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37分にはFLボーシェーのジャッカルからチャンスをつかみ、最後はSHヤングスからパスを受けた、NO8(ナンバーエイト)ザック・マーサーが中央にトライ。そしてコンバージョンキックは、HO堀江が任されて、同僚だったSO松田力也を彷彿させるルーティーンからしっかりゴールを沈めて45-32とした。
最後まで見ている観客をワクワクさせるゲームとなった試合は、そのままバーバリアンズが勝利し、『キリックカップ』防衛した。
プレイヤー・オブ・ザ・マッチを獲得したバーバリアンズのWTBファアインガアヌクだった。「普段とは違う感じだった。ある種、草の根に回帰するようなもので、私たち選手にとっては、年を重ねるごとに、初心に帰ることが素晴らしいことだったということを思い出させてくれるものでもある」。
「みんなの結束力を高めて、新しい仲間を作り、たくさん観客の前に出てプレーした。バックグラウンドも違うけど、世界中から集まった素晴らしい選手たちとコーチ陣と一緒にプレーできて非常に誇りに思う」。
堀江同様に、この試合で現役を引退したバーバリアンズのキャプテンLOホワイトロックは「フィジー代表とは何度か対戦したことがあったが、彼らは1対1
に強いし、オフロードも多くてとても危険なチームだった」。
「ずっとバーバリアンズでプレーしたいと思っていたので今日は光栄だ。招待されないと行けない特別なクラブだからね。今日のチームメイトは本当に、フィールドの外でも素晴らしいし、フィールドの中でも素晴らしい選手たちで、この場にふさわしい選手ばかりだった」と笑顔で振り返った。
フィジー代表のキャプテンFLデレナランギは「長旅や数人の選手が出場できないなど、今日、私たちが直面したあらゆる困難に、選手たちは立ち向かってくれた。みんなで練習できたのは昨日になってからだったが、たくましく、勇気を持ってプレーした」。
「長い時間をかけてこちらにやってきた選手もいる。今日、私たちがフィールドに立つのは、これまで練習してきた成果を発揮するためだった。そして、それを見せることができた」と胸を張った。
両チームはノーサイド後、一緒に輪になって賛美歌を歌い、バーバリアンズの選手はHO堀江がカップを持って記念撮影に収まった。この試合で現役を引退した2人、オールブラックス最多キャップのLOホワイトロック、そして日本代表のレジェンドHO堀江を送り出すにはふさわしいゲームとなった。
文:斉藤健仁/写真:REX/アフロ
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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