投入されたSH高城佑太も巧みなパスさばきでテンポアップに貢献した。個々の基礎スキルの高さ、戦略の浸透度など埼玉WKの強さを再認識させられる戦いだった。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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