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ラグビー コラム 2024年12月16日

【ハイライト動画あり】風上の前半に5トライ。強みを先に出した慶大、東洋大の攻撃力を封じる。

ラグビーレポート by 田村一博
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小城大和(慶應義塾大学)

近年右肩上がりで実力を伸ばしている東洋大にとっては、あらためて勝負の難しさを思い知る80分となった。

12月14日(土)に秩父宮ラグビー場でおこなわれた全国大学選手権3回戦の慶大(関東大学対抗戦A-4位)×東洋大(関東大学リーグ戦1部 2位)は、50-26と慶大が快勝した。
接戦という戦前の予想を覆すスコアとなった。

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前半は35-7。風上に立った慶大が、自分たちの強みと気象条件をうまく使い、思い通りの展開に持ち込んだ。
先制点は前半5分。自分たちが自信を持つラインアウト、モールからHO中山大暉主将がインゴールに入った。

慶大はシーズン途中からSOに定着した和田健太郎が落ち着いてゲームを組み立てた。
和田は左足からのキックで着実にチームを前に出す。CTB今野椋平のキックも同様に効果的だった。

今野椋平(慶應義塾大学)

その今野はランプレーでも貢献した。チーム2つめのトライは前半20分。SO和田が緩急を使ってうまく間(ま)を作ったところに走り込み、インゴールに入った。
このトライシーン、1年生司令塔の巧みなプレーは、2度、3度くり返し見たい。

今野は22分にもラインアウトからのアタックを仕上げた。モールを組んだ後、SH小城大和のボールを持ち出すタイミングも素晴らしく、効果的に前進。ラストパスを放ったのは、ふたたびSO和田。ここも、相手のマークを一身に受けながら深いパスを通す絶妙さだった。

21-0とした慶大は、さらに前半のうちに2トライを追加して35-0とした。
39分に東洋大WTBモーリス・マークスに100メートルを走り切られて7点を返されるも、大量リード(35-7)を奪ってハーフタイムを迎えた。

前半最後のWTBマークスのトライからも分かるように、個々の能力は高く、後半に入って本来の力を発揮しだした東洋大だったが、慶大は後半も先に点を取ったことで完全に勝負を決めた。
自陣に入られての防御の局面でWTB石垣慎之介がインターセプトからトライを奪ったのが後半7分。40-7として東洋大を落胆させた。

ラグビー 全国大学選手権 24/25 3回戦(12月14日)

【ハイライト動画】東洋大学 vs. 慶應義塾大学

浅井勇暉(慶應義塾大学)

後半21分にふたたび東洋大WTBマークスにトライを許したものの、慶大は21分にSH小城、26分にLO浅井勇暉がトライを奪って突き放す念の入れようだった。
濃紺のジャージーもラスト10分に2トライを返す粘りを見せたが、慶大が思い通りの試合運びを見せた80分だった。

青貫浩之監督は「アタックの爆発力のある相手に受けに回らず、先手必勝と思っていました。前半、ディフェンスを起点に攻め、先行できたのが良かった。後半受けに回ってしまったところもありましたが、チームとしてやろうとしたことができた試合」だったと、選手たちの遂行力を評価した。

またHO中山大暉主将も、攻撃力のある相手に怯まず、前に出続けたことが最大の勝因とした。
「いいボールキャリーが何人もいるチーム。前に出るディフェンスをしようと思っていました。春に勝った時も(関東大学春季交流大会で62-17)同じように、ラインスピードを上げ、ブレイクダウンで圧力をかけた結果でした。それが参考になった」

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敗れた東洋大の福永昇三監督は、「本当に残念。キャプテンを中心に勝つ準備をしてきたので悔しい」という言葉に続け、「スクラム、ディフェンスとも、試合の中での駆け引きの部分が足りなかった。成長過程のチームにおいて、普段通りではないということは言ってきたのですが(対応できなかった)」と振り返った。
また、「戦えた時間帯もあった。強くなるための経験を積んだ下級生たちの今後につなげないといけない」と将来を見据えた言葉も残した。

PRの笠巻晴太主将も、「自分はラグビーから引退しますが、東洋大はこれからもどんどん成長していきます。今回は課題をいただいた。後輩たちに期待します」と話した。そして、「ブレイクダウンで相手がファイトしてくるのは分かっていたが、前半に受けてしまった」と話し、後手を踏んでしまったことを悔やんだ。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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