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ラグビー コラム 2024年12月24日

初の「15人制3冠」に挑む大阪桐蔭を止めるのはどこか?全国高校ラグビー大会のみどころ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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春の選抜を制した大阪桐蔭

12月27日から1月7日にかけて、大阪・東大阪市花園ラグビー場を中心に、高校ラグビー日本一を決める「花園」こと、第104回全国高校ラグビー大会が開催される。大会には、各都道府県の代表51校(東京と北海道が2校。大阪が2校+開催地枠で計3校)が出場する。

昨季は、桐蔭学園(神奈川)が春の選抜に続き、3大会ぶり4度目の優勝に輝き、キャプテンのNO8(ナンバーエイト)城央祐(早稲田大学1年)が、優勝旗「飛球の旗」を手にした。

花園の大会日程は例年通りで、12月27・28日に1回戦が行われ、30日はシード13校も登場する2回戦、元日に3回戦が開催。1月3日に準々決勝、5日に準決勝、7日に決勝が行われ、今季の日本一が決まる。なお、3回戦、準々決勝後に勝ち残ったチームの主将による抽選で、準々決勝、準決勝の対戦カードが決定する。

今季もすでに選抜大会、ブロック大会などの結果によりAシードの3校、Bシード10校の13校が決まり、12月8日に抽選により、1~3回戦の組み合わせが決まった。まずシード校は以下の通りだ。

◆Aシード(3校)

・大阪桐蔭(大阪第1/選抜優勝)
・石見智翠館(島根/選抜準優勝)
・桐蔭学園(神奈川/選抜ベスト4&夏のセブンズ優勝)

◆Bシード(10校)

・茗溪学園(茨城)
・國學院栃木(栃木/関東新人優勝&選抜ベスト4)
・目黒学院(東京第1/選抜ベスト8)
・國學院久我山(東京第2)
・中部大春日丘(愛知/選抜ベスト8)
・東海大仰星(大阪第2)
・常翔学園(大阪第3)
・天理(奈良)
・東福岡(福岡)
・大分東明(大分/夏のセブンズ準優勝)

優勝候補の一角、桐蔭学園

選抜ベスト8は無条件で花園はシードとなるが、今季は選抜ベスト8の神奈川の東海大相模、奈良の御所実業が県予選の決勝で敗戦したため、シード校の選出はやや難しかったようだ。

また、今大会は流通経済大柏(千葉)、京都工学院(京都)、報徳学園(兵庫)、尾道(広島)、佐賀工業(佐賀)、長崎北陽台(長崎)が、シード校から漏れてノーシードとなった。ただ、いずれにせよ、今大会もシード校を中心に優勝争いが繰り広げられるだろう。

その中でも優勝候補の最右翼は今季、初の「15人制3冠」がかかっている「白い旋風」こと、Aシードの大阪桐蔭(大阪第1)だ。

機動力に長けたFW(フォワード)とタレントの揃うBJが武器で、春の選抜大会では11年ぶり2度目の栄冠に輝いた。さらに5月、海外の強豪が出場したサニックスワールドユースで、初めて日本勢として優勝。その後は夏合宿、練習試合でも連勝を続け、今季、15人制では未だ無敗を続けている。

そのため、大阪桐蔭が冬の花園もそのまま優勝するのか、それとも止めるチームが現れるのか、というのが今大会の大きな焦点となっている。

対抗馬として有力なのは、連覇を狙っている桐蔭学園だ。選抜大会は準決勝、ワールドユースでは決勝で大阪桐蔭に敗れた。ただし、夏のセブンズでは2019年大会以来2度目の優勝に輝いており、神奈川予選決勝でも選抜ベスト8の東海大相模を下して出場権を得た。春のリベンジを花園で果たせるか。

初のAシードで、初優勝を目指す石見智翠館

さらに選抜大会準優勝の石見智翠館(島根)も、FW、BKのバランスが取れており総合力の高いチームとして、初のAシードに選出され、初の日本一をうかがう。

また、Aシードに匹敵する力を持っていると目されているBシード校が、今季、2月の新人戦と6月の全九州大会を制した大分東明(大分)だ。フィジー人留学生は強力で、日本人選手にも力があり、夏のセブンズ大会でも準優勝に輝くなど力のあるチームだ。12月の練習試合でも東福岡(福岡)に勝利している。

九州の雄、東福岡

一昨季の優勝校で昨季の準優勝校、合計7度の優勝を誇るBシードの東福岡も調子が上がってきたと言えよう。選抜大会こそ初戦で目黒学院に敗退したが、夏の練習試合では桐蔭学園を圧倒し、大分東明には敗れたが、天理、石見智翠館に勝利したという。

トンガ人留学生のパワーが武器で選抜ベスト8に入った東京王者・目黒学院(東京第1)、春の選抜でベスト4に入った関東新人王者の國學院栃木(栃木)、また、選抜大会ベスト8で、単独チームで国民スポーツ大会優勝のライバル・御所実業を下して66度目の出場となった天理の3校も力がある。

他にもBシード校には伝統的に展開ラグビーを武器とする茗渓学園(茨城)、東京の第2代表・國學院久我山、東海王者の中部大春日丘(愛知)、優勝6回の東海大大阪仰星(大阪第2)、優勝5回を誇る常翔学園(大阪第3)が選出されている。

すでに3回戦までの組み合わせは決まっている。大阪桐蔭、桐蔭学園、石見智翠館のAシードの3校は3回戦までシード校と対戦することがなく、自分たちの力を発揮できればベスト8に進出することができるはずだ。

今大会でいわゆる「死の組」となったのが、東海大大阪仰星と5度の優勝を誇る目黒学院のBシード2校が入った山だ。東海大大阪仰星は30日の初戦(2回戦)で昨季ベスト4の佐賀工業と四国王者・松山聖陵(愛媛)の勝者と対戦。

目黒学院は初戦で一昨季の準優勝校・報徳学園(兵庫)と東北の名門・仙台育英(宮城)の勝者と対戦する。さらに、その勝者同士が3回戦で激突する。混戦模様の山を突破してベスト8に進むチームはどこになるのか。

「紅歌(こうか)」を歌い気合を入れる京都工学院

また、ラグビーファンの耳目を集めているのが、伏見工業時代は花園で4回の優勝を誇り、現校名では初出場となった京都工学院(京都)だ。予選決勝では花園常連校として壁となっていた京都成章を下して9年ぶり21度目の出場を決めた。

残念ながらノーシードとなったが、27日に6年ぶり2度目の出場となった聖光学院(福島)と対戦し、勝利すれば30日にBシードの中部大春日丘にチャレンジする。BKに力のある選手が揃うチームだけに伝統の展開ラグビーを見せたい。

初出場校こそゼロだったが今大会の特徴として、ノーシードに実力校が揃うことだ。ノーシード校がシード校を倒す『シードバック』が起きる可能性も十分だ。そして、優勝旗「飛球の旗」はどのチームのキャプテンが掲げることになるのか――。

大方の予想通り、大阪桐蔭が春からの勢いのまま、初の「15人制3冠」を達成するのか。桐蔭学園が大阪桐蔭を止めて連覇を達成するのか、それとも他のチームが優勝するのか。

花園は負けたら終わりのトーナメント戦。今季も高校3年生の最後の大会に賭ける熱い思いが詰まった真剣勝負が大阪の冬を熱くする。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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