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花園ラグビー場第1グラウンド
12月30日(月)、「花園」こと、104回目を迎える全国高校ラグビー大会は大会3日目を迎え、2回戦16試合が行われる。いよいよAシード3、Bシード10のシード13校が登場して初戦を迎える。
◆第1グラウンド
☆:Aシード ★:Bシード
09:30 桐蔭学園(神奈川☆)vs. 流通経済大柏(千葉)
10:45 高鍋(宮崎)vs. 大分東明(大分★)
12:00 東海大大阪仰星(大阪第2★)vs. 佐賀工業(佐賀)
13:15 大阪桐蔭(大阪第1☆)vs. 長崎北陽台(長崎)
14:30 常翔学園(大阪第3★)vs. 高知中央(高知)
15:45 石見智翠館(島根☆)vs. 尾道(広島)
第1グラウンドでは大会最多の6試合が行われる。第1試合は関東勢同士の激突となり、昨季王者のAシード桐蔭学園(神奈川)が、昨季ベスト8の流通経大柏(千葉)のチャレンジを受ける。
監督同士が大東文化一高の先輩・後輩で、普段からよく練習をしている両チーム。展開ラグビーを軸に得点力もある桐蔭学園に対して、流通経大柏としては接点でファイトしてロースコアの展開に持っていきたい
第2試合は、九州勢同士の対戦で高鍋(宮崎)が、Bシードの大分東明(大分)に挑む。FW(フォワード)の突破力、BK(バックス)にも能力の高い選手が揃う九州王者・大分東明に対して、高鍋は強化してきたスクラムと展開ラグビーを武器に先手を取りたい。
モールを押し込む佐賀工業
第3試合は、Bシードの東海大大阪仰星(大阪第2)と前回ベスト4の佐賀工業(佐賀)が激突する。攻守に渡り、組織力のある東海大大阪仰星に対して、佐賀工業はFWのモールを軸に主導権を握りたい。
第4試合は、昨年度ベスト4で今季は動けるFWと能力の高いBKが揃う、優勝候補筆頭のAシード大阪桐蔭(大阪第1)が九州の強豪の長崎北陽台(長崎)と対戦する。総合力で上回る大阪桐蔭に対して、長崎北陽台はFWが接点、セットプレーでプレッシャーをかけて台頭に戦う時間を作り接戦に持ち込めるか。
午後2:30から始まる第5試合は常翔学園(大阪第3)に、高知中央(高知)がチャレンジする。FW、BK一体となって前に出るラグビーが持ち味の常翔学園に、高知中央はBKを中心としたパスラグビーを武器に粘り強く戦いたい。
午後3:45にキックオフされる第6試合は、普段からよく対戦している中国地方勢同士の激突となった。Aシードで春の選抜大会準優勝の石見智翠館(島根)が尾道(広島)の挑戦を受ける。FW、BKともに能力の高い選手が揃う石見智翠館に対して、尾道は接点からのターンオーバーに活路を見いだしたい。
第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会
◆第2グラウンド
09:30 山梨学院(山梨)vs. 秋田工業(秋田)
10:45 明和県央(群馬)vs. 國學院栃木(栃木★)
12:00 倉敷(岡山)vs. 近大和歌山(和歌山)
13:15 盛岡工業(岩手)vs. 茗溪学園(茨城★)
14:30 東海大静岡翔洋(静岡)vs. 関商工(岐阜)
第2グラウンドでは5試合が行われる。第1試合は花園初勝利を飾った山梨学院(山梨)と、秋田工業(秋田)のノーシード同士が対戦する。FWのフィジカルとBKのキック力に定評のある山梨学院と、ボールキャリーとディフェンスが強みの秋田工業のどちらがベスト16に進むか。
第2試合は北関東勢がぶつかり、明和県央(群馬)がBシードの國學院栃木(栃木)に挑戦する。初戦で得点力の高さを見せた明和県央は、春の選抜でベスト4と地力に勝る國學院栃木にどこまで競ることができるか。
6回目の挑戦で花園初勝利を挙げた近大和歌山
第3試合は倉敷(岡山)と近大和歌山(和歌山)のノーシード同士が、互いに初のベスト16をかけて激突する。ディフェンスに力を入れてきた倉敷に対して、花園初勝利を挙げた近大和歌山は展開力で勝負したい。
第4試合は優勝2回の古豪・盛岡工業(岩手)が、Bシードの茗溪学園(茨城)に挑む。接戦を制して2回戦に進んだ盛岡工業は、展開力だけでなくFWに強みを茗溪学園のアタックをどこまで止めることができるか。茗溪学園はやはりFW、BK一体となったつなぎを見せたい。
第5試合は互いに1回戦を勝ち上がった東海地方同士、東海大静岡翔洋(静岡)と関商工(岐阜)が対戦する。守備に強みを見せ、逆転で勝ち上がった東海大静岡翔洋と、大量トライで完封勝ちをおさめたアタック力の関商工のどちらがベスト16に駒を進めるか。
◆第3グラウンド
09:30 國學院久我山(東京第2★)vs. 日本航空石川(石川)
10:45 中部大春日丘(愛知★)vs. 京都工学院(京都)
12:00 報徳学園(兵庫)vs. 目黒学院(東京第2★)
13:15 東福岡(福岡★)★vs. 光泉カトリック(滋賀)
14:30 昌平(埼玉)vs. 天理(奈良★)
第3グラウンドでも5試合が行われる。第1試合はBシードの國學院久我山(東京第2)に、日本航空石川(石川)がチャレンジする。総合力の高い國學院久我山に対して、能登半島地震の影響で県外を中心に強化を進めてきた日本航空石川が、トンガ人留学生を軸に圧力をかけていきたい。
シード校に匹敵する実力を持つ京都工学院
第2試合は、前大会ベスト8のBシード中部大春日丘(愛知)が、9大会ぶりの出場で、初戦を快勝して勢いに乗る京都工学院(京都)と激突する。中部大春日丘はフィジカルに長けたFWとスピードのあるBKが揃う。京都工学院もセットプレー、接点で働くFWと、BKにはランナーが揃うだけに激戦は必至だ。
第3試合は今大会はノーシードとなった報徳学園(兵庫)と、Bシードの目黒学院(東京第1)が激突する。今大会に向けてスピード、フィットネスを鍛えてきた報徳学園か、それとも強力なトンガ人留学生を中心に能力の高い選手が揃う目黒学院か。好勝負が期待できそうだ。
第4試合は、前回大会準優勝でBシードの東福岡(福岡)が、光泉カトリック(滋賀)の挑戦を受ける。東福岡は初戦で負けた春の選抜から比べる、接点の強さや展開力が増してきており、初戦に勝って勢いに乗りたい。光泉としては持ち前のアタッキングラグビーを貫きたい。
第5試合は昌平(埼玉)がBシードの天理(奈良)にチャレンジする。ディフェンス力に定評のある昌平は相手陣で戦い、展開力のあるBKで勝負したい。前に出るディフェンス、そしてチームの一体感、モールを武器とする天理は接点で上回りペースを握りたい。
ノーシード校がシード校を下すことを「シードバック」というが、大会で起きても1、2回ほどである。12月30日の2回戦、シード13校がしっかり勝利してシードを守ることができるか。それともノーシード校が奮起してシード校を倒すチームが現れるか。「正月越え」=ベスト16を懸けた熱戦を大いに楽しんでほしい。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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