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ラグビー コラム 2024年8月29日

夏合宿の試合結果は驚きの連続。今季の大学ラグビーは大混戦か!?

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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夏合宿の聖地である菅平高原では、注目の大学チーム同士の練習試合が次々に行われた。大学選手権4連覇を目指す帝京大早大が快勝し、その早大に天理大が大勝。その後、天理大は東海大に完敗。各チームのパフォーマンスが試合ごとに変わり、秋以降の予想がますます難しくなった。逆に言えば、何が起こるかわからない戦いが始まるわけで、大学ラグビーファンにとっては必見の試合が増えたということだ。

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強豪チーム同士の戦いは、8月中旬から下旬にかけて菅平のメイングラウンドであるサニアパークで連日のように開催された。最初にファンを驚かせたのは関東大学対抗戦Aで昨季4位の筑波大だ。8月14日、昨季対抗戦A2位の明大を35-31で破った。序盤からラインアウトモールで何度も攻め込み、明大に先制されたものの地域獲得で上回り、FB増山将(2年)のカウンターアタックなどでチャンスを作ってトライをあげた。筑波大には桐蔭学園から今季加入のNO8中森真翔(1年)、東福岡出身の1年生PR茨木海斗も出場しており、まだまだレベルアップしそうだ。

8月18日、筑波大と28-21と接戦を繰り広げたのが関西の春季トーナメントで2位となった関西学大だ。8月21日には、慶大を29-26で破っている。2023年のU20日本代表で選ばれたPR黄世邏(ふぁん・せら、4年)、NO8小林典大(3年)、WTB武藤航生(3年)、今年のU20日本代表PR大塚壮二郎(2年)らタレントも多く、大学選手権で上位を狙える戦力を証明した。

同じく18日の試合では早大が躍動。帝京大に対して日本代表HO佐藤健次キャプテン(4年)が3トライするなど完全にゲームを支配し、38-14で勝った。膝の怪我でリハビリを続けていたSH宮尾昌大(4年)が待望の復帰を果たし、正確なパスさばきでBKを走らせたのも明るい材料だ。

8/25 帝京大学 vs. 明治大学

対する帝京大は序盤から受けてしまった印象で、LO本橋拓馬(4年)、FL青木恵斗キャプテン(4年)ら主力にミスも多く、後半は盛り返したものの敗れた。しかし、25日の明大戦では奮起。日本代表PR森山飛翔(2年)を軸にスクラムでも圧力をかけ、31-28で明大を下した。攻守のリアクションも良く、早大戦とは見違える動きを見せた。SOにはU20日本代表ではCTBを務めた本橋尭也(2年)が落ち着きそうだが、BKは才能豊かな選手が多く、細かなチーム作りはこれからだろう。

8月18日はもう一つの注目カードがあり、天理大が29-28で明大を下した。天理大は早大にも勝ち、関西の春季トーナメントで4位に沈んだところから急速にチーム力を上げている。春は負傷者が多く、PR森仁之輔(3年)、FL太安善明(2年)、FL川越功喜(2年)らU20日本代表選手も不在だった。前に出るディフェンス、ディフェンスラインに接近してのアタックは健在で、NZからの留学生FLアリスター・サウララ(1年、196cm、102kg)、突破力あるNO8パトリック・ヴァカタ(4年、189cm、115kg)ら大型選手がフィットしてくれば関東の上位校を倒す力がある。

8/22 明治大学 vs. 京都産業大学

明大が力を見せたのは8月22日の京産大戦だった。前半は京産大に圧力を受けるシーンもあったが、ブレイクダウン、モール、スクラムと全般的に圧力をかけ、後半12分の時点で38-5と大きくリードした。立ち上がりからSO伊藤龍之介(2年)のロングキック、ランが光り、京産大のディフェンスを翻弄した。この夏のSOとして最も輝いていたと言ってもいいだろう。FW第三列には木戸大士郎キャプテン(4年)、最上太尊(3年)らパワーある選手が並び、バックスリーにはスピードある両WTB安田昂平(4年)、坂本公平(4年)、FB金昂平(きむ・あんぴょん、4年)がおり、ここに日本代表合宿に参加した海老澤琥珀、1年生の白井瑛人も加わる。BKの才能は枚挙にいとまがない。シーズン終盤までにどこまで力を上げられるのか注目だ。

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8/24 京都産業大学 vs. 東海大学

関西王者の京産大は明大戦の後半、爆発的な突破力を誇るNO8シオネ・ポルテレ(3年)がトライして盛り返したが、ミスが多すぎた。それでも、U20日本代表のLO石橋チューカ(2年)、LOソロモネ・フナキ(4年)に加え、土永旭(4年)、高木城治(2年)、村田大和(2年)のSHトリオがU20日本代表、日本代表など高いレベルで経験を積んでおり、伝統のスクラムがまとまってくれば、悲願の大学日本一を狙える力がある。

8/24 京都産業大学 vs. 東海大学

このところ関東大学対抗戦に押され気味の関東大学リーグ戦1部の東海大も存在感を示した。8月24日には、京産大と35-35で引き分け、27日には、天理大を41-19で破った。FL汐月佑心(4年)、CTB近藤翔耶(4年)の共同キャプテンがチームをリードし、得意のモールで前進したかと思えば、BKがワイドに展開してディフェンスを振り切るなど、バランスのとれたスタイルで関西の上位陣と互角以上の戦いを見せた。リーグ戦7連覇、その先の大学選手権に向けてチーム力を上げていきそうだ。

関東の大学ラグビーは、対抗戦、リーグ戦ともに9月7日(土)開幕。リーグ戦は東洋大大東大、対抗戦は日体大対帝京大で始まる。対抗戦の序盤では、9月14日(土)に慶大対筑波大、9月22日(日)に明大対慶大という好カードがあり、昨季対抗戦A5位の慶大が順位争いのカギを握る存在なのかもしれない。関西大学Aリーグは、9月22日(日)に花園ラグビー場に全8チームが揃って開幕する。夏合宿の結果を参考に各リーグの戦いを楽しみたい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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